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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (41)
2010.09.14 Tue
「あのさ、アッキーはそう思ってるかもだけど、周りから見たらカップルにしか見えないから」
「だから、そんなの、」
「誤解かもだけど、てか、それは俺も分かってるけど、じゃあアッキー、今そう思ってる人全員の誤解、解けんの?」
「……」
七槻にきっぱりと言われ、瑛貴は返す言葉がなくなってしまった。
確かに、冗談でも七槻のように言ってくれる人には言い返せるけれど、そうでない人には。
かといって、他に何かいい打開策があるわけでもなく、ならいっそ、もう依織に会わないほうがいいとか?
「いやアッキー、そんな深刻そうな顔しないでよ」
「七槻くんのせいじゃん」
「ゴメンね。俺、かわいいい子見ると、つい苛めたくなっちゃうんだよねー。サドかな?」
「だろうね」
あどけなく笑う七槻の性癖など知らないが、瑛貴は素っ気なくそう言い放った。
「依織に会うか会わないかはアッキーが決めることだけど、あんま深入りしすぎないほうがいいと思うよ、俺は。アッキーが、今までと同じようにしてたいならね」
「何それ、意味分かんない」
「アッキー鈍感だもんね」
バッサリと言われ、瑛貴はムッとしたが、そういえば今朝も、依織に『鈍感』とか言われたっけ。
自分では思っていないが、こんなに続けざまに言われてしまうなんて、もしかして相当愚鈍な性格をしているのだろうか。
だって今も、七槻に何を言われるのか、全然ピンと来ない。
「どういうこと、七槻くん」
「だって依織ってさ、アッキーのこと好きじゃん? LOVEで」
「………………。…はい?」
たっぷりと間を置いて瑛貴が口にしたセリフはそれだけで、しかし七槻はそれも見越していたのか、外したタイミングで聞き返して来た瑛貴を、呆れたりはしなかった。
その代わり、同じセリフも繰り返したりしない。
瑛貴が、聞こえていなくて聞き返したのではないことは分かるから。
「何言ってんの、七槻くん」
「気付かないふりしなくていいし」
「…ふりじゃないし。つか、何でそんなこと思うわけ?」
「見てれば分かるし」
「七槻くん、依織にそんなに会ったことないじゃん」
瑛貴だって、依織とはまだ3回しか会ったことがない。
そのうち七槻も一緒にいたのは1回で、図らずも依織と一緒にいるところを見られてしまったのが1回。
それだけなのに、一体どこからそんな発想が出てくるのだろう。
「あのさ、普通そんなどうでもいい相手と、夜中にあんな狭苦しいバックルームに一緒にいる? 俺だったら、自分だけでも遊びに行くよ」
「…」
確かに依織は、最初は友だちのところに行くと言っていたけれど、瑛貴がJADEに残ると言ったら、何で引き止めないの? と駄々を捏ねて拗ねた。
というか、始発を待つまでもなく、歩いてだって帰れる距離に家があるのだ。
えっと、だからそれって、そういうことなわけ?
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「だから、そんなの、」
「誤解かもだけど、てか、それは俺も分かってるけど、じゃあアッキー、今そう思ってる人全員の誤解、解けんの?」
「……」
七槻にきっぱりと言われ、瑛貴は返す言葉がなくなってしまった。
確かに、冗談でも七槻のように言ってくれる人には言い返せるけれど、そうでない人には。
かといって、他に何かいい打開策があるわけでもなく、ならいっそ、もう依織に会わないほうがいいとか?
「いやアッキー、そんな深刻そうな顔しないでよ」
「七槻くんのせいじゃん」
「ゴメンね。俺、かわいいい子見ると、つい苛めたくなっちゃうんだよねー。サドかな?」
「だろうね」
あどけなく笑う七槻の性癖など知らないが、瑛貴は素っ気なくそう言い放った。
「依織に会うか会わないかはアッキーが決めることだけど、あんま深入りしすぎないほうがいいと思うよ、俺は。アッキーが、今までと同じようにしてたいならね」
「何それ、意味分かんない」
「アッキー鈍感だもんね」
バッサリと言われ、瑛貴はムッとしたが、そういえば今朝も、依織に『鈍感』とか言われたっけ。
自分では思っていないが、こんなに続けざまに言われてしまうなんて、もしかして相当愚鈍な性格をしているのだろうか。
だって今も、七槻に何を言われるのか、全然ピンと来ない。
「どういうこと、七槻くん」
「だって依織ってさ、アッキーのこと好きじゃん? LOVEで」
「………………。…はい?」
たっぷりと間を置いて瑛貴が口にしたセリフはそれだけで、しかし七槻はそれも見越していたのか、外したタイミングで聞き返して来た瑛貴を、呆れたりはしなかった。
その代わり、同じセリフも繰り返したりしない。
瑛貴が、聞こえていなくて聞き返したのではないことは分かるから。
「何言ってんの、七槻くん」
「気付かないふりしなくていいし」
「…ふりじゃないし。つか、何でそんなこと思うわけ?」
「見てれば分かるし」
「七槻くん、依織にそんなに会ったことないじゃん」
瑛貴だって、依織とはまだ3回しか会ったことがない。
そのうち七槻も一緒にいたのは1回で、図らずも依織と一緒にいるところを見られてしまったのが1回。
それだけなのに、一体どこからそんな発想が出てくるのだろう。
「あのさ、普通そんなどうでもいい相手と、夜中にあんな狭苦しいバックルームに一緒にいる? 俺だったら、自分だけでも遊びに行くよ」
「…」
確かに依織は、最初は友だちのところに行くと言っていたけれど、瑛貴がJADEに残ると言ったら、何で引き止めないの? と駄々を捏ねて拗ねた。
というか、始発を待つまでもなく、歩いてだって帰れる距離に家があるのだ。
えっと、だからそれって、そういうことなわけ?
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