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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (34)
2010.09.06 Mon
「普通、出来れば余計な誤解はされたくないとか思わない? もし誤解が解けなかったらどうすんの?」
「そんなの…」
そう言われても、そんなこと考えたこともなかった。
あぁ、だから依織に『能天気』なんて言われたのか。
「でも別に…普通に女の子の友だちとか、いるし…」
何も女の子の知り合いが、真夕子だけというわけではない。
女友だちだっているし、有華や真美のように、この街で働く女性の中に顔見知りや知り合いならいる。
「……。アッキーがいいならいいんだけど。てかそれより、アッキーこの後どうすんの? まさか始発までここにいるとか?」
「あー…どうしよ。そうしよっかな。綾斗さんも始発まではいていいって言ったし」
「マジで!?」
冗談で言ってみただけなのに、瑛貴が当たり前のようにそう答えたので、依織は驚いて目を見開いた。
朝まで遊び歩かなくても、ファミレスとか、朝まで過ごせるところなら他にもあるのに。
しかし瑛貴にしたら、今日はもう遊びに行く気にもならないし、腹も減っていないし、どうせ後2時間もすれば始発は動き出すことを思えば、そのほうが面倒くさくないと思っただけのこと。
「依織は? 友だちんとこ行くんだっけ?」
「…ん」
「そっか。じゃ、気を付けて行けよ」
「…………。…引き止めないの?」
もう融けて軟らかくなってしまった保冷剤を、手の中でグニュグニュと弄びながら、なぜか依織は拗ねたようにそう言った。
「え、何を? 依織を?」
「…ん」
「え? え? 何で?」
先に、友だちのところに行こうかな、と話したのは依織のほうだ。
瑛貴と違って、どこか行く当てがあるのだと思っていたから、特に引き止めもしなかったのだが、それが何か依織の機嫌を損ねてしまったらしい。
しかも瑛貴が『何で?』なんて聞き返してしまったものだから、依織は唇まで突き出して、ますますふて腐れたような顔になった。
「え、何? 依織、どうした?」
「…一緒に始発までここにいよう、とか言ってくれんのかと思った」
「え、いやだって」
「俺と一緒にいて、彼女に勘違いされても平気だとか思ってんなら、別に一緒にいたっていいじゃん」
「いたっていいけど、だって依織、友だちんとこ行くって言ったじゃん」
「言ったけど!」
でも普通、一緒にいる友だち、優先するんじゃないの? と、依織はまだ拗ね気味だ。
「分かったって。依織がそうしたいなら、そうすれば?」
「うんっ、じゃあそーする」
瑛貴の言葉に、待ってましたとばかりに、依織は笑顔になって返事をした。
こんなところにいたって、別に店内では過ごせないし、結局この寛げるのか寛げないのかも分からない狭苦しいバックルームにいるしかないのに、何がそんなに嬉しいのやら。
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「そんなの…」
そう言われても、そんなこと考えたこともなかった。
あぁ、だから依織に『能天気』なんて言われたのか。
「でも別に…普通に女の子の友だちとか、いるし…」
何も女の子の知り合いが、真夕子だけというわけではない。
女友だちだっているし、有華や真美のように、この街で働く女性の中に顔見知りや知り合いならいる。
「……。アッキーがいいならいいんだけど。てかそれより、アッキーこの後どうすんの? まさか始発までここにいるとか?」
「あー…どうしよ。そうしよっかな。綾斗さんも始発まではいていいって言ったし」
「マジで!?」
冗談で言ってみただけなのに、瑛貴が当たり前のようにそう答えたので、依織は驚いて目を見開いた。
朝まで遊び歩かなくても、ファミレスとか、朝まで過ごせるところなら他にもあるのに。
しかし瑛貴にしたら、今日はもう遊びに行く気にもならないし、腹も減っていないし、どうせ後2時間もすれば始発は動き出すことを思えば、そのほうが面倒くさくないと思っただけのこと。
「依織は? 友だちんとこ行くんだっけ?」
「…ん」
「そっか。じゃ、気を付けて行けよ」
「…………。…引き止めないの?」
もう融けて軟らかくなってしまった保冷剤を、手の中でグニュグニュと弄びながら、なぜか依織は拗ねたようにそう言った。
「え、何を? 依織を?」
「…ん」
「え? え? 何で?」
先に、友だちのところに行こうかな、と話したのは依織のほうだ。
瑛貴と違って、どこか行く当てがあるのだと思っていたから、特に引き止めもしなかったのだが、それが何か依織の機嫌を損ねてしまったらしい。
しかも瑛貴が『何で?』なんて聞き返してしまったものだから、依織は唇まで突き出して、ますますふて腐れたような顔になった。
「え、何? 依織、どうした?」
「…一緒に始発までここにいよう、とか言ってくれんのかと思った」
「え、いやだって」
「俺と一緒にいて、彼女に勘違いされても平気だとか思ってんなら、別に一緒にいたっていいじゃん」
「いたっていいけど、だって依織、友だちんとこ行くって言ったじゃん」
「言ったけど!」
でも普通、一緒にいる友だち、優先するんじゃないの? と、依織はまだ拗ね気味だ。
「分かったって。依織がそうしたいなら、そうすれば?」
「うんっ、じゃあそーする」
瑛貴の言葉に、待ってましたとばかりに、依織は笑顔になって返事をした。
こんなところにいたって、別に店内では過ごせないし、結局この寛げるのか寛げないのかも分からない狭苦しいバックルームにいるしかないのに、何がそんなに嬉しいのやら。
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