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02. もっと知りたい (後編)
2008.04.11 Fri
……でも、最初の仲村の言葉どおり、やっととジョッキの半分くらいを空けた深沢くんは、すっかりクテンとなってる。その間に俺らはもう2杯を飲み終わろうとしてるんだけどね。
「深沢くん、大丈夫?」
「んー…」
俺の声に反応して顔を上げる深沢くん。目がトロンとしちゃってて、超かわいい。ホントにお酒弱いんだなぁ。
「和哉? 水貰う?」
「へーき…」
絶対、全然平気じゃないはずなのに、深沢くんはゆるゆると首を振って、がんばってジョッキを持とうとする。
でも結局それは無駄な努力で、ジョッキをテーブルに戻した途端、そのまま隣にいた仲村に凭れ掛かった。
ぎゃっ、羨ましい!!
「和哉?」
仲村はこういう状況に慣れてるのか、とくに慌てたふうもなく、深沢くんの肩を揺すって起こそうとしてる。
「んー……やぁ…」
「ぶっ」
アルコールがいい具合に回って、眠くなっちゃってるのを、無理に起こされるのが嫌なんだろうな。子供みたいにむずがって、仲村の手を払おうとしてるけど。
その仕草、マジでやばいです!
僕、思わずビール吹き出しちゃいました。
「何してんだよ、水沼。お前まで世話焼かせんな」
仲村が面倒臭そうに俺のほうへおしぼりを放ってきた。
「……で、どうする?」
深沢くんを起こすのを諦めた仲村が、俺に話を振った。
「んー、とりあえず俺の肩を貸してやりたい」
「そういうことは聞いてねぇよ! まだ早いけど、帰る? コイツ、こんななちゃったし…」
「うー……」
ホントはまだ一緒にいたいけど、酔い潰れちゃった子をこんなにしたまま、のん気に飲み続けてはいられない。
1時間程度のお食事タイムは、残念だけど、ここでお開き。
仲村が精算をしてる間、俺が深沢くんを支える(そうしたくて、無理やり仲村に金を押し付けたんだけど)。
「んー…」
「ん? 何?」
「章ちゃ…」
「……、」
―――しょうがない。
きっと今までこういう場面で、彼のことを助けてきたのは仲村だったんだ。
だって幼馴染みだし。
俺、会うの今日で2回目だし。
会話らしい会話だって、正味30分くらいしかしてないし。
それだけの間に知ったことっていえば、ビックリするくらいにお酒が弱いことと、ちょっと子供みたいなことがあることと、照れ笑いするとき唇を舐めること。
細かいとこ、気付いてんだ。見てるんだよ。
でも、こんなのほんの少し、微々たるものにしか過ぎないって、分かってる。
だけど、知れば知るだけ、好きになっていくのが分かる。
…………足りない。
こんなんじゃ、全然足らない。
もっと。もっと知りたいよ、キミのこと。
「深沢くん、大丈夫?」
「んー…」
俺の声に反応して顔を上げる深沢くん。目がトロンとしちゃってて、超かわいい。ホントにお酒弱いんだなぁ。
「和哉? 水貰う?」
「へーき…」
絶対、全然平気じゃないはずなのに、深沢くんはゆるゆると首を振って、がんばってジョッキを持とうとする。
でも結局それは無駄な努力で、ジョッキをテーブルに戻した途端、そのまま隣にいた仲村に凭れ掛かった。
ぎゃっ、羨ましい!!
「和哉?」
仲村はこういう状況に慣れてるのか、とくに慌てたふうもなく、深沢くんの肩を揺すって起こそうとしてる。
「んー……やぁ…」
「ぶっ」
アルコールがいい具合に回って、眠くなっちゃってるのを、無理に起こされるのが嫌なんだろうな。子供みたいにむずがって、仲村の手を払おうとしてるけど。
その仕草、マジでやばいです!
僕、思わずビール吹き出しちゃいました。
「何してんだよ、水沼。お前まで世話焼かせんな」
仲村が面倒臭そうに俺のほうへおしぼりを放ってきた。
「……で、どうする?」
深沢くんを起こすのを諦めた仲村が、俺に話を振った。
「んー、とりあえず俺の肩を貸してやりたい」
「そういうことは聞いてねぇよ! まだ早いけど、帰る? コイツ、こんななちゃったし…」
「うー……」
ホントはまだ一緒にいたいけど、酔い潰れちゃった子をこんなにしたまま、のん気に飲み続けてはいられない。
1時間程度のお食事タイムは、残念だけど、ここでお開き。
仲村が精算をしてる間、俺が深沢くんを支える(そうしたくて、無理やり仲村に金を押し付けたんだけど)。
「んー…」
「ん? 何?」
「章ちゃ…」
「……、」
―――しょうがない。
きっと今までこういう場面で、彼のことを助けてきたのは仲村だったんだ。
だって幼馴染みだし。
俺、会うの今日で2回目だし。
会話らしい会話だって、正味30分くらいしかしてないし。
それだけの間に知ったことっていえば、ビックリするくらいにお酒が弱いことと、ちょっと子供みたいなことがあることと、照れ笑いするとき唇を舐めること。
細かいとこ、気付いてんだ。見てるんだよ。
でも、こんなのほんの少し、微々たるものにしか過ぎないって、分かってる。
だけど、知れば知るだけ、好きになっていくのが分かる。
…………足りない。
こんなんじゃ、全然足らない。
もっと。もっと知りたいよ、キミのこと。
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