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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (59)
2010.10.02 Sat
瑛貴は結局嘘つきなのか、2人の関係は友だちのままなのか、同じような応酬を繰り返しても答えの出なくて。けれど2人とも睡魔に勝つことは出来ず、いつの間にか眠りに落ちていた。
先に目を覚ましたのは瑛貴で、何のアラームも鳴らなかったけれど、いつも起きるのと、大体同じくらいの昼前の時間だった。
そしてふと気付く。
腕の中に、依織がいる。
寝返を打った拍子にでもそうなってしまったのだろうが、その腕の中の感触は、当たり前だが、真夕子を抱き締めるときとは違う。
(依織なんだから、当たり前だけど…)
そう思ったところで、また『依織だから』と言っていることに気付いて、瑛貴は思わず自嘲した。
「ん…」
起きたきり、二度寝するでもなく瑛貴がぼんやりとしていたら、腕の中で依織がわずかに身じろいで、瑛貴がその腕のやり場を迷っているうちに、依織が目を開けた。
「え…? あ、そっか…」
目の前にある瑛貴の顔を見て、依織は寝言のようにモゴモゴと呟いてから、目をこすった。
それから身を起こそうとして、瑛貴の腕が自分を抱いていることに気付き、困ったような顔で瑛貴を見た。
「あ、ゴメ…」
瑛貴は慌てて依織に回していた腕を解いた。
「アッキー…」
「ん?」
まだ眠くて仕方ないといった感じで、依織は目をゴシゴシとこすりながら、瑛貴のほうを振り返る。
依織の頭の左に寝癖が付いていて、瑛貴はぼんやりとそれを見つめながら、体を起した。
「ゴメンね、いろいろ」
「え? あ、うん」
「…………。うん、て、アッキー。それだけ?」
依織が何に謝ったのか分からないわけもなかったが、咄嗟にうまい返事の思い浮かばなかった瑛貴は、結局それしか言えず、そして依織には呆れた顔をされてしまった。
「…別にいいけど。ねぇ、ご飯どうする? たぶん冷蔵庫の中、空だと思うんだ。近くにファミレスあるけど、行く? つーか俺、この寝癖…」
面倒くさそうに寝癖を撫でながら、依織はあくびを1つする。
瑛貴はご飯よりも話の続きをしたかったが、依織はもうそんな気もないようで、仕方なく瑛貴も諦めた。
「で、どうする? ファミレス行く?」
「…行く」
「あ、アッキー、服どうする? あのスーツ着てく?」
「あ…」
そうだった。
瑛貴が今持っている自分の服は、昨日から着ている昨日仕事にあのスーツだけしかない。
仕事中は制服だし、帰って来てすぐ依織に布製品用の消臭剤を借りて、たっぷりと吹き付けておいたので、酒やタバコのにおいは残っていないと思うが、昼のファミレスに着ていくのも…。
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先に目を覚ましたのは瑛貴で、何のアラームも鳴らなかったけれど、いつも起きるのと、大体同じくらいの昼前の時間だった。
そしてふと気付く。
腕の中に、依織がいる。
寝返を打った拍子にでもそうなってしまったのだろうが、その腕の中の感触は、当たり前だが、真夕子を抱き締めるときとは違う。
(依織なんだから、当たり前だけど…)
そう思ったところで、また『依織だから』と言っていることに気付いて、瑛貴は思わず自嘲した。
「ん…」
起きたきり、二度寝するでもなく瑛貴がぼんやりとしていたら、腕の中で依織がわずかに身じろいで、瑛貴がその腕のやり場を迷っているうちに、依織が目を開けた。
「え…? あ、そっか…」
目の前にある瑛貴の顔を見て、依織は寝言のようにモゴモゴと呟いてから、目をこすった。
それから身を起こそうとして、瑛貴の腕が自分を抱いていることに気付き、困ったような顔で瑛貴を見た。
「あ、ゴメ…」
瑛貴は慌てて依織に回していた腕を解いた。
「アッキー…」
「ん?」
まだ眠くて仕方ないといった感じで、依織は目をゴシゴシとこすりながら、瑛貴のほうを振り返る。
依織の頭の左に寝癖が付いていて、瑛貴はぼんやりとそれを見つめながら、体を起した。
「ゴメンね、いろいろ」
「え? あ、うん」
「…………。うん、て、アッキー。それだけ?」
