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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (63)
2010.10.06 Wed
「えっと…えっと…」
「…あと3秒で決めないと、あっつあつのコーヒーにする」
たかがドリンクバーのメニューくらいで、また迷い始めている瑛貴に、依織が呆れたように言ってやれば、すぐさま「ヤダ!」の返事。
依織も喉が渇いているかもしれないが、それは瑛貴だって同じなのだ。冷たいものが飲みたい。
「さーん、にーい、いー…」
しかし無情にも、依織のカウントダウンは始まった。
「いー…」
「えっと、えっと」
「いー…………」
依織が30秒くらい掛けて最後の1秒を言ってやっても、瑛貴はまだ迷っていて、これなら最初から一緒に行ったほうが断然早かった。
「いー……」
「コーラ!」
「…ち」
「………………」
「………………」
コーラなら、最初に依織が飲みたいと言ったものだ。
依織が氷たっぷりのコーラを2つ持って席に戻ると、ちょうど頼んでいたパスタが届けられていた。
この場合、ファミレスにおける料理の提供時間の速さを褒めるべきなのか、瑛貴の優柔不断ぷりを咎めるべきなのか。とりあえず依織は静かに瑛貴の前にコーラを置いた。
「いただきまーす」
瑛貴が律儀に手を合わせてから食べ始めるので、依織も小さな声で「…いただきます」と言ってからフォークを手に取った。
平日の昼間なのに、どうしてこんなにファミレスが混雑しているのかは分からないが、店内はざわついていて、子どもの声も大人の声も混ざり合っている。
なのに、瑛貴と依織の席はずっと静かで、カチャカチャとフォークが皿に当たる音と、ズルズルとコーラを啜る音しかしない。
「…おかわり、いる?」
「へ?」
掛けられた声に瑛貴が顔を上げると、依織が空になった自分のグラスを持って立っていた。
見れば瑛貴のグラスも、コーラがあと1cmくらいしか残っていなくて、依織は新しい飲み物を持ってくるついでに、瑛貴の分も持って来てあげようと、声を掛けてくれたらしい。
今日このファミレスに来てからだって、2度も瑛貴の優柔不断に付き合わされたのに、それでも依織は瑛貴に声を掛けてくれた。
「コーラでいい? 別のにする?」
「…コーラ」
瑛貴は残りのコーラを飲み干すと、おずおずとグラスを依織に差し出した。
依織の皿にはまだパスタが半分以上残っていて、でも瑛貴はもう2/3以上食べている。何となく瑛貴は、食べる速度を落とした。
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「…あと3秒で決めないと、あっつあつのコーヒーにする」
たかがドリンクバーのメニューくらいで、また迷い始めている瑛貴に、依織が呆れたように言ってやれば、すぐさま「ヤダ!」の返事。
依織も喉が渇いているかもしれないが、それは瑛貴だって同じなのだ。冷たいものが飲みたい。
「さーん、にーい、いー…」
しかし無情にも、依織のカウントダウンは始まった。
「いー…」
「えっと、えっと」
「いー…………」
依織が30秒くらい掛けて最後の1秒を言ってやっても、瑛貴はまだ迷っていて、これなら最初から一緒に行ったほうが断然早かった。
「いー……」
「コーラ!」
「…ち」
「………………」
「………………」
コーラなら、最初に依織が飲みたいと言ったものだ。
依織が氷たっぷりのコーラを2つ持って席に戻ると、ちょうど頼んでいたパスタが届けられていた。
この場合、ファミレスにおける料理の提供時間の速さを褒めるべきなのか、瑛貴の優柔不断ぷりを咎めるべきなのか。とりあえず依織は静かに瑛貴の前にコーラを置いた。
「いただきまーす」
瑛貴が律儀に手を合わせてから食べ始めるので、依織も小さな声で「…いただきます」と言ってからフォークを手に取った。
平日の昼間なのに、どうしてこんなにファミレスが混雑しているのかは分からないが、店内はざわついていて、子どもの声も大人の声も混ざり合っている。
なのに、瑛貴と依織の席はずっと静かで、カチャカチャとフォークが皿に当たる音と、ズルズルとコーラを啜る音しかしない。
「…おかわり、いる?」
「へ?」
掛けられた声に瑛貴が顔を上げると、依織が空になった自分のグラスを持って立っていた。
見れば瑛貴のグラスも、コーラがあと1cmくらいしか残っていなくて、依織は新しい飲み物を持ってくるついでに、瑛貴の分も持って来てあげようと、声を掛けてくれたらしい。
今日このファミレスに来てからだって、2度も瑛貴の優柔不断に付き合わされたのに、それでも依織は瑛貴に声を掛けてくれた。
「コーラでいい? 別のにする?」
「…コーラ」
瑛貴は残りのコーラを飲み干すと、おずおずとグラスを依織に差し出した。
依織の皿にはまだパスタが半分以上残っていて、でも瑛貴はもう2/3以上食べている。何となく瑛貴は、食べる速度を落とした。
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