スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (62)
2010.10.05 Tue
「アッキー、何にするか決めたの? もう呼ぶよ?」
「ちょっ待ってよ」
「ヤダ、早くして。俺、喉乾いた」
「水あるじゃん」
「コーラ飲みたいの」
店員を呼ぶためのボタンに指を掛けている依織に急かされ、瑛貴は懸命にメニューのページを捲る。
こういうとき、瑛貴はかなりの優柔不断なのだ。
「じゅーう、きゅーう、はーち、」
「ちょっ」
何の前触れもなく、依織のカウントダウンが始まる。
そんな余計に焦らせるようなこと、やめてもらいたい(でも言えば、『そんなこと言ってる暇あったら、さっさと決めて』とあっさり返されるだろから、黙っている)。
「さーんにーいーち、」
「ちょ、依織、待っ」
まともに単語を発することも出来ない瑛貴を無視して、依織は「ゼロ!」の掛け声と同時にボタンを押した。
それが押したマネでないことは、『ピンポーン』と鳴ったチャイムの音ですぐに分かった。
「信じらんねぇ、お前」
「信じなくていいから早く決めて。店員さん来るよ」
依織は最初から待つつもりなんてなかったのだろう(6からカウントのスピードが上がった)。
子どもの泣き声と笑い声がうるさいことへの八つ当たりと、先ほど笑われたことへの仕返しで、依織はさっさとボタンを押したかったのだ。
「ご注文はお決まりでしょうか」
「モッツァレラチーズのトマトパスタとドリンクバー。アッキーは?」
「あっえっと、おっ俺も同じので!」
迅速にやってきた店員に、依織があっさりとメニューを注文するので、まだ全然何も決めていなかった瑛貴は、焦って思わずそう言ってしまった。
正面に座る依織の視線が冷ややかだ。
店員は注文を繰り返した後、ドリンクバーの説明をして、席を離れて行った。
「アッキー…」
「だって!」
「別にいいけどさぁ、ファミレスの注文くらいでそんなに悩まないでよ。てか、ホントに同じのでよかったの?」
「…うん」
モッツァレラチーズもトマトもパスタも嫌いじゃないから、それでいい。
それでいいんだ。
「…ドリンクバー、持って来てあげるよ。何がいい?」
食べ物の恨みは怖い。
それが分かっているのか、しょんぼりしている瑛貴をかわいそうに思ったのか、依織はそう申し出て席を立った(瑛貴に行かせたら、また迷って、いつまでも戻って来ないと思ったのかもしれない)。
back next
「ちょっ待ってよ」
「ヤダ、早くして。俺、喉乾いた」
「水あるじゃん」
「コーラ飲みたいの」
店員を呼ぶためのボタンに指を掛けている依織に急かされ、瑛貴は懸命にメニューのページを捲る。
こういうとき、瑛貴はかなりの優柔不断なのだ。
「じゅーう、きゅーう、はーち、」
「ちょっ」
何の前触れもなく、依織のカウントダウンが始まる。
そんな余計に焦らせるようなこと、やめてもらいたい(でも言えば、『そんなこと言ってる暇あったら、さっさと決めて』とあっさり返されるだろから、黙っている)。
「さーんにーいーち、」
「ちょ、依織、待っ」
まともに単語を発することも出来ない瑛貴を無視して、依織は「ゼロ!」の掛け声と同時にボタンを押した。
それが押したマネでないことは、『ピンポーン』と鳴ったチャイムの音ですぐに分かった。
「信じらんねぇ、お前」
「信じなくていいから早く決めて。店員さん来るよ」
依織は最初から待つつもりなんてなかったのだろう(6からカウントのスピードが上がった)。
子どもの泣き声と笑い声がうるさいことへの八つ当たりと、先ほど笑われたことへの仕返しで、依織はさっさとボタンを押したかったのだ。
「ご注文はお決まりでしょうか」
「モッツァレラチーズのトマトパスタとドリンクバー。アッキーは?」
「あっえっと、おっ俺も同じので!」
迅速にやってきた店員に、依織があっさりとメニューを注文するので、まだ全然何も決めていなかった瑛貴は、焦って思わずそう言ってしまった。
正面に座る依織の視線が冷ややかだ。
店員は注文を繰り返した後、ドリンクバーの説明をして、席を離れて行った。
「アッキー…」
「だって!」
「別にいいけどさぁ、ファミレスの注文くらいでそんなに悩まないでよ。てか、ホントに同じのでよかったの?」
「…うん」
モッツァレラチーズもトマトもパスタも嫌いじゃないから、それでいい。
それでいいんだ。
「…ドリンクバー、持って来てあげるよ。何がいい?」
食べ物の恨みは怖い。
それが分かっているのか、しょんぼりしている瑛貴をかわいそうに思ったのか、依織はそう申し出て席を立った(瑛貴に行かせたら、また迷って、いつまでも戻って来ないと思ったのかもしれない)。
back next
- 関連記事
-
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (63) (2010/10/06)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (62) (2010/10/05)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (61) (2010/10/04)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学