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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (56)
2010.09.29 Wed
「だっ…、だって全然分かんなかった…」
「そりゃ自然に見えるように着けてるし」
あまりにも愕然としている瑛貴におかしくなってきたのか、依織は呆れを通り越して、吹き出してしまった。
しかし、会った翌日に髪が短くなっているというならまだしも、風呂から上がったら髪が短くなっていたら、普通このくらいビックリはすると思う。
「何アッキー、何でそんなジロジロ見んの?」
「いや…何か女の子に見えなくなったから…。髪短くなったから?」
「違うでしょ、化粧落としたからでしょ。変?」
「変じゃない」
化粧を落としても依織は、『眉毛なくなっちゃってるし、誰だよコイツ!』ということもなく、間違いなく先ほどまでと同じ、依織の顔をしている。
もともと依織は、甘いニュアンスの顔立ちをしているようで、メイクで女の子の顔を作っている、というわけではなかったようだ。
ただ、ノーメイクの依織が女の子に見えるかと言ったら、不思議なことにそれはない。
今の依織のほうが、何となくあどけない雰囲気がして、さっきまで一緒にいた依織の弟が現れたような感覚すらする。
「依織、ねーちゃんとかいないの?」
「は? 何急に。いないけど……何?」
「さっきまでの依織がねーちゃんで、今の依織が弟」
「はぁ? アッキー何言ってんの? 酔った?」
何を言い出すのかと思えば……依織は呆れ顔で溜め息を零した。
「だって何かそんな感じじゃん。依織、自分でも思わねぇ?」
「思わないよ、俺、ねーちゃんいねぇし。つーか、もしねーちゃんいて、それとそっくりに女装してたら、ちょっとキモくね?」
「あはははは」
「アッキー何受けてんの、自分で言い出したくせに。何かテンション変ー」
時刻的にはすっかり真夜中、夜明けにはもう少し時間があるけれど、いつも終電で帰っているなら、眠いのを通り越して、テンションがハイになるには、まだ早いのに。
「いや何か……俺、結構的確なこと言ってね?」
「知らないよ。そんな、似てて当然でしょ、同じ人なんだから。別に俺、変装しようとか思ってるわけじゃないし。つーかマジ受け過ぎだし、アッキー」
「だってー」
自分で言ったことに、これだけ笑えるなんて、何て幸せな人だろう。
若干失礼なことを思いつつ、依織はそれを口には出さず、代わりにあくびが1つ出た。
「も、寝よ? つーかアッキー、そんなテンションで大丈夫? 寝れる?」
「寝れるよ、ちゃんとしてるよ」
「何ちゃんとしてる、て」
依織は笑いながら、ソファに上がっていたクッションを持って来て、1つしかない枕の横に置いた。それを枕代わりにするらしい。
「俺さぁ、寝るとき、電気ちっちゃいの点けて寝る人なんだけど、アッキー平気?」
「何でもいいよ」
部屋の明かりを落として、もそもそとふとんに入る。
20代前半の一般的な男子からすれば、どちらかというと小柄な2人だが、1人用のふとんに一緒に納まれば、やはり広々とはいかない。
瑛貴はいつもより身を丸めて、ふとんを被った。
「依織ー、今さら聞くけど、何で掛けぶとん2枚あんのに、敷きぶとん1枚なわけ?」
「掛けぶとんだって1枚しかないよ。俺が掛けてんの、冬にこたつで使ってたヤツ」
中途半端に重ねられた2枚の掛けぶとんを不思議に思って、隣の依織に聞いてみれば、そんな答えが返って来る。
確かに、普通の掛けぶとんにしては、その形が微妙だった。
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「そりゃ自然に見えるように着けてるし」
あまりにも愕然としている瑛貴におかしくなってきたのか、依織は呆れを通り越して、吹き出してしまった。
しかし、会った翌日に髪が短くなっているというならまだしも、風呂から上がったら髪が短くなっていたら、普通このくらいビックリはすると思う。
「何アッキー、何でそんなジロジロ見んの?」
「いや…何か女の子に見えなくなったから…。髪短くなったから?」
「違うでしょ、化粧落としたからでしょ。変?」
「変じゃない」
化粧を落としても依織は、『眉毛なくなっちゃってるし、誰だよコイツ!』ということもなく、間違いなく先ほどまでと同じ、依織の顔をしている。
もともと依織は、甘いニュアンスの顔立ちをしているようで、メイクで女の子の顔を作っている、というわけではなかったようだ。
ただ、ノーメイクの依織が女の子に見えるかと言ったら、不思議なことにそれはない。
今の依織のほうが、何となくあどけない雰囲気がして、さっきまで一緒にいた依織の弟が現れたような感覚すらする。
「依織、ねーちゃんとかいないの?」
「は? 何急に。いないけど……何?」
「さっきまでの依織がねーちゃんで、今の依織が弟」
「はぁ? アッキー何言ってんの? 酔った?」
何を言い出すのかと思えば……依織は呆れ顔で溜め息を零した。
「だって何かそんな感じじゃん。依織、自分でも思わねぇ?」
「思わないよ、俺、ねーちゃんいねぇし。つーか、もしねーちゃんいて、それとそっくりに女装してたら、ちょっとキモくね?」
「あはははは」
「アッキー何受けてんの、自分で言い出したくせに。何かテンション変ー」
時刻的にはすっかり真夜中、夜明けにはもう少し時間があるけれど、いつも終電で帰っているなら、眠いのを通り越して、テンションがハイになるには、まだ早いのに。
「いや何か……俺、結構的確なこと言ってね?」
「知らないよ。そんな、似てて当然でしょ、同じ人なんだから。別に俺、変装しようとか思ってるわけじゃないし。つーかマジ受け過ぎだし、アッキー」
「だってー」
自分で言ったことに、これだけ笑えるなんて、何て幸せな人だろう。
若干失礼なことを思いつつ、依織はそれを口には出さず、代わりにあくびが1つ出た。
「も、寝よ? つーかアッキー、そんなテンションで大丈夫? 寝れる?」
「寝れるよ、ちゃんとしてるよ」
「何ちゃんとしてる、て」
依織は笑いながら、ソファに上がっていたクッションを持って来て、1つしかない枕の横に置いた。それを枕代わりにするらしい。
「俺さぁ、寝るとき、電気ちっちゃいの点けて寝る人なんだけど、アッキー平気?」
「何でもいいよ」
部屋の明かりを落として、もそもそとふとんに入る。
20代前半の一般的な男子からすれば、どちらかというと小柄な2人だが、1人用のふとんに一緒に納まれば、やはり広々とはいかない。
瑛貴はいつもより身を丸めて、ふとんを被った。
「依織ー、今さら聞くけど、何で掛けぶとん2枚あんのに、敷きぶとん1枚なわけ?」
「掛けぶとんだって1枚しかないよ。俺が掛けてんの、冬にこたつで使ってたヤツ」
中途半端に重ねられた2枚の掛けぶとんを不思議に思って、隣の依織に聞いてみれば、そんな答えが返って来る。
確かに、普通の掛けぶとんにしては、その形が微妙だった。
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