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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (35)
2010.09.07 Tue
「でもホント、何もないよ。寝るとしたって、このソファしかないし」
スプリングは効いているけれど、1人だとしても、足を曲げてでしか横になれない小さなソファだ。
たとえ2時間とはいえ、それでも本当にこんなところで過ごしたいのだろうか。
「別に平気。てかアッキー、ソファ使って? 俺、床でいいから」
「は? バッカじゃね? 床に敷くのなんか、何もねぇよ」
一応、薄い上掛けならあるけれど、床に横になるための敷物なんて、そんな気の利いたものはない。
まったく依織の言うこともすることも、何もかもがむちゃくちゃだと、瑛貴は呆れた。
「半分ずつ座ろ? 絶対こっちのほうがまだマシだって」
瑛貴はスーツの上着だけ脱いで、半分のスペースを空けてソファに座った。
依織は何度か瞬きをした後、その隣に腰を下ろした。
「何か掛けるのいる? たぶんあると思ったけど」
「いらない」
答えながら、依織はパンプスを脱ぐ。
それを見ていた瑛貴は、何となく「依織、靴のサイズいくつ?」と尋ねた。もちろん依織の最初の返事は、「は?」だ。
「靴のサイズ。女の子の靴て、男が履けるくらいの、あんの?」
「あぁ、そういうこと? あるよ、大きいサイズ。服だって、おっきいのあるし」
「ふぅん」
並んで立つと依織と瑛貴は同じくらいの身長だから、大体170cmくらいで、女の子としては少し背は高めだけれど、今どき背の高い子は結構多いので、洋服の種類でも、依織は困ったことはないと言う。
「自分で買いに行くんだ?」
「うん、そう。でもときどき買ってくれる人もいるよ」
エヘへ、と依織は笑ったが、その『買ってくれる人』というのが、先ほどまで話していたような男たちなのだと思ったら、瑛貴の胸は少しだけ苦しくなった。
なのに依織は、そんなこと分かるわけもないから、何でもないように話を続ける。
「でもさ、買ってもらっても、その人の前で脱げないじゃん? だから悪いなぁ、て思って、そういうときは、いっぱいサービスしてあげんの」
「…何で脱ぐこと前提なんだよ」
「えー、だって普通、男が女の子に服買ってあげるって、それ脱がせたいからでしょ? マッスーそうじゃないの?」
「考えたことない」
依織が見知らぬ男たちと、どこまでの行為に及ぶのかは知らないが、その姿を想像してしまいそうになり、瑛貴は慌てて頭から追い遣ると、自分側の肘掛けに両腕を置いて、そこに頭を乗せた。
「ぅん? アッキー? 何か機嫌悪くない? どうしたの急に」
「別に普通だし」
「眠くなった?」
「なってない」
依織に顔を覗き込まれ、そのときちょうど目を開けていたから、寝たふりも出来ずに、瑛貴は素直に答えた。
時計を見れば2時半を過ぎたところで、普段でもまだ起きている時間だ。
というか、眠いから機嫌が悪くなるとか、子どもじゃないんだから。
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スプリングは効いているけれど、1人だとしても、足を曲げてでしか横になれない小さなソファだ。
たとえ2時間とはいえ、それでも本当にこんなところで過ごしたいのだろうか。
「別に平気。てかアッキー、ソファ使って? 俺、床でいいから」
「は? バッカじゃね? 床に敷くのなんか、何もねぇよ」
一応、薄い上掛けならあるけれど、床に横になるための敷物なんて、そんな気の利いたものはない。
まったく依織の言うこともすることも、何もかもがむちゃくちゃだと、瑛貴は呆れた。
「半分ずつ座ろ? 絶対こっちのほうがまだマシだって」
瑛貴はスーツの上着だけ脱いで、半分のスペースを空けてソファに座った。
依織は何度か瞬きをした後、その隣に腰を下ろした。
「何か掛けるのいる? たぶんあると思ったけど」
「いらない」
答えながら、依織はパンプスを脱ぐ。
それを見ていた瑛貴は、何となく「依織、靴のサイズいくつ?」と尋ねた。もちろん依織の最初の返事は、「は?」だ。
「靴のサイズ。女の子の靴て、男が履けるくらいの、あんの?」
「あぁ、そういうこと? あるよ、大きいサイズ。服だって、おっきいのあるし」
「ふぅん」
並んで立つと依織と瑛貴は同じくらいの身長だから、大体170cmくらいで、女の子としては少し背は高めだけれど、今どき背の高い子は結構多いので、洋服の種類でも、依織は困ったことはないと言う。
「自分で買いに行くんだ?」
「うん、そう。でもときどき買ってくれる人もいるよ」
エヘへ、と依織は笑ったが、その『買ってくれる人』というのが、先ほどまで話していたような男たちなのだと思ったら、瑛貴の胸は少しだけ苦しくなった。
なのに依織は、そんなこと分かるわけもないから、何でもないように話を続ける。
「でもさ、買ってもらっても、その人の前で脱げないじゃん? だから悪いなぁ、て思って、そういうときは、いっぱいサービスしてあげんの」
「…何で脱ぐこと前提なんだよ」
「えー、だって普通、男が女の子に服買ってあげるって、それ脱がせたいからでしょ? マッスーそうじゃないの?」
「考えたことない」
依織が見知らぬ男たちと、どこまでの行為に及ぶのかは知らないが、その姿を想像してしまいそうになり、瑛貴は慌てて頭から追い遣ると、自分側の肘掛けに両腕を置いて、そこに頭を乗せた。
「ぅん? アッキー? 何か機嫌悪くない? どうしたの急に」
「別に普通だし」
「眠くなった?」
「なってない」
依織に顔を覗き込まれ、そのときちょうど目を開けていたから、寝たふりも出来ずに、瑛貴は素直に答えた。
時計を見れば2時半を過ぎたところで、普段でもまだ起きている時間だ。
というか、眠いから機嫌が悪くなるとか、子どもじゃないんだから。
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