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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (79)
2010.10.22 Fri
「気付かないふりで、信じてるふりするのが、どんなに惨めだったか、アンタ分かんないでしょ?」
依織に向って放った真夕子の言葉に、瑛貴のほうがハッとした。
気付かないふり?
だとしたら真夕子は、
「そんなの、とっくの昔から知ってるってば…。だって、あたしだって、……あたしだって、アッキーに会いたくて、何回ここに来たと思ってんの?」
「え…」
瑛貴のほうを向き直って、まっすぐに思いをぶつけて来る真夕子。
初めて聞いた事実に、瑛貴は目を見開いた。
真夕子が、ここに来ていた?
「だってアッキー、メールも電話も殆どくれないし、会いに行きたくたって、時間が合わないんだもん。ここに来るしかないでしょ?」
「それは…」
電話やメールの無精を、真夕子から咎められたのはこれが初めてで、瑛貴はただただ呆然としてしまう。
そんな瑛貴に、真夕子は大きく溜め息をついた。
「…言わなきゃ、寂しいのもアッキーには伝わらなかったの? あたしなら寂しくないとか思ってたの?」
「そうじゃ…」
「アッキーの仕事は分かってるから、別に女の子と駅まで一緒に行くくらい、て思ってるけど、でも一緒にいるのがいっつもその子だって分かったとき、どんだけ悔しかったか、アッキー分かんないでしょ?」
伸ばした瑛貴の手はやんわりと拒まれ、真夕子は依織のほうを向いた。
真夕子は何度も瞬きをして、涙を堪えようとしていた。
「ねぇ、何でしょっちゅう店までアッキーのこと迎えに来て、一緒に駅まで行って、何でそんなことすんの? 自分のほうが会う機会が多いからって、あたしが全然会えなくて、いい気味だとか思ってた?」
「真夕ちゃんっ」
瑛貴を押し退け、真夕子は依織に激しく詰め寄った。
依織は何も言えず真夕子をただ見つめていたが、それが余計に彼女の怒りに触れてしまうようだった。瑛貴が止めようとしても、うまくいかなかった。
「バカにしないでよっ」
真夕子の右の手のひらが、パシッ…と乾いた音を立てて、依織の左頬にきれいに入った。
恐らくよけようと思えば出来たはずだが、依織はそうはせず、そのままその平手を受け止めた。
真夕子の瞳からは、とうとう涙が零れ落ちていた。
けれどその涙を拭うことも隠すこともせず、真夕子は依織をキツク睨むと、瑛貴の手を振り払って去っていく。
「え、あ、ちょっ…」
瑛貴は真夕子を追い掛けようとしたけれど、しかし頬をぶたれた依織のことも気になって、すぐにはその場から動けなかった。
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依織に向って放った真夕子の言葉に、瑛貴のほうがハッとした。
気付かないふり?
だとしたら真夕子は、
「そんなの、とっくの昔から知ってるってば…。だって、あたしだって、……あたしだって、アッキーに会いたくて、何回ここに来たと思ってんの?」
「え…」
瑛貴のほうを向き直って、まっすぐに思いをぶつけて来る真夕子。
初めて聞いた事実に、瑛貴は目を見開いた。
真夕子が、ここに来ていた?
「だってアッキー、メールも電話も殆どくれないし、会いに行きたくたって、時間が合わないんだもん。ここに来るしかないでしょ?」
「それは…」
電話やメールの無精を、真夕子から咎められたのはこれが初めてで、瑛貴はただただ呆然としてしまう。
そんな瑛貴に、真夕子は大きく溜め息をついた。
「…言わなきゃ、寂しいのもアッキーには伝わらなかったの? あたしなら寂しくないとか思ってたの?」
「そうじゃ…」
「アッキーの仕事は分かってるから、別に女の子と駅まで一緒に行くくらい、て思ってるけど、でも一緒にいるのがいっつもその子だって分かったとき、どんだけ悔しかったか、アッキー分かんないでしょ?」
伸ばした瑛貴の手はやんわりと拒まれ、真夕子は依織のほうを向いた。
真夕子は何度も瞬きをして、涙を堪えようとしていた。
「ねぇ、何でしょっちゅう店までアッキーのこと迎えに来て、一緒に駅まで行って、何でそんなことすんの? 自分のほうが会う機会が多いからって、あたしが全然会えなくて、いい気味だとか思ってた?」
「真夕ちゃんっ」
瑛貴を押し退け、真夕子は依織に激しく詰め寄った。
依織は何も言えず真夕子をただ見つめていたが、それが余計に彼女の怒りに触れてしまうようだった。瑛貴が止めようとしても、うまくいかなかった。
「バカにしないでよっ」
真夕子の右の手のひらが、パシッ…と乾いた音を立てて、依織の左頬にきれいに入った。
恐らくよけようと思えば出来たはずだが、依織はそうはせず、そのままその平手を受け止めた。
真夕子の瞳からは、とうとう涙が零れ落ちていた。
けれどその涙を拭うことも隠すこともせず、真夕子は依織をキツク睨むと、瑛貴の手を振り払って去っていく。
「え、あ、ちょっ…」
瑛貴は真夕子を追い掛けようとしたけれど、しかし頬をぶたれた依織のことも気になって、すぐにはその場から動けなかった。
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒ まずいですね(汗)
とうとうアッキーくんは彼女に見られてしまったんですね;
真夕さんの怒りが依炉織くんのほっぺにバシッと…イタタ
んー…怒りの矛先は彼氏のアッキーくんじゃなく、依織くんになるかあ…。依織くん、辛いやろなぁ。
アッキーくんはこの後、どーすんだろ。アッキーくんのホントの気持ちはなんなんだろ。彼女も好きで、でも依織くんのことも好きなんだと思うけれど。いや、あまりにもアッキーくん、鈍感過ぎだw 彼女を追いかけなかったアッキーくんはどーするんでしょか…気になります
真夕さんの怒りが依炉織くんのほっぺにバシッと…イタタ
んー…怒りの矛先は彼氏のアッキーくんじゃなく、依織くんになるかあ…。依織くん、辛いやろなぁ。
アッキーくんはこの後、どーすんだろ。アッキーくんのホントの気持ちはなんなんだろ。彼女も好きで、でも依織くんのことも好きなんだと思うけれど。いや、あまりにもアッキーくん、鈍感過ぎだw 彼女を追いかけなかったアッキーくんはどーするんでしょか…気になります
- |2010.10.22
- |Fri
- |21:13
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
もぉ~~~ホンット、アッキーはぁ~~~!! と、みなさんからお怒りを買ってしまいそうですが…(^_^;)
平気で浮気をするような軽い男にしたくない~~~と思って書いていたら、結局こんな優柔不断な男に…。
私的には、真夕ちゃんが好きなので、彼女がかわいそうな感じになってしまって、書きながら切なかったです…。
アッキー、早く追いかけてやれー!!
コメントありがとうございました!
平気で浮気をするような軽い男にしたくない~~~と思って書いていたら、結局こんな優柔不断な男に…。
私的には、真夕ちゃんが好きなので、彼女がかわいそうな感じになってしまって、書きながら切なかったです…。
アッキー、早く追いかけてやれー!!
コメントありがとうございました!