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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (76)
2010.10.19 Tue
*****
「あー依織、女の子ー! 久々ー!」
「七槻くん、声おっきいっ」
「んんんー」
陽気な七槻の声がJADEの前で響き、瑛貴が慌てて七槻を押さえ込んだ。
酔っ払っているせいか、やけにテンションが高い。そんな七槻を見るのは初めてで、店のそばで瑛貴を待っていた依織は、ポカンと口を開けた。
「七槻くん?? 何か今日テンション高いね」
「えへへ、今月もナンバーワン! なっちゃった~」
依織が目をパチパチさせながら、いいように酔っ払っている七槻に尋ねれば、七槻は子どものように無邪気な顔でブイサインを作った。
「そうなんだ、おめでとうございます」
「ありがと~」
いつもは、甘えるようなかわいい表情や仕草をしても、どこか隙のない雰囲気をしているのに、瑛貴に肩を借りている今日の七槻はそういった部分が削ぎ落とされた感じがする。
ナンバーワンは、同じ店で働くホストのすべてが狙っている座だから、いくら七槻が顔もよくて、トークもうまくて、店にいるときだけでなくすぐに女の子に口説かれるような男でも、その地位にあぐらを掻いてはいられない。
そんなのん気に構えているヤツは、あっという間に売り上げのランキングから叩き落ちてしまう。
だからこそ、七槻は密かに人一倍の努力をしているのも事実だ。
周りから見たら、「今月もナンバーワンになれた~!」と、七槻がここまで無邪気にはしゃぐ理由は分からないかもしれないが、それくらいに嬉しいことなのだ。
「それで嬉しくていっぱい飲んじゃったの?」
酔っ払っている七槻でなく、隣の瑛貴にコッソリ尋ねると、瑛貴は肩を竦めた。
「嬉しくて、てか……まぁ、売り上げ伸ばすには、それだけいっぱいお酒空けなきゃだし、今日はナンバーワンのお祝い、てお客さんがどんどん入れてくれたから。でもあれだけ飲んで、これしか酔っ払ってないなんて、すごいよ、マジで」
普通の人ならとっくに潰れてるよ、と瑛貴は呆れたように言った。
瑛貴がいつもより早く店を出て来たのは、酔っ払った七槻を連れて行くためだったらしい。
「七槻くん、今日彼女んトコ行くんでしょ? しっかり立って」
「彼女じゃねぇって、カ・レ・シ!」
「あっそ。知らないよ」
「彼氏っつーか、俺が好きなだけだけど~」
ナンバーワンになれたお祝いしてもらうんだからー、と七槻はあどけなく笑っている。
「七槻くん、片想いなの?」
意外にも一方通行らしい七槻の恋心に、依織が食い付いて来た。
七槻くらいなら、いくらでも両想いになれそうなのに。
「んーんー、分かんないー。でもアイツ、きっと俺のことなんてどーでもいいから、片想いかなぁー」
それはとっても切ないことのはずなのに、七槻はなぜか、キャハハハーと笑っている。
依織は訝しげに眉を寄せたが、笑っている七槻にバシバシと背中を叩かれている瑛貴は、ひどく迷惑そうな顔だ。
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「あー依織、女の子ー! 久々ー!」
「七槻くん、声おっきいっ」
「んんんー」
陽気な七槻の声がJADEの前で響き、瑛貴が慌てて七槻を押さえ込んだ。
酔っ払っているせいか、やけにテンションが高い。そんな七槻を見るのは初めてで、店のそばで瑛貴を待っていた依織は、ポカンと口を開けた。
「七槻くん?? 何か今日テンション高いね」
「えへへ、今月もナンバーワン! なっちゃった~」
依織が目をパチパチさせながら、いいように酔っ払っている七槻に尋ねれば、七槻は子どものように無邪気な顔でブイサインを作った。
「そうなんだ、おめでとうございます」
「ありがと~」
いつもは、甘えるようなかわいい表情や仕草をしても、どこか隙のない雰囲気をしているのに、瑛貴に肩を借りている今日の七槻はそういった部分が削ぎ落とされた感じがする。
ナンバーワンは、同じ店で働くホストのすべてが狙っている座だから、いくら七槻が顔もよくて、トークもうまくて、店にいるときだけでなくすぐに女の子に口説かれるような男でも、その地位にあぐらを掻いてはいられない。
そんなのん気に構えているヤツは、あっという間に売り上げのランキングから叩き落ちてしまう。
だからこそ、七槻は密かに人一倍の努力をしているのも事実だ。
周りから見たら、「今月もナンバーワンになれた~!」と、七槻がここまで無邪気にはしゃぐ理由は分からないかもしれないが、それくらいに嬉しいことなのだ。
「それで嬉しくていっぱい飲んじゃったの?」
酔っ払っている七槻でなく、隣の瑛貴にコッソリ尋ねると、瑛貴は肩を竦めた。
「嬉しくて、てか……まぁ、売り上げ伸ばすには、それだけいっぱいお酒空けなきゃだし、今日はナンバーワンのお祝い、てお客さんがどんどん入れてくれたから。でもあれだけ飲んで、これしか酔っ払ってないなんて、すごいよ、マジで」
普通の人ならとっくに潰れてるよ、と瑛貴は呆れたように言った。
瑛貴がいつもより早く店を出て来たのは、酔っ払った七槻を連れて行くためだったらしい。
「七槻くん、今日彼女んトコ行くんでしょ? しっかり立って」
「彼女じゃねぇって、カ・レ・シ!」
「あっそ。知らないよ」
「彼氏っつーか、俺が好きなだけだけど~」
ナンバーワンになれたお祝いしてもらうんだからー、と七槻はあどけなく笑っている。
「七槻くん、片想いなの?」
意外にも一方通行らしい七槻の恋心に、依織が食い付いて来た。
七槻くらいなら、いくらでも両想いになれそうなのに。
「んーんー、分かんないー。でもアイツ、きっと俺のことなんてどーでもいいから、片想いかなぁー」
それはとっても切ないことのはずなのに、七槻はなぜか、キャハハハーと笑っている。
依織は訝しげに眉を寄せたが、笑っている七槻にバシバシと背中を叩かれている瑛貴は、ひどく迷惑そうな顔だ。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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柚子季 杏 ⇒
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 七槻、かわいーーーー!
ありがとうございます~~~~!!!
七槻くん、設定では(まだ書いていない、このお話のシリーズ…)、かわいい設定なんですよ。
でも何となくこのお話ではだいぶ大人びていて、しかもアッキーにも何となく冷たいし、かわいげがないかなぁ…と心配してたんですが。
酔っ払った七槻くん、かわいくて良かったです~。
コメントありがとうございました!
ありがとうございます~~~~!!!
七槻くん、設定では(まだ書いていない、このお話のシリーズ…)、かわいい設定なんですよ。
でも何となくこのお話ではだいぶ大人びていて、しかもアッキーにも何となく冷たいし、かわいげがないかなぁ…と心配してたんですが。
酔っ払った七槻くん、かわいくて良かったです~。
コメントありがとうございました!