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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (33)
2010.09.05 Sun
「…最初に会ったとき、絡まれてたのも、」
「あー……アッキー、覚えてた? …よね? そりゃ。えっと…、」
「別に依織がどこで何しててもいいんだけど……嘘とかつくなよ」
「……」
「依織が男だってこと隠して、何かそういうことしてんの、別にいいけど、いや、いいっていうか、いいわけじゃないけど、よくないとか俺が言うのもあれだけど……でも俺ら友だちなんだし、嘘とか…」
"別にいい"と言うと、何だか依織のことをどうでもいいと思っているような言い方だと思ったが、かといって何かとやかく言うほどの間柄でもない気もして(ウザいとか思われたくないし)、瑛貴は言葉に困りつつも、何とか言いたいことを伝えた。
大したことでなくても、やっぱり嘘をつかれるのは悲しいから。
「…うん、分かった。アッキーには、もう嘘つかない」
自分から言い出しておきながら、あたふたしている瑛貴に、依織は少し笑ってから頷いた。
「あのときはね、アッキーと初めて会ったときのね、あれも最初、そういう系のナンパかなぁ、て思ってたんだけど、そしたらキャッチだった。相手2人だったし、何か隙がない感じだったし、ヤバいなぁ、て思ってたんだよね」
「…そっか」
「でもアッキーが助けてくれた」
「俺じゃないよ、泰我くんだよ」
「でもアッキー声掛けてくれたじゃん。あ、ねぇアッキー、もうこれ取ってもいいー?」
先ほどタオルを外そうとして瑛貴に怒られたので、依織は一応お伺いを立てる。
しかし瑛貴にしたって、どのくらいの時間冷やしていたらいいかなんて分からないから、「まぁいいんじゃない?」なんて適当に返事をした。
「そういえば依織、これからどうすんの? 電車終わっちゃったけど」
「あー…どうしよ。適当に友だちんとことか行こっかな。だってこの辺で、あんまアッキーとウロウロしてないほうがいいでしょ?」
「何で?」
「こないだのキャバ嬢の子とかに見られちゃったら、またいろいろ厄介じゃん?」
「あ、」
そういえば、有華にはすっかり勘違いされているのだ。
2人で歩いていたら、仲直りしたとか思われるのかもしれないが、そもそも依織は瑛貴の彼女ではないのだから、余計な疑惑を深めないほうが賢明かもしれない。
「ゴメン…。俺がちゃんと言っとけばよかったんだよね」
「いや、俺は別にいいんだけど……アッキーのほうこそ、大丈夫?」
「え、何が?」
「彼女。勘違いとかされたらマズイんじゃない?」
神妙な顔つきで依織に言われ、瑛貴は少し驚いた。
同じようなことなら、依織に初めて会った日に、七槻にも言われたのだ。
しかし、いくら依織の外見が女の子でも、実際は男なんだから、誤解されるまでもないと瑛貴は気軽に思っていたのだが、依織本人にまでそう言われてしまうと、何だか戸惑ってしまう。
「勘違い、されちゃうかな? でも依織、本当は男じゃん? もし誤解されたとしても、ちゃんと話せば大丈夫なんじゃないかなぁ、て思ってんだけど…」
「…………。アッキーて、意外とノーテンキ?」
「何でだよ!」
依織にとっても呆れたような顔をされて、瑛貴はちょっとだけムッとした。
だって別に瑛貴の気持ちが依織へと移ったわけではない。本当に2人はただの友だちで、しかも依織は男で、瑛貴の恋愛対象は女性なのだ。
これで誤解が解けないとは思えないのに。
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「あー……アッキー、覚えてた? …よね? そりゃ。えっと…、」
「別に依織がどこで何しててもいいんだけど……嘘とかつくなよ」
「……」
「依織が男だってこと隠して、何かそういうことしてんの、別にいいけど、いや、いいっていうか、いいわけじゃないけど、よくないとか俺が言うのもあれだけど……でも俺ら友だちなんだし、嘘とか…」
"別にいい"と言うと、何だか依織のことをどうでもいいと思っているような言い方だと思ったが、かといって何かとやかく言うほどの間柄でもない気もして(ウザいとか思われたくないし)、瑛貴は言葉に困りつつも、何とか言いたいことを伝えた。
大したことでなくても、やっぱり嘘をつかれるのは悲しいから。
「…うん、分かった。アッキーには、もう嘘つかない」
自分から言い出しておきながら、あたふたしている瑛貴に、依織は少し笑ってから頷いた。
「あのときはね、アッキーと初めて会ったときのね、あれも最初、そういう系のナンパかなぁ、て思ってたんだけど、そしたらキャッチだった。相手2人だったし、何か隙がない感じだったし、ヤバいなぁ、て思ってたんだよね」
「…そっか」
「でもアッキーが助けてくれた」
「俺じゃないよ、泰我くんだよ」
「でもアッキー声掛けてくれたじゃん。あ、ねぇアッキー、もうこれ取ってもいいー?」
先ほどタオルを外そうとして瑛貴に怒られたので、依織は一応お伺いを立てる。
しかし瑛貴にしたって、どのくらいの時間冷やしていたらいいかなんて分からないから、「まぁいいんじゃない?」なんて適当に返事をした。
「そういえば依織、これからどうすんの? 電車終わっちゃったけど」
「あー…どうしよ。適当に友だちんとことか行こっかな。だってこの辺で、あんまアッキーとウロウロしてないほうがいいでしょ?」
「何で?」
「こないだのキャバ嬢の子とかに見られちゃったら、またいろいろ厄介じゃん?」
「あ、」
そういえば、有華にはすっかり勘違いされているのだ。
2人で歩いていたら、仲直りしたとか思われるのかもしれないが、そもそも依織は瑛貴の彼女ではないのだから、余計な疑惑を深めないほうが賢明かもしれない。
「ゴメン…。俺がちゃんと言っとけばよかったんだよね」
「いや、俺は別にいいんだけど……アッキーのほうこそ、大丈夫?」
「え、何が?」
「彼女。勘違いとかされたらマズイんじゃない?」
神妙な顔つきで依織に言われ、瑛貴は少し驚いた。
同じようなことなら、依織に初めて会った日に、七槻にも言われたのだ。
しかし、いくら依織の外見が女の子でも、実際は男なんだから、誤解されるまでもないと瑛貴は気軽に思っていたのだが、依織本人にまでそう言われてしまうと、何だか戸惑ってしまう。
「勘違い、されちゃうかな? でも依織、本当は男じゃん? もし誤解されたとしても、ちゃんと話せば大丈夫なんじゃないかなぁ、て思ってんだけど…」
「…………。アッキーて、意外とノーテンキ?」
「何でだよ!」
依織にとっても呆れたような顔をされて、瑛貴はちょっとだけムッとした。
だって別に瑛貴の気持ちが依織へと移ったわけではない。本当に2人はただの友だちで、しかも依織は男で、瑛貴の恋愛対象は女性なのだ。
これで誤解が解けないとは思えないのに。
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