依織が何に謝ったのか分からないわけもなかったが、咄嗟にうまい返事の思い浮かばなかった瑛貴は、結局それしか言えず、そして依織には呆れた顔をされてしまった。
「…別にいいけど。ねぇ、ご飯どうする? たぶん冷蔵庫の中、空だと思うんだ。近くにファミレスあるけど、行く? つーか俺、この寝癖…」
面倒くさそうに寝癖を撫でながら、依織はあくびを1つする。
瑛貴はご飯よりも話の続きをしたかったが、依織はもうそんな気もないようで、仕方なく瑛貴も諦めた。
「で、どうする? ファミレス行く?」
「…行く」
「あ、アッキー、服どうする? あのスーツ着てく?」
「あ…」
そうだった。
瑛貴が今持っている自分の服は、昨日から着ている昨日仕事にあのスーツだけしかない。
仕事中は制服だし、帰って来てすぐ依織に布製品用の消臭剤を借りて、たっぷりと吹き付けておいたので、酒やタバコのにおいは残っていないと思うが、昼のファミレスに着ていくのも…。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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粟津原栗子 ⇒ いやだわー
すみません、いつも如月さんのお話を読み逃げしてるビビリでヘタレの粟津原です…。
本当に久々にここに来てみたらなんだかお話の色が変わってて、それでもあー如月さんの文章だわーうふ、とか思って一気読みさせていただきました。
なんだかもじもじする感じがすきなんです。これからも窓の向こうから応援しております!!
それでお願いなのですが…
わたしのブログに「恋三昧」へのリンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか??
どうかよろしくご検討ください。
ちなみに「構想上の樹海」というBL小説ブログです。
URLを貼っておきましたので、良ければ遊びに来てくださいww
本当に久々にここに来てみたらなんだかお話の色が変わってて、それでもあー如月さんの文章だわーうふ、とか思って一気読みさせていただきました。
なんだかもじもじする感じがすきなんです。これからも窓の向こうから応援しております!!
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わたしのブログに「恋三昧」へのリンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか??
どうかよろしくご検討ください。
ちなみに「構想上の樹海」というBL小説ブログです。
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如月久美子 ⇒ >粟津原さん
初めまして。
私のほうこそ、なかなかコメントもせず読み逃げばかりの引きこもりブログなので、人のこと言えないですー。
今回のお話、ホントはもっとシリアスに、ダークに、夜の世界…!! て思って書いてるんですが、やっぱり男の子をかわいくしてしまう私…。
それにしてもアッキーは過ぎるほど鈍感ですが、大丈夫ですか(笑)?
それと、リンクの件ですが、も~~~ホンット、恐れ多いくらいです!!
ぜひぜひリンクしてやってください。
ありがとうございますっ!!
私のほうからも、リンクさせていただいてよろしいですか?
お願いします。
遊びに行かせていただきますね。
これからもよろしくお願いします!
コメントありがとうございました!
私のほうこそ、なかなかコメントもせず読み逃げばかりの引きこもりブログなので、人のこと言えないですー。
今回のお話、ホントはもっとシリアスに、ダークに、夜の世界…!! て思って書いてるんですが、やっぱり男の子をかわいくしてしまう私…。
それにしてもアッキーは過ぎるほど鈍感ですが、大丈夫ですか(笑)?
それと、リンクの件ですが、も~~~ホンット、恐れ多いくらいです!!
ぜひぜひリンクしてやってください。
ありがとうございますっ!!
私のほうからも、リンクさせていただいてよろしいですか?
お願いします。
遊びに行かせていただきますね。
これからもよろしくお願いします!
コメントありがとうございました!