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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (38)
2010.09.10 Fri
「依織は……何してる人?」
「仕事? してるように見える?」
「見えないから聞いたの」
堅気の仕事をしているとは思えないが、普通の女の子のように服やメイクにお金を掛けているのだとしたら、何か収入がなければ。
それともまさか、そのすべてを男性から貢がれているとか?
「ま、適当に。自分が食べてく分くらいは適当に稼いでるよ」
依織はモゾリと身じろいで、ソファの背凭れに頭を乗せ替えた。
あまり追及されたくない話題なのだろうと思い、瑛貴はそれ以上は聞かなかった。
「…ねぇ、眠くなんない」
「もう3時過ぎたよ」
「始発まで1時間あるじゃん。アッキー眠くなっちゃった?」
「そうでもないけど」
大体、今寝たら、確実に寝過ごしてしまいそうだ。
2部の出勤をしてきた連中に、そんな姿を見られたくない。
「寝ないなら、外行かない?」
「どこに?」
「どこでもいいよ」
出かけるのが面倒くさいから、始発の時間までここにいようと思ったのに、『外行かない?』と尋ねてきた依織は、瑛貴がNOの返事をするとも思っていないのか、さっさと立ち上がっていた。
「じゃあ駅まで」
「すぐ着くし」
「ゆーっくり行くの。ね、アッキー」
一体どのくらいゆっくり歩けば、普通5分もかからない道のりを、1時間も掛けることが出来るのだろうか。
それでも瑛貴は、仕方ないなぁ、と立ち上がった。
綾斗に言われたとおり、しっかりと戸締りをして、セキュリティサービスの設定をすると、瑛貴は依織を連れて店を出た。
以前よりも取締りが厳しくなったことで、この時間、営業している店は限られているが、それでも人通りは結構ある。
「依織、駅向こうだけど」
いきなり依織が駅とは反対方向に行こうとするから、瑛貴が驚いて声を掛ければ、依織が笑いながら振り返った。
「だって普通に行ったら、すぐ駅に着いちゃうじゃん。ちょっと回ってこうよ」
「はぁ?」
「ね?」
「まぁいいけど…」
仕方なく瑛貴は、依織に付いて、駅とは反対方向へ歩き出す。
賑やかな街も、通りを1つ入っただけで静まり返っていて、何だか不気味に思えた。
「依織、ほっぺたまだ痛い?」
「ぅん? もう全然平気だよ。ゴメンねアッキー、いろいろ心配してくれて」
「別にいいけど。てか触んなよ、傷」
「でもこういうかさぶたとか、取りたくなんない?」
「我慢しろ」
せっかく消毒までしたのに、塞がり掛けた傷に触ってしまっては、何の意味もない。
傷口に触れようとする依織の手を、そこから引き剥がした。
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「仕事? してるように見える?」
「見えないから聞いたの」
堅気の仕事をしているとは思えないが、普通の女の子のように服やメイクにお金を掛けているのだとしたら、何か収入がなければ。
それともまさか、そのすべてを男性から貢がれているとか?
「ま、適当に。自分が食べてく分くらいは適当に稼いでるよ」
依織はモゾリと身じろいで、ソファの背凭れに頭を乗せ替えた。
あまり追及されたくない話題なのだろうと思い、瑛貴はそれ以上は聞かなかった。
「…ねぇ、眠くなんない」
「もう3時過ぎたよ」
「始発まで1時間あるじゃん。アッキー眠くなっちゃった?」
「そうでもないけど」
大体、今寝たら、確実に寝過ごしてしまいそうだ。
2部の出勤をしてきた連中に、そんな姿を見られたくない。
「寝ないなら、外行かない?」
「どこに?」
「どこでもいいよ」
出かけるのが面倒くさいから、始発の時間までここにいようと思ったのに、『外行かない?』と尋ねてきた依織は、瑛貴がNOの返事をするとも思っていないのか、さっさと立ち上がっていた。
「じゃあ駅まで」
「すぐ着くし」
「ゆーっくり行くの。ね、アッキー」
一体どのくらいゆっくり歩けば、普通5分もかからない道のりを、1時間も掛けることが出来るのだろうか。
それでも瑛貴は、仕方ないなぁ、と立ち上がった。
綾斗に言われたとおり、しっかりと戸締りをして、セキュリティサービスの設定をすると、瑛貴は依織を連れて店を出た。
以前よりも取締りが厳しくなったことで、この時間、営業している店は限られているが、それでも人通りは結構ある。
「依織、駅向こうだけど」
いきなり依織が駅とは反対方向に行こうとするから、瑛貴が驚いて声を掛ければ、依織が笑いながら振り返った。
「だって普通に行ったら、すぐ駅に着いちゃうじゃん。ちょっと回ってこうよ」
「はぁ?」
「ね?」
「まぁいいけど…」
仕方なく瑛貴は、依織に付いて、駅とは反対方向へ歩き出す。
賑やかな街も、通りを1つ入っただけで静まり返っていて、何だか不気味に思えた。
「依織、ほっぺたまだ痛い?」
「ぅん? もう全然平気だよ。ゴメンねアッキー、いろいろ心配してくれて」
「別にいいけど。てか触んなよ、傷」
「でもこういうかさぶたとか、取りたくなんない?」
「我慢しろ」
せっかく消毒までしたのに、塞がり掛けた傷に触ってしまっては、何の意味もない。
傷口に触れようとする依織の手を、そこから引き剥がした。
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