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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (54)
2010.09.27 Mon
「何で? アッキーだって、ソファよりふとんのほうがいいでしょ?」
「そりゃまぁ…」
足もロクに伸ばせそうもないし、寝返りを打っただけで、間違いなく落下してしまいそうなソファと比べれば、ふとんのほうがいいに決まっている。
だが、敷かれているふとんだって、1人用だから、決して大きいと言えるサイズではない。
「俺だってふとんのほうがいいもん。でもアッキーが寝相最悪だったら、ソファに行こうかな、て思ったけど、別に普通なんでしょ? なら一緒でいいじゃん」
「えー…」
「じゃあアッキー、ソファ行く?」
「それは嫌…」
寝相は普通だと答えてしまった以上、今さら「やっぱ寝相悪い」とか言えないし、この家に泊めてもらう身分のくせに、嘘までついて、ふとんを1人占めするのも後味が悪い。
となれば、窮屈なソファで寝るか、依織と一緒にふとんで寝るか、どちらかを選ぶしかない。まさかフローリングの床に、直に寝るわけにもいかないのだから。
「とりあえず俺、風呂入って来るから、アッキー、どうするか考えててよ」
そう言い残して、依織はさっさとバスルームへ向かってしまった。
以前、JADEのバックルームで始発を待ったときは、寝るとしても仮眠のつもりだったから、ソファでもよかったけれど、今日はそうではないし、やっぱりふとんのほうがいい。
瑛貴は唸りながら、ポフポフとソファの座面を無意味に叩いた。
(うー……うん、やっぱふとんにしよっ)
依織の家に泊まることに決めたからには、今さらソファかふとんで悩むほどのことはない。
どうせ寝るなら楽なほうがいいし…と、単純な瑛貴はそう考えて、結局、依織と同じふとんで寝ることに決めた。
「あ、メール」
人のふとんに勝手に先に入るのも…と律儀な瑛貴はそう思って、先ほど食事をしたローテーブルのところで依織を待つことにして、しまっていた携帯電話を取り出したら、背面ディスプレイにメールの受信を告げるランプが灯っていた。
だらけた格好で携帯電話を広げると、メールは七槻からで、ちゃんと電車に間に合ったのか心配する内容だった。
(七槻くん、心配し過ぎ…)
ホストという職業に世間一般が抱く、よくないほうのイメージどおりに、女にも男にもだらしない七槻だが、意外にも友情には篤いし、心配性な性格だ。
いくら瑛貴が頼りないベビーフェイスでも、夜の仕事を始めて4年も経つ、れっきとした大人なのだから、終電を乗り過ごしたところで、どうにかする術なら持っているのに。
まぁ、依織と七槻がお喋りをしていたせいで、駅に向かうのが遅くなったのだ。瑛貴が終電に乗り遅れた理由の一端なら、確かに七槻にもあるから、気にするのも分かる。
けれど、こんなことで七槻を責めてもしょうがないので、瑛貴は『何とかなったよ』とだけ返しておいた。
瑛貴的には、苦肉の策の内容。
終電に間に合ったと嘘をつくのも、きっとバレバレだし、相手が七槻だから、依織の家に泊まることにしたとも言いづらいので。
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「そりゃまぁ…」
足もロクに伸ばせそうもないし、寝返りを打っただけで、間違いなく落下してしまいそうなソファと比べれば、ふとんのほうがいいに決まっている。
だが、敷かれているふとんだって、1人用だから、決して大きいと言えるサイズではない。
「俺だってふとんのほうがいいもん。でもアッキーが寝相最悪だったら、ソファに行こうかな、て思ったけど、別に普通なんでしょ? なら一緒でいいじゃん」
「えー…」
「じゃあアッキー、ソファ行く?」
「それは嫌…」
寝相は普通だと答えてしまった以上、今さら「やっぱ寝相悪い」とか言えないし、この家に泊めてもらう身分のくせに、嘘までついて、ふとんを1人占めするのも後味が悪い。
となれば、窮屈なソファで寝るか、依織と一緒にふとんで寝るか、どちらかを選ぶしかない。まさかフローリングの床に、直に寝るわけにもいかないのだから。
「とりあえず俺、風呂入って来るから、アッキー、どうするか考えててよ」
そう言い残して、依織はさっさとバスルームへ向かってしまった。
以前、JADEのバックルームで始発を待ったときは、寝るとしても仮眠のつもりだったから、ソファでもよかったけれど、今日はそうではないし、やっぱりふとんのほうがいい。
瑛貴は唸りながら、ポフポフとソファの座面を無意味に叩いた。
(うー……うん、やっぱふとんにしよっ)
依織の家に泊まることに決めたからには、今さらソファかふとんで悩むほどのことはない。
どうせ寝るなら楽なほうがいいし…と、単純な瑛貴はそう考えて、結局、依織と同じふとんで寝ることに決めた。
「あ、メール」
人のふとんに勝手に先に入るのも…と律儀な瑛貴はそう思って、先ほど食事をしたローテーブルのところで依織を待つことにして、しまっていた携帯電話を取り出したら、背面ディスプレイにメールの受信を告げるランプが灯っていた。
だらけた格好で携帯電話を広げると、メールは七槻からで、ちゃんと電車に間に合ったのか心配する内容だった。
(七槻くん、心配し過ぎ…)
ホストという職業に世間一般が抱く、よくないほうのイメージどおりに、女にも男にもだらしない七槻だが、意外にも友情には篤いし、心配性な性格だ。
いくら瑛貴が頼りないベビーフェイスでも、夜の仕事を始めて4年も経つ、れっきとした大人なのだから、終電を乗り過ごしたところで、どうにかする術なら持っているのに。
まぁ、依織と七槻がお喋りをしていたせいで、駅に向かうのが遅くなったのだ。瑛貴が終電に乗り遅れた理由の一端なら、確かに七槻にもあるから、気にするのも分かる。
けれど、こんなことで七槻を責めてもしょうがないので、瑛貴は『何とかなったよ』とだけ返しておいた。
瑛貴的には、苦肉の策の内容。
終電に間に合ったと嘘をつくのも、きっとバレバレだし、相手が七槻だから、依織の家に泊まることにしたとも言いづらいので。
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