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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (46)
2010.09.19 Sun
「…七槻くんも、一緒に駅まで行く?」
まだ『ナツ』とまでは呼べないが、瑛貴が呼ぶように『七槻くん』とは呼べるようになったらしい依織が、ガッカリしている七槻に気を遣って、そう提案した。
「んー、遠慮しとく。俺、今日行くとこあるし」
「ふぅん?」
「じゃ、バイバーイ。気を付けてね、……色々と」
最後の一言、瑛貴に向かって意味ありげに言うと、七槻は2人に背を向けた。
瑛貴は間違いなく鈍感な男だが、その意味には気が付かないわけもなく、しかし何も言い返せなかった。
「アッキー、行こ?」
「え、あ、うん…」
七槻の言葉には特に反応することなく、依織は駅へと歩き出す。
ホストクラブやキャバクラは1部営業を終え、明かりの消えた店舗も多いが、街にはまだ人が多い。
「アッキーて、1人暮らし?」
「そうだよ」
「なのに、仕事終わって、そんなすぐ帰って、何してんの?」
「風呂入って寝る」
「はぁ?」
瑛貴は真面目に答えたつもりなのに、依織には訝しげな顔をされてしまった。
「え、何?」
「風呂入って寝るの? 帰ったら? それだけ?」
「あ、ご飯も食べるよ」
「そうじゃなくて! アッキー、メシ食って風呂入って寝るだけなのに、いっつもそんなにすぐ帰ってんの?」
目をパチパチさせている依織に、瑛貴はようやくその言わんとする意味が分かった。
言われてみれば確かに、それだけのために瑛貴は、毎日急いで帰っている。
「だって他にすることないし。テレビだってそんな時間、別におもしろいのやってないじゃん」
「家にいること前提? あ、アッキーあんま遊び行かないんだっけ?」
「こーゆー時間に遊ぶとこって、だって決まってるじゃん。俺、クラブとか苦手なの」
こんな賑やかな夜の街で働いていながら、瑛貴は派手な音楽に満たされたクラブが、実はそれほど得意ではなかった。
もちろんそれ以外の遊びはいくらでもあるし、瑛貴の人付き合いが極端に悪いわけではないが、そんなにしょっちゅう朝まで遊ぶという気にはならない。
「それって、ちょっとした引きこもり?」
「違うって! 夜出かけないだけだから!」
依織にジトッと見つめられ、瑛貴は慌てて自分をフォローした。
仕事が終わった後はすぐに帰るけれど、その後、出勤まで家を出ない、なんてことはなく、ちゃんと外にだって出ているのだ。
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まだ『ナツ』とまでは呼べないが、瑛貴が呼ぶように『七槻くん』とは呼べるようになったらしい依織が、ガッカリしている七槻に気を遣って、そう提案した。
「んー、遠慮しとく。俺、今日行くとこあるし」
「ふぅん?」
「じゃ、バイバーイ。気を付けてね、……色々と」
最後の一言、瑛貴に向かって意味ありげに言うと、七槻は2人に背を向けた。
瑛貴は間違いなく鈍感な男だが、その意味には気が付かないわけもなく、しかし何も言い返せなかった。
「アッキー、行こ?」
「え、あ、うん…」
七槻の言葉には特に反応することなく、依織は駅へと歩き出す。
ホストクラブやキャバクラは1部営業を終え、明かりの消えた店舗も多いが、街にはまだ人が多い。
「アッキーて、1人暮らし?」
「そうだよ」
「なのに、仕事終わって、そんなすぐ帰って、何してんの?」
「風呂入って寝る」
「はぁ?」
瑛貴は真面目に答えたつもりなのに、依織には訝しげな顔をされてしまった。
「え、何?」
「風呂入って寝るの? 帰ったら? それだけ?」
「あ、ご飯も食べるよ」
「そうじゃなくて! アッキー、メシ食って風呂入って寝るだけなのに、いっつもそんなにすぐ帰ってんの?」
目をパチパチさせている依織に、瑛貴はようやくその言わんとする意味が分かった。
言われてみれば確かに、それだけのために瑛貴は、毎日急いで帰っている。
「だって他にすることないし。テレビだってそんな時間、別におもしろいのやってないじゃん」
「家にいること前提? あ、アッキーあんま遊び行かないんだっけ?」
「こーゆー時間に遊ぶとこって、だって決まってるじゃん。俺、クラブとか苦手なの」
こんな賑やかな夜の街で働いていながら、瑛貴は派手な音楽に満たされたクラブが、実はそれほど得意ではなかった。
もちろんそれ以外の遊びはいくらでもあるし、瑛貴の人付き合いが極端に悪いわけではないが、そんなにしょっちゅう朝まで遊ぶという気にはならない。
「それって、ちょっとした引きこもり?」
「違うって! 夜出かけないだけだから!」
依織にジトッと見つめられ、瑛貴は慌てて自分をフォローした。
仕事が終わった後はすぐに帰るけれど、その後、出勤まで家を出ない、なんてことはなく、ちゃんと外にだって出ているのだ。
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