スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (51)
2010.09.24 Fri
「これ、うがい薬。予防?」
「あー……これ」
何のことかと思っていたら、携帯電話を取り出す際に、カバンの中から転げ出てしまったうがい薬の小さなボトルに、瑛貴は気が付いたらしい。
瑛貴としては大したことを聞いたつもりもなかったのだが、依織はなぜか、「あちゃー」みたいな顔をしている。
「え、何?」
「いや、ホラ……やっぱ口ゆすぎたいじゃん? ヤッた後」
「ッ…」
何を? などと、聞くまでもなかった。
依織は一緒にいる男と、『口でしてあげる』までの関係は持っているのだ。
つまり『ヤッた後』というのは、『口でしてあげた後』ということで、それなら風邪でなくてもうがい薬を常備している理由も分かる。
「ゴメンね、メシ前にする話じゃないよね」
固まってしまった瑛貴に、依織は苦笑しながら、うがい薬をカバンにしまった。
「ご飯、しよ?」
「…うん」
微妙な空気を打開するように、わざと依織は明るい声を出した。
「あーパスタあっためてもらうんじゃなかったー。何か微妙に冷めてる…」
1度融けたバターが固まり掛けて、麺にベットリと絡み付いている。
貰ったプラスチックのフォークで麺を解しながら、依織は渋い顔だ。
「もっかいあっため直したら大丈夫かなぁ?」
「えー…大丈夫かもしれないけど、さらにまずくなる可能性も秘めている」
「いやアッキー、何でちょっと評論家みたいな口調になってんの?」
唇を尖らせて拗ねていた依織が、ブハッと吹き出した。
パスタ1つで沈んだ気持ちが、瑛貴の一言で一瞬にして浮上する。自分が意外と単純な性格をしていることに、依織は改めて気が付いた。
「ま、いっか。あっため直すの面倒くさいし。あ、アッキー、乾杯する?」
「は? 何に?」
帰宅すると基本的に1人なので、瑛貴は家でアルコールを飲む習慣はないのだが、今日は依織が「ちょっとだけ飲もうよ」と誘ったので、2人で缶のチューハイを1本ずつ買って来た。
仕事柄、飲み物はグラスに注ぐものだと思っている瑛貴が、面倒くさがる依織にグラスを持って来させ、丁寧に注いだところで、依織から乾杯の提案があった。
「じゃあねぇ、アッキーのお泊まり記念」
「はぁ? いらねぇよ、そんな記念日」
「もーいいじゃん、いいじゃん。はいカンパーイ」
よく分からないまま、依織の言葉に釣られて、瑛貴はグラスを掲げてしまった。
「アッキーさぁ、仕事終わったら、いっつもすぐ帰ってんでしょ?」
「んー? うん、まぁ大体」
「そんで、いっつも1人でご飯食べてんの?」
「うん」
唐揚げをモグモグしながら頷いて顔を上げたら、肩よりも少し長いくらいの髪を後ろで1つに束ねた依織が、眉を寄せつつ瑛貴を見ていた。
back next
「あー……これ」
何のことかと思っていたら、携帯電話を取り出す際に、カバンの中から転げ出てしまったうがい薬の小さなボトルに、瑛貴は気が付いたらしい。
瑛貴としては大したことを聞いたつもりもなかったのだが、依織はなぜか、「あちゃー」みたいな顔をしている。
「え、何?」
「いや、ホラ……やっぱ口ゆすぎたいじゃん? ヤッた後」
「ッ…」
何を? などと、聞くまでもなかった。
依織は一緒にいる男と、『口でしてあげる』までの関係は持っているのだ。
つまり『ヤッた後』というのは、『口でしてあげた後』ということで、それなら風邪でなくてもうがい薬を常備している理由も分かる。
「ゴメンね、メシ前にする話じゃないよね」
固まってしまった瑛貴に、依織は苦笑しながら、うがい薬をカバンにしまった。
「ご飯、しよ?」
「…うん」
微妙な空気を打開するように、わざと依織は明るい声を出した。
「あーパスタあっためてもらうんじゃなかったー。何か微妙に冷めてる…」
1度融けたバターが固まり掛けて、麺にベットリと絡み付いている。
貰ったプラスチックのフォークで麺を解しながら、依織は渋い顔だ。
「もっかいあっため直したら大丈夫かなぁ?」
「えー…大丈夫かもしれないけど、さらにまずくなる可能性も秘めている」
「いやアッキー、何でちょっと評論家みたいな口調になってんの?」
唇を尖らせて拗ねていた依織が、ブハッと吹き出した。
パスタ1つで沈んだ気持ちが、瑛貴の一言で一瞬にして浮上する。自分が意外と単純な性格をしていることに、依織は改めて気が付いた。
「ま、いっか。あっため直すの面倒くさいし。あ、アッキー、乾杯する?」
「は? 何に?」
帰宅すると基本的に1人なので、瑛貴は家でアルコールを飲む習慣はないのだが、今日は依織が「ちょっとだけ飲もうよ」と誘ったので、2人で缶のチューハイを1本ずつ買って来た。
仕事柄、飲み物はグラスに注ぐものだと思っている瑛貴が、面倒くさがる依織にグラスを持って来させ、丁寧に注いだところで、依織から乾杯の提案があった。
「じゃあねぇ、アッキーのお泊まり記念」
「はぁ? いらねぇよ、そんな記念日」
「もーいいじゃん、いいじゃん。はいカンパーイ」
よく分からないまま、依織の言葉に釣られて、瑛貴はグラスを掲げてしまった。
「アッキーさぁ、仕事終わったら、いっつもすぐ帰ってんでしょ?」
「んー? うん、まぁ大体」
「そんで、いっつも1人でご飯食べてんの?」
「うん」
唐揚げをモグモグしながら頷いて顔を上げたら、肩よりも少し長いくらいの髪を後ろで1つに束ねた依織が、眉を寄せつつ瑛貴を見ていた。
back next
- 関連記事
-
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (52) (2010/09/25)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (51) (2010/09/24)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (50) (2010/09/23)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学