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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (43)
2010.09.16 Thu
「そうなんだ、アッキー行かないんだ」
「で、お前はどうすんの、依織」
「行く行く!」
もちろん! とばかりに、依織は元気よく返事をしたが、その返答に瑛貴は少しばかり拍子抜けした。
その直前に依織は、瑛貴が行くか行かないかを聞いて来てきたから、行かないと答えた瑛貴に対して、何かアクションがあると思ったのに。
(いや、別にいいんだけど…)
依織に、一緒に駅まで行くとか言われても、それはそれでいろいろ考えてしまいそうだから、言われなくてホッとはしたが、その反面、瑛貴は何となく寂しいような気持ちにも襲われる。
だが、寂しがりだと言っていた依織のことだ。瑛貴と一緒に駅まで来たところで、瑛貴を見送った後は1人になってしまうことを思えば、泰我と遊びに行きたがるのも無理はない。
「じゃあね、アッキー、バイバーイ!」
かわいらしい仕草で瑛貴に手を振った依織は、泰我と一緒に、駅とは反対方向へと歩いていく。
「…」
あり得ないと思いつつ、並んで歩くその後ろ姿は、依織が知らない男と歩いていたあの姿に重なって見えて、瑛貴は慌ててその想像を振り払った。
(でも泰我くん、依織がそういうことしてんの、知ってんのかな…)
2人は、以前働いていたときからの友人だというから、出会ってすでに2,3年は経っているはずで。
依織がいつからあんなことをしているかは知らないけれど、出会って間もない瑛貴にさえも話をしたのだから、恐らく泰我だって知っているに違いない。
それでいて泰我は、依織の行為を止めたり咎めたりしたことはなかったのだろうかと、瑛貴は思ってしまう。
(まさか泰我くんとも…――――て、いやいや、そんな)
たくまし過ぎた自分の想像力に辟易しつつ、瑛貴は駅へと向かう。
大体、もし本当に依織と泰我がそういう関係で、今日もそのつもりで依織がJADEに来たのだとしたら、瑛貴に一緒に行くかどうかなんて聞くわけがない。
十中八九、瑛貴は行かないと答えるだろうが、気が変わることだってあるはずなのだから。
その裏をかいて……なんてどうでもいい心理戦なんてする必要もないし。
…勝手な想像はやめよう。
その言葉自体が本当か嘘か分からないが、依織は、瑛貴には嘘をつかないと言ったのだし、単純だと言われるかもしれないが、素直にその言葉を信じよう。
大体、依織だって子どもではないのだ。
例えば犯罪に手を染めているとか、そういうことなら瑛貴も黙ってはいないが、今依織がしていることに、瑛貴がいちいち口を出す必要はないと思う。
それは瑛貴自身、何度も自分に言い聞かせて来たことだし、七槻にだって言われたことだ。
(そうだよ、何でこんなに依織のこと、気にしなきゃなんないんだよ)
余計なことを考えるのをやめようと思えば思うほど、いろいろ考え過ぎてしまう自分に気が付いて、終電に飛び乗った瑛貴は、酔っ払いに押し潰され掛けながら、携帯電話を取り出した。
メールを送る相手は真夕子。
依織のことを頭から振り払うように、瑛貴は手早く文章を打ち込んで送信すると、携帯電話を折り畳んだ。何世代か前の携帯電話は、何度か買い替えようかとも思ったが、面倒くさくてほったらかしのままだ。
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「で、お前はどうすんの、依織」
「行く行く!」
もちろん! とばかりに、依織は元気よく返事をしたが、その返答に瑛貴は少しばかり拍子抜けした。
その直前に依織は、瑛貴が行くか行かないかを聞いて来てきたから、行かないと答えた瑛貴に対して、何かアクションがあると思ったのに。
(いや、別にいいんだけど…)
依織に、一緒に駅まで行くとか言われても、それはそれでいろいろ考えてしまいそうだから、言われなくてホッとはしたが、その反面、瑛貴は何となく寂しいような気持ちにも襲われる。
だが、寂しがりだと言っていた依織のことだ。瑛貴と一緒に駅まで来たところで、瑛貴を見送った後は1人になってしまうことを思えば、泰我と遊びに行きたがるのも無理はない。
「じゃあね、アッキー、バイバーイ!」
かわいらしい仕草で瑛貴に手を振った依織は、泰我と一緒に、駅とは反対方向へと歩いていく。
「…」
あり得ないと思いつつ、並んで歩くその後ろ姿は、依織が知らない男と歩いていたあの姿に重なって見えて、瑛貴は慌ててその想像を振り払った。
(でも泰我くん、依織がそういうことしてんの、知ってんのかな…)
2人は、以前働いていたときからの友人だというから、出会ってすでに2,3年は経っているはずで。
依織がいつからあんなことをしているかは知らないけれど、出会って間もない瑛貴にさえも話をしたのだから、恐らく泰我だって知っているに違いない。
それでいて泰我は、依織の行為を止めたり咎めたりしたことはなかったのだろうかと、瑛貴は思ってしまう。
(まさか泰我くんとも…――――て、いやいや、そんな)
たくまし過ぎた自分の想像力に辟易しつつ、瑛貴は駅へと向かう。
大体、もし本当に依織と泰我がそういう関係で、今日もそのつもりで依織がJADEに来たのだとしたら、瑛貴に一緒に行くかどうかなんて聞くわけがない。
十中八九、瑛貴は行かないと答えるだろうが、気が変わることだってあるはずなのだから。
その裏をかいて……なんてどうでもいい心理戦なんてする必要もないし。
…勝手な想像はやめよう。
その言葉自体が本当か嘘か分からないが、依織は、瑛貴には嘘をつかないと言ったのだし、単純だと言われるかもしれないが、素直にその言葉を信じよう。
大体、依織だって子どもではないのだ。
例えば犯罪に手を染めているとか、そういうことなら瑛貴も黙ってはいないが、今依織がしていることに、瑛貴がいちいち口を出す必要はないと思う。
それは瑛貴自身、何度も自分に言い聞かせて来たことだし、七槻にだって言われたことだ。
(そうだよ、何でこんなに依織のこと、気にしなきゃなんないんだよ)
余計なことを考えるのをやめようと思えば思うほど、いろいろ考え過ぎてしまう自分に気が付いて、終電に飛び乗った瑛貴は、酔っ払いに押し潰され掛けながら、携帯電話を取り出した。
メールを送る相手は真夕子。
依織のことを頭から振り払うように、瑛貴は手早く文章を打ち込んで送信すると、携帯電話を折り畳んだ。何世代か前の携帯電話は、何度か買い替えようかとも思ったが、面倒くさくてほったらかしのままだ。
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