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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (24)
2010.08.27 Fri
「うー…」
携帯電話を開いたり折り畳んだりしながら、瑛貴は唸り声を上げた。
大体、何を打てばいいかも分からないのに、どうしてメールしようなんて思い付いたのかと思う。
(どうしてって…――――そんなの分かってんだけど…)
なぜ急にメールをしようと思ったのかなんて――――何となくでも何ともない、生来のメール無精がいきなり治ったからでもない、有華の言葉を気にしているからに他ならない。
だって有華が、あまりに浮気だと騒ぎ立てるから、本当のところを知りたくて。
どうして瑛貴と有華、2人が見た男は違うのか。そのどちらとも、恋人同士のように腕を組んで歩いていたのか。
依織の恋人って――――
そう打ち込みそうになって、瑛貴は依織の名前を変換する前に、文章を消した。
全然さり気なくも何ともない、ストレートすぎる言葉を続けてしまいそうで、瑛貴はメールの画面を閉じて、携帯電話も折り畳んだ。
実際のところ、女の子の格好をする依織は、男を恋愛対象としているのかも、瑛貴は知らない。
2人のうち、どちらかが恋人なのかもしれないし、どちらもただの友人なのかもしれないし、どちらも浮気なのかもしれない。
何も知らない。
何も知らない瑛貴が、メールまでして、何を一体聞くつもりなのか。聞いてどうするつもりなのか。
でも聞いてみたい気もするし。
「うぅー…」
依織に、一緒に歩いていた男のことを聞きたいと思う反面、そんなこと聞いてもいいのかと思う気持ちもあって、瑛貴はなかなかメールが打てない。
つくづく不器用な性格をしている自分に、瑛貴は溜め息を零した。
「あぅ~あ~う~あ~」
「何してんだ、お前」
「ぅ~うわぁあわわぁっ!」
瑛貴が1人でジタバタしていたら、バックルームにやって来た泰我に不審そうに声を掛けられて、驚いて携帯電話を投げ出しそうになった。
「え、もう店始まる時間!?」
「違ぇけど。つーかお前、今暇? 暇だよな?」
「え、別に暇じゃ」
開店の準備を手伝わなかったばかりか、もしかして開店時間を過ぎてしまっていたのかと、瑛貴が慌てて携帯電話をしまおうとしたら、どうやらそうではないらしい。
しかも、なぜか勝手に瑛貴を暇だと決め付けた泰我は、瑛貴の言葉に耳を貸す気はないのか、「だったらちょっと付き合え」と立てた親指でドアを指す。
瑛貴は慣れているから平気だけれど、この風体でこのセリフと仕草、知らない人間なら心臓が持たない。
「だから暇じゃないってば」
「こんなとこでボーっとしてたくせに、暇じゃねぇとか言わせねぇ」
「ボーっとしてたわけじゃないもん」
一応、瑛貴なりに一生懸命悩んでいたのに、この言われようはちょっとひどい。
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携帯電話を開いたり折り畳んだりしながら、瑛貴は唸り声を上げた。
大体、何を打てばいいかも分からないのに、どうしてメールしようなんて思い付いたのかと思う。
(どうしてって…――――そんなの分かってんだけど…)
なぜ急にメールをしようと思ったのかなんて――――何となくでも何ともない、生来のメール無精がいきなり治ったからでもない、有華の言葉を気にしているからに他ならない。
だって有華が、あまりに浮気だと騒ぎ立てるから、本当のところを知りたくて。
どうして瑛貴と有華、2人が見た男は違うのか。そのどちらとも、恋人同士のように腕を組んで歩いていたのか。
依織の恋人って――――
そう打ち込みそうになって、瑛貴は依織の名前を変換する前に、文章を消した。
全然さり気なくも何ともない、ストレートすぎる言葉を続けてしまいそうで、瑛貴はメールの画面を閉じて、携帯電話も折り畳んだ。
実際のところ、女の子の格好をする依織は、男を恋愛対象としているのかも、瑛貴は知らない。
2人のうち、どちらかが恋人なのかもしれないし、どちらもただの友人なのかもしれないし、どちらも浮気なのかもしれない。
何も知らない。
何も知らない瑛貴が、メールまでして、何を一体聞くつもりなのか。聞いてどうするつもりなのか。
でも聞いてみたい気もするし。
「うぅー…」
依織に、一緒に歩いていた男のことを聞きたいと思う反面、そんなこと聞いてもいいのかと思う気持ちもあって、瑛貴はなかなかメールが打てない。
つくづく不器用な性格をしている自分に、瑛貴は溜め息を零した。
「あぅ~あ~う~あ~」
「何してんだ、お前」
「ぅ~うわぁあわわぁっ!」
瑛貴が1人でジタバタしていたら、バックルームにやって来た泰我に不審そうに声を掛けられて、驚いて携帯電話を投げ出しそうになった。
「え、もう店始まる時間!?」
「違ぇけど。つーかお前、今暇? 暇だよな?」
「え、別に暇じゃ」
開店の準備を手伝わなかったばかりか、もしかして開店時間を過ぎてしまっていたのかと、瑛貴が慌てて携帯電話をしまおうとしたら、どうやらそうではないらしい。
しかも、なぜか勝手に瑛貴を暇だと決め付けた泰我は、瑛貴の言葉に耳を貸す気はないのか、「だったらちょっと付き合え」と立てた親指でドアを指す。
瑛貴は慣れているから平気だけれど、この風体でこのセリフと仕草、知らない人間なら心臓が持たない。
「だから暇じゃないってば」
「こんなとこでボーっとしてたくせに、暇じゃねぇとか言わせねぇ」
「ボーっとしてたわけじゃないもん」
一応、瑛貴なりに一生懸命悩んでいたのに、この言われようはちょっとひどい。
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