スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (30)
2010.09.02 Thu
「ありがとう、アッキー。でもホントにゴメンね。もうこの時間じゃ、電車終わっちゃったよね?」
「だからいいって。終電で帰れないからって、どうすることも出来ないわけじゃないから。てか、ほっぺた冷やしたほうがいいよね? ちょっと腫れてる」
「大丈夫だよ」
「依織、お前さー! 『大丈夫』ばっかだな! ホントは痛いんだろ? 我慢すんなよ、冷やしたほうがいいに決まってんだから!」
そう言って瑛貴は、小さい保冷剤にタオルを巻いて持って来た。
意外と面倒見のいい瑛貴に驚きつつ、依織は素直にそれを受け取って、わずかに熱を持っている左頬に当てた。
「つーか依織、お前1人でこんなとこ来てよかったの? さっきの……彼氏は? 置いてきたの? てか、それやったの……そいつ?」
「彼氏、ていうか……さっきの人がそういうんじゃない、て……アッキー、ホントは分かってんでしょ?」
依織は目を伏せ、大きく息をついた後、顔を上げてまっすぐに瑛貴を見た。
瑛貴は何と答えたらいいのか分からず、押し黙る。
「アッキー、俺が前に別の男の人と一緒にいたの、知ってるでしょ?」
「…」
「俺が40後半のオッサンと腕組んで歩いてたの、キャバ嬢の子? から聞いたでしょ?」
「え、何でそれ…」
依織が言わんとしていることは、瑛貴が真夕子との待ち合わせのときに依織を見掛けたことではなく、その後、有華に依織が浮気していると騒ぎ立てられたときのことだった。
どちらにしても、依織がそれを知っているとは思っていなかったので、瑛貴は少なからず驚く。
「前にね、アッキーに会いに来たら、アッキーちょうどその子と話してて。だってあの子、めっちゃ声大きいから、聞こえんだもん。俺、アッキーの彼女じゃないけど、でも言ってる内容からして俺のことだな、て思って。ここで出てったらまずいなって思って、声掛けないで帰ったんだけど」
「そうなんだ…。てか俺、それとは別に、依織が男の人と腕組んで歩いてんの、見たことあんだけど…」
言おうかどうしようか迷っていたことだけれど、依織が自分から話して来たのだからと、瑛貴は先日自分が見掛けたときのことを話してやった。
「…そっか。じゃあ、もうずっと前から、アッキーにはバレてたんだ」
依織は苦笑した。
狭い街だが、こんなに人は溢れているのに、まったく、何てタイミングだろう。
「バレて、てか……それはやっぱ、浮気してる、てこと?」
瑛貴には分かりかねる思考だが、依織は浮気とか、そうしたことへの抵抗があまりないのか、とてもあっけらかんとしている。
そしてさらに、瑛貴に衝撃を与えるようなセリフを続けていく。
「浮気っていうか……別に付き合ってるわけじゃないから。だって、お付き合いしたら俺が男だってバレちゃうでしょ?」
「え、じゃあさっきの人も、依織が男だって知らないの?」
「うん。なのに何かホテル行こう、みたいな感じになっちゃって。それは絶対マズイから。だってホラ、服脱いだら隠し切れないし。で、無理! て逃げようとしたら、無理やりやられそうになって、抵抗したら引っ叩かれた」
「えぇっマジで!? ヤベェじゃん、それって! やっぱ警察…!」
まったくのん気な様子の依織に、瑛貴のほうが慌てる。
未遂だったとはいえ、それはもう犯罪の域なのでは?
back next
「だからいいって。終電で帰れないからって、どうすることも出来ないわけじゃないから。てか、ほっぺた冷やしたほうがいいよね? ちょっと腫れてる」
「大丈夫だよ」
「依織、お前さー! 『大丈夫』ばっかだな! ホントは痛いんだろ? 我慢すんなよ、冷やしたほうがいいに決まってんだから!」
そう言って瑛貴は、小さい保冷剤にタオルを巻いて持って来た。
意外と面倒見のいい瑛貴に驚きつつ、依織は素直にそれを受け取って、わずかに熱を持っている左頬に当てた。
「つーか依織、お前1人でこんなとこ来てよかったの? さっきの……彼氏は? 置いてきたの? てか、それやったの……そいつ?」
「彼氏、ていうか……さっきの人がそういうんじゃない、て……アッキー、ホントは分かってんでしょ?」
依織は目を伏せ、大きく息をついた後、顔を上げてまっすぐに瑛貴を見た。
瑛貴は何と答えたらいいのか分からず、押し黙る。
「アッキー、俺が前に別の男の人と一緒にいたの、知ってるでしょ?」
「…」
「俺が40後半のオッサンと腕組んで歩いてたの、キャバ嬢の子? から聞いたでしょ?」
「え、何でそれ…」
依織が言わんとしていることは、瑛貴が真夕子との待ち合わせのときに依織を見掛けたことではなく、その後、有華に依織が浮気していると騒ぎ立てられたときのことだった。
どちらにしても、依織がそれを知っているとは思っていなかったので、瑛貴は少なからず驚く。
「前にね、アッキーに会いに来たら、アッキーちょうどその子と話してて。だってあの子、めっちゃ声大きいから、聞こえんだもん。俺、アッキーの彼女じゃないけど、でも言ってる内容からして俺のことだな、て思って。ここで出てったらまずいなって思って、声掛けないで帰ったんだけど」
「そうなんだ…。てか俺、それとは別に、依織が男の人と腕組んで歩いてんの、見たことあんだけど…」
言おうかどうしようか迷っていたことだけれど、依織が自分から話して来たのだからと、瑛貴は先日自分が見掛けたときのことを話してやった。
「…そっか。じゃあ、もうずっと前から、アッキーにはバレてたんだ」
依織は苦笑した。
狭い街だが、こんなに人は溢れているのに、まったく、何てタイミングだろう。
「バレて、てか……それはやっぱ、浮気してる、てこと?」
瑛貴には分かりかねる思考だが、依織は浮気とか、そうしたことへの抵抗があまりないのか、とてもあっけらかんとしている。
そしてさらに、瑛貴に衝撃を与えるようなセリフを続けていく。
「浮気っていうか……別に付き合ってるわけじゃないから。だって、お付き合いしたら俺が男だってバレちゃうでしょ?」
「え、じゃあさっきの人も、依織が男だって知らないの?」
「うん。なのに何かホテル行こう、みたいな感じになっちゃって。それは絶対マズイから。だってホラ、服脱いだら隠し切れないし。で、無理! て逃げようとしたら、無理やりやられそうになって、抵抗したら引っ叩かれた」
「えぇっマジで!? ヤベェじゃん、それって! やっぱ警察…!」
まったくのん気な様子の依織に、瑛貴のほうが慌てる。
未遂だったとはいえ、それはもう犯罪の域なのでは?
back next
- 関連記事
-
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (31) (2010/09/03)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (30) (2010/09/02)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (29) (2010/09/01)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学