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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (49)
2010.09.22 Wed
電車に乗り遅れた理由が、時計が止まっていたから、という昔のコントのような出来事にすっかり脱力し、思考回路がうまく機能していなかったが、終電に間に合わなかった以上、これからどうするかを考えなければならないのだ。
「どーしよ…」
「お店、泊めてもらえば?」
「でももう、時間的に人がいないと思う…」
今日は綾斗も出勤していたから、鍵は彼が持っているはずで。
それに、JADEは宿泊施設ではないのだ、まさか瑛貴が泊まるために開けてもらうわけにはいかない。
「じゃあどうすんの? タクシー? カプセルホテルとか泊まる?」
「うー…」
家に帰るとなれば、この際、タクシーしかないだろう。
瑛貴はここから自分の家までタクシーで行ったことはないけれど、今日の財布の中身で足りるかしら。
「カードは?」
「…持ってない」
「ウッソでしょ!?」
あーもう信じらんないっ! と、とうとう依織のほうが頭を抱えた。
「ゴメンね、依織…」
「…んーん。てか俺のせいだよね!? 何かのんびりしてたから! ゴメン…」
シュンとしてしまった瑛貴に、依織のほうも少し冷静になる。
よく考えたら、瑛貴は早く駅に行きたがっていたのに、依織が七槻と話し続けていたのがいけなかったのだ。
「ゴメンね、アッキー、ゴメン!」
「いや、いいよ別に。俺が時計止まってんの気付いてたら、何てことなかったんだし」
「でも…。あっ、じゃあアッキー、俺んち来る?」
「は?」
ゴメン! と両手を顔の前で合わせて頭を下げていた依織が、突然、名案とばかりに顔を輝かせた。
「俺んちなら歩いてでも行けるし。行くとこないなら、俺んち来ていいよ?」
「え、でも…」
それは大変ありがたい申し出だけれど、瑛貴はすぐにOKの返事が出せなかった。
つい先ほども七槻に、いろいろと気を付けろと言われたばかりなのだ。これであっさり依織の家に向かってしまったら、まったく何も気を付けていないのと同じだ。
けれど、終電に乗り遅れたのは事実だし、行くのは依織の家であって、女の子の家でもないと思い直す。
「…じゃ、そうしよっかな」
「ホント? アッキー、家来る? 来る?」
「うん」
「やった。じゃあ行こっ?」
なぜか瑛貴より依織のほうが喜んでいるようにも見えたが、とりあえず今日の宿を確保できたことにホッとした。
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「どーしよ…」
「お店、泊めてもらえば?」
「でももう、時間的に人がいないと思う…」
今日は綾斗も出勤していたから、鍵は彼が持っているはずで。
それに、JADEは宿泊施設ではないのだ、まさか瑛貴が泊まるために開けてもらうわけにはいかない。
「じゃあどうすんの? タクシー? カプセルホテルとか泊まる?」
「うー…」
家に帰るとなれば、この際、タクシーしかないだろう。
瑛貴はここから自分の家までタクシーで行ったことはないけれど、今日の財布の中身で足りるかしら。
「カードは?」
「…持ってない」
「ウッソでしょ!?」
あーもう信じらんないっ! と、とうとう依織のほうが頭を抱えた。
「ゴメンね、依織…」
「…んーん。てか俺のせいだよね!? 何かのんびりしてたから! ゴメン…」
シュンとしてしまった瑛貴に、依織のほうも少し冷静になる。
よく考えたら、瑛貴は早く駅に行きたがっていたのに、依織が七槻と話し続けていたのがいけなかったのだ。
「ゴメンね、アッキー、ゴメン!」
「いや、いいよ別に。俺が時計止まってんの気付いてたら、何てことなかったんだし」
「でも…。あっ、じゃあアッキー、俺んち来る?」
「は?」
ゴメン! と両手を顔の前で合わせて頭を下げていた依織が、突然、名案とばかりに顔を輝かせた。
「俺んちなら歩いてでも行けるし。行くとこないなら、俺んち来ていいよ?」
「え、でも…」
それは大変ありがたい申し出だけれど、瑛貴はすぐにOKの返事が出せなかった。
つい先ほども七槻に、いろいろと気を付けろと言われたばかりなのだ。これであっさり依織の家に向かってしまったら、まったく何も気を付けていないのと同じだ。
けれど、終電に乗り遅れたのは事実だし、行くのは依織の家であって、女の子の家でもないと思い直す。
「…じゃ、そうしよっかな」
「ホント? アッキー、家来る? 来る?」
「うん」
「やった。じゃあ行こっ?」
なぜか瑛貴より依織のほうが喜んでいるようにも見えたが、とりあえず今日の宿を確保できたことにホッとした。
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