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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (41)
2010.09.13 Mon
「で? で?」
「…何が?」
好奇心丸出しで身を乗り出してくる七槻を、本当に邪魔そうに押し退けて、瑛貴はカウンター拭きを再開した。
別に依織といるところを見られたって困らないけれど、どうしていつも、こう厄介な人たちにばかり見つかってしまうのだろう。
しかし七槻は諦めなかった。瑛貴の前に立ち塞がり、1歩2歩と後退りする瑛貴とさらに距離を縮め、結局、壁際まで追い詰めた。
周囲のホストたちは、何やらコソコソしている2人は気になるものの、何となく近寄りがたい雰囲気に、いつもよりも遠巻きにしている。
「何がじゃなくてさ! あんな時間まで一緒にいてさぁ、何してたわけ~?」
七槻がどんな答えを期待しているのかは分かったが、しかし瑛貴の答えは、「別に何も」しかない。
だって、依織のケガの手当てをしていたら、終電に乗れなくて、仕方がないから始発までJADEのバックルームで話をして、それでもまだ始発までに時間があって、ブラブラと駅までいっぱい歩いただけ。
それだけなのだから。
「はぁ~? 一夜を共にして、それだけ?」
「それだけですが、何か? てか一夜て…。だって一緒にいたの、依織だよ? 何があんの?」
「あるでしょ、普通」
「いや、ないし、普通」
一夜を共にして何かあるとすれば、それはお互いに気持ちがそれなりに盛り上がったからだろうけど、出会って間もない友人でしかない瑛貴と依織の間に一体何があるだろう。
「でも友だちとだって、そーゆーことになっちゃうことなんて、いくらでもあんじゃん?」
「そうかもしんないけど、それを何で俺と依織に当て嵌めんの?」
だって瑛貴は、一緒に朝までいたことあるのなら、依織以外に何人もいるけれど、恋人の真夕子を除けば、1度だってそういう雰囲気にはなったことはない。
なのにどうして七槻は、瑛貴が依織と一緒にいたことだけを、そんなふうに言うのだろう。
「だって今朝のあれ見ちゃったらさぁ」
「何が?」
「だってあんなの、どう見たって恋人同士じゃん? 『じゃあね!』 背中ドン! 『うわっ』『バイバーイv』て」
「…七槻くん、何一人芝居してんの?」
「お前らがやってたんだろ」
…言われてみたら、確かにそんな感じにはなっていましたけれど。
だって依織がそんなことするとも思っていなくて、瑛貴が何も身構えていなかったせいだ。
でもそれを恋人同士とか言われても。
「あんなの、普通にバカップルじゃん」
「いや違うし。まずカップルではないから」
七槻は、有華や真美と違って、瑛貴の彼女を知っているのだ。どうして依織と一緒にいるのを、カップルと思われなければならないのか。
そう訴えれば、七槻はこれでもかと言うほど大げさに、溜め息をついた。
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「…何が?」
好奇心丸出しで身を乗り出してくる七槻を、本当に邪魔そうに押し退けて、瑛貴はカウンター拭きを再開した。
別に依織といるところを見られたって困らないけれど、どうしていつも、こう厄介な人たちにばかり見つかってしまうのだろう。
しかし七槻は諦めなかった。瑛貴の前に立ち塞がり、1歩2歩と後退りする瑛貴とさらに距離を縮め、結局、壁際まで追い詰めた。
周囲のホストたちは、何やらコソコソしている2人は気になるものの、何となく近寄りがたい雰囲気に、いつもよりも遠巻きにしている。
「何がじゃなくてさ! あんな時間まで一緒にいてさぁ、何してたわけ~?」
七槻がどんな答えを期待しているのかは分かったが、しかし瑛貴の答えは、「別に何も」しかない。
だって、依織のケガの手当てをしていたら、終電に乗れなくて、仕方がないから始発までJADEのバックルームで話をして、それでもまだ始発までに時間があって、ブラブラと駅までいっぱい歩いただけ。
それだけなのだから。
「はぁ~? 一夜を共にして、それだけ?」
「それだけですが、何か? てか一夜て…。だって一緒にいたの、依織だよ? 何があんの?」
「あるでしょ、普通」
「いや、ないし、普通」
一夜を共にして何かあるとすれば、それはお互いに気持ちがそれなりに盛り上がったからだろうけど、出会って間もない友人でしかない瑛貴と依織の間に一体何があるだろう。
「でも友だちとだって、そーゆーことになっちゃうことなんて、いくらでもあんじゃん?」
「そうかもしんないけど、それを何で俺と依織に当て嵌めんの?」
だって瑛貴は、一緒に朝までいたことあるのなら、依織以外に何人もいるけれど、恋人の真夕子を除けば、1度だってそういう雰囲気にはなったことはない。
なのにどうして七槻は、瑛貴が依織と一緒にいたことだけを、そんなふうに言うのだろう。
「だって今朝のあれ見ちゃったらさぁ」
「何が?」
「だってあんなの、どう見たって恋人同士じゃん? 『じゃあね!』 背中ドン! 『うわっ』『バイバーイv』て」
「…七槻くん、何一人芝居してんの?」
「お前らがやってたんだろ」
…言われてみたら、確かにそんな感じにはなっていましたけれど。
だって依織がそんなことするとも思っていなくて、瑛貴が何も身構えていなかったせいだ。
でもそれを恋人同士とか言われても。
「あんなの、普通にバカップルじゃん」
「いや違うし。まずカップルではないから」
七槻は、有華や真美と違って、瑛貴の彼女を知っているのだ。どうして依織と一緒にいるのを、カップルと思われなければならないのか。
そう訴えれば、七槻はこれでもかと言うほど大げさに、溜め息をついた。
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