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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (25)
2010.08.28 Sat
「てか、泰我くん、どこ行くの? 店始まるじゃん」
「綾斗さんに買い物頼まれたんだよ。あれもこれもとか言って、いつの間にかめっちゃ多くなってんの。だからお前も道連れ」
「げぇー」
綾斗は、出勤してから店を空けられないのもあるが、わりと人使いが荒いので、泰我や瑛貴はよくこうして使われている。
用事を言い付けられた泰我は、誰でもいいから一緒に連れて行こうとしたのだが、開店準備をがんばっている若いホストに声をかけるのも悪いし…と思っていたら、バックルームにちょうど瑛貴がいたのだ。
完全なるとばっちりの瑛貴は、渋々と泰我の後に付いていく。
「ねー泰我くーん」
「あぁ?」
少し前を歩く泰我が、振り返りもせず、面倒くさそうに返事をする。
日の暮れ切っていない繁華街は、明るく柔らかな日差しの中で、疎らにネオンが輝いている。また有華に会ったら面倒だな、と思ったが、店の前を通り過ぎても、その姿は見えなかった。
「泰我くんてさぁ、依織とどういう関係なの?」
「はぁ?」
「あ、いや、友だちなのは知ってんだけど、あの、何て言うか……何繋がり、ていうか…」
言葉足らずだったせいか、妙な言い回しになってしまっていたことに気が付き、瑛貴は慌てて付け加えた。
「学校のころの、友だち、とか? 同級生?」
「学校て! 俺、学校なんて殆ど行ってねぇし。前働いてたとこで知り合ったんだよ。つーか何、お前、依織と何かあったわけ?」
「…何もない」
何だか最近、妙にいろいろあった気がするけれど、実際のところ、依織とは何もない。
まだ2回しか会ったことはないし、メールも電話も殆どしたことがないし。
「アイツもさぁ、依織も、いろいろ複雑なヤツだけど、仲良くしてやってよ」
「え? うん」
泰我がやけに改まって言うので、瑛貴も、そんなこと言われなくても仲良くするつもりだけど…とは言えず、素直に頷いた。
「で、泰我くん、何買うの?」
「あ? これこれ。ホラ」
泰我がポケットの中から、しわの入ったメモを取り出して、瑛貴に渡す。
そこには、キレイとは言い難い字で、買ってくるものリストが記されている。結構な量。
本当にまったく人使いが荒い。
「これからはさぁ、買い出しがあるときは、その分、給料上乗せしてほしいよなぁ」
「買い出し手当とか? いいね、それ。まぁあの綾斗さんが、そんなことしてくれるとは思えないけど」
これも仕事の内だ! の一言で片付けられてしまいそうだ。
綾斗も、決して人が悪いわけではないのだが、殊に金が絡むとシビアになるので、瑛貴くらいのレベルでは、何も太刀打ちできないのだ。
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「綾斗さんに買い物頼まれたんだよ。あれもこれもとか言って、いつの間にかめっちゃ多くなってんの。だからお前も道連れ」
「げぇー」
綾斗は、出勤してから店を空けられないのもあるが、わりと人使いが荒いので、泰我や瑛貴はよくこうして使われている。
用事を言い付けられた泰我は、誰でもいいから一緒に連れて行こうとしたのだが、開店準備をがんばっている若いホストに声をかけるのも悪いし…と思っていたら、バックルームにちょうど瑛貴がいたのだ。
完全なるとばっちりの瑛貴は、渋々と泰我の後に付いていく。
「ねー泰我くーん」
「あぁ?」
少し前を歩く泰我が、振り返りもせず、面倒くさそうに返事をする。
日の暮れ切っていない繁華街は、明るく柔らかな日差しの中で、疎らにネオンが輝いている。また有華に会ったら面倒だな、と思ったが、店の前を通り過ぎても、その姿は見えなかった。
「泰我くんてさぁ、依織とどういう関係なの?」
「はぁ?」
「あ、いや、友だちなのは知ってんだけど、あの、何て言うか……何繋がり、ていうか…」
言葉足らずだったせいか、妙な言い回しになってしまっていたことに気が付き、瑛貴は慌てて付け加えた。
「学校のころの、友だち、とか? 同級生?」
「学校て! 俺、学校なんて殆ど行ってねぇし。前働いてたとこで知り合ったんだよ。つーか何、お前、依織と何かあったわけ?」
「…何もない」
何だか最近、妙にいろいろあった気がするけれど、実際のところ、依織とは何もない。
まだ2回しか会ったことはないし、メールも電話も殆どしたことがないし。
「アイツもさぁ、依織も、いろいろ複雑なヤツだけど、仲良くしてやってよ」
「え? うん」
泰我がやけに改まって言うので、瑛貴も、そんなこと言われなくても仲良くするつもりだけど…とは言えず、素直に頷いた。
「で、泰我くん、何買うの?」
「あ? これこれ。ホラ」
泰我がポケットの中から、しわの入ったメモを取り出して、瑛貴に渡す。
そこには、キレイとは言い難い字で、買ってくるものリストが記されている。結構な量。
本当にまったく人使いが荒い。
「これからはさぁ、買い出しがあるときは、その分、給料上乗せしてほしいよなぁ」
「買い出し手当とか? いいね、それ。まぁあの綾斗さんが、そんなことしてくれるとは思えないけど」
これも仕事の内だ! の一言で片付けられてしまいそうだ。
綾斗も、決して人が悪いわけではないのだが、殊に金が絡むとシビアになるので、瑛貴くらいのレベルでは、何も太刀打ちできないのだ。
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