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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (52)
2010.09.25 Sat
「何?」
「それ、めっちゃ寂しくない?」
「しょーがないじゃん、1人暮らしだもん」
深夜の静まり返った部屋で、1人コンビニの弁当をつつく男がどれほど寂しいかなんて、今さら依織に言われるまでもなく、瑛貴は百も承知している。
しかし1人暮らしで、帰宅はいつも深夜となれば、一緒に食事をする相手がいないのも無理はない。
「アッキー彼女いるんじゃなかったっけ?」
「いるけど、一緒に暮らしてるわけじゃないし」
冷めたせいで、麺同士がくっ付いてモサモサになっているパスタを頬張りながら、依織は神妙な顔で首を傾げている。
そんな顔をされても、真夕子とは別々に暮らしているし、たとえ一緒に生活しているとしても、こんな時間の食事に付き合ってもらえるとは、到底思えない。
「彼女、何してる人?」
「OL」
「ふぅん。年上だっけ?」
「うん。ねぇ依織、もうデザート食べていい?」
「ダメ」
先に弁当を食べ終えた瑛貴が、デザートに買ったシュークリームに手を伸ばしたが、そんな瑛貴に依織は軽く睨みを効かす。
依織はまだ、モサモサのパスタと格闘しているのだ。
「依織、メシ食うの遅くね?」
「アッキーが早いんだよ。早食いて太るんだよ?」
「うっせ」
仕方なく瑛貴は、グラスの中の、甘めのチューハイをグピグピと空ける。
そういえば依織は、チューハイをグラスに注いだものの、それを忘れて、缶から直接飲んでいた。
「…今度このパスタ買うときは、お店であっためてもらうのはやめよう」
ようやくパスタを完食した依織が両手を合わせたのを見て、瑛貴は今度こそシュークリームの袋を開けた。
弁当の空をひとまとめにした依織も、ミルクプリンに手を伸ばす。
「依織のプリン、半熟のヤツ?」
「普通のヤツだよ。はい」
コンビニで付けてもらった、プラスチックの小さなスプーンの上に、プリンを一欠けら乗せて、依織がそれを瑛貴の前に差し出した。
瑛貴は一瞬躊躇ったものの、ミルクプリンの白い誘惑には敵わず、素直にそれを口に運んだ。
「んまい」
プリンを一口貰ったお礼に、シュークリームのとろとろのクリームを、依織にスプーンで1さじ掬わせてやった。
「半熟、流行ってるよね、今。半熟カステラとか」
「俺、食ったことない」
「俺もないよ。お店、凄い混んでるて、テレビで見た」
たあいもない話をしているうち、やはり瑛貴のほうが先に食べ終わったので、依織はもう一口だけ瑛貴に上げてから、ミルクプリンを完食した。
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「それ、めっちゃ寂しくない?」
「しょーがないじゃん、1人暮らしだもん」
深夜の静まり返った部屋で、1人コンビニの弁当をつつく男がどれほど寂しいかなんて、今さら依織に言われるまでもなく、瑛貴は百も承知している。
しかし1人暮らしで、帰宅はいつも深夜となれば、一緒に食事をする相手がいないのも無理はない。
「アッキー彼女いるんじゃなかったっけ?」
「いるけど、一緒に暮らしてるわけじゃないし」
冷めたせいで、麺同士がくっ付いてモサモサになっているパスタを頬張りながら、依織は神妙な顔で首を傾げている。
そんな顔をされても、真夕子とは別々に暮らしているし、たとえ一緒に生活しているとしても、こんな時間の食事に付き合ってもらえるとは、到底思えない。
「彼女、何してる人?」
「OL」
「ふぅん。年上だっけ?」
「うん。ねぇ依織、もうデザート食べていい?」
「ダメ」
先に弁当を食べ終えた瑛貴が、デザートに買ったシュークリームに手を伸ばしたが、そんな瑛貴に依織は軽く睨みを効かす。
依織はまだ、モサモサのパスタと格闘しているのだ。
「依織、メシ食うの遅くね?」
「アッキーが早いんだよ。早食いて太るんだよ?」
「うっせ」
仕方なく瑛貴は、グラスの中の、甘めのチューハイをグピグピと空ける。
そういえば依織は、チューハイをグラスに注いだものの、それを忘れて、缶から直接飲んでいた。
「…今度このパスタ買うときは、お店であっためてもらうのはやめよう」
ようやくパスタを完食した依織が両手を合わせたのを見て、瑛貴は今度こそシュークリームの袋を開けた。
弁当の空をひとまとめにした依織も、ミルクプリンに手を伸ばす。
「依織のプリン、半熟のヤツ?」
「普通のヤツだよ。はい」
コンビニで付けてもらった、プラスチックの小さなスプーンの上に、プリンを一欠けら乗せて、依織がそれを瑛貴の前に差し出した。
瑛貴は一瞬躊躇ったものの、ミルクプリンの白い誘惑には敵わず、素直にそれを口に運んだ。
「んまい」
プリンを一口貰ったお礼に、シュークリームのとろとろのクリームを、依織にスプーンで1さじ掬わせてやった。
「半熟、流行ってるよね、今。半熟カステラとか」
「俺、食ったことない」
「俺もないよ。お店、凄い混んでるて、テレビで見た」
たあいもない話をしているうち、やはり瑛貴のほうが先に食べ終わったので、依織はもう一口だけ瑛貴に上げてから、ミルクプリンを完食した。
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柚子季杏 ⇒
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 半熟カステラここで登場ですかww
> 写真がずっと気になってたww
私は1人で1個、食べちゃいました(食べ過ぎ)
ブームは一段落したのか、並ばず買えました。
おいしかったです~(*^_^*)
コメントありがとうございました!
> 写真がずっと気になってたww
私は1人で1個、食べちゃいました(食べ過ぎ)
ブームは一段落したのか、並ばず買えました。
おいしかったです~(*^_^*)
コメントありがとうございました!