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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (23)
2010.08.26 Thu
「あの…ゴメンね、アッキー。やっぱ言わないほうがよかった?」
「え、いや…」
急に言葉少なになった瑛貴に、有華がしおらしく謝って来た。
先週、彼女を見た~とはしゃいで間もなく、その彼女が別の男と歩いているのを見たのだ。騒ぎたくなるのも分かる。
ただ、そのすべてが誤解なのだけれど。
「有華さん、いろいろ教えてくれて、ありがと。今度会ったとき、聞いてみる」
「今度会ったときじゃ遅いってー。すぐ言わなきゃ!」
「あー…うん、まぁ…」
これで本当に依織が自分の彼女だったら、すぐにでも問い詰めたいところだけれど、依織との関係はそうでない。
何か問い詰めたいのだとしたら、それは本当の恋人のほうだ。
瑛貴と有華、どちらが見た男が依織の本当の恋人か分からないが、2人同時に恋人にはなれないのだから、どちらかが浮気になるわけなのだから。
(いや、でも――――)
もしかしたら、瑛貴が見掛けた恋人とは別れて、今度はうんと年上の恋人が出来たのかもしれない。
あまりにも有華が断定的に言うので、瑛貴もついその気になっていたが、何も依織が浮気をしているとは限らないのだ。
「じゃあ仕事終わったら、聞いてみる。もう仕事行かないと、遅刻するし」
「ギャッ、ホントだぁ!」
別に、仕事が終わってから、このことを依織に聞くつもりはない。
しかしそう言っておかないと、有華の憤りは収められそうにないし、この場の収拾もつかなそうなので。
「じゃあね、アッキー。あ、また情報ゲットしたら、教えるねー」
「えー…」
それは有り難いような、ちょっと困るような、そんな申し出だったが、瑛貴の返事を聞く前に、有華は店へと駆けて行った。
*****
何となく、依織に連絡してみようかなぁ、と瑛貴が思ったのは、最後に依織に会ってから、10日目のことだった。
"最後に会ってから"と言っても、依織にはまだ2回しか会ったことはないけれど。
(でも、何て言おう…)
JADEの開店前、相変わらず無駄に早く出勤した瑛貴は、しかし開店準備には参加せず、バックルームに籠って、携帯電話を片手に頭を悩ませていた。
依織にメールしてみようと思ったものの、何と打ったらいいのか思い付かないという、まったくアホみたいなことで。
瑛貴の場合、携帯電話はもっぱら事務連絡用にしか使っていないので、特に用事がない場合、何を打ったらいいのかよく分からないのだ。
今どきの若者らしくないと言われたって、そう簡単に電話無精もメール無精も治せない。
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「え、いや…」
急に言葉少なになった瑛貴に、有華がしおらしく謝って来た。
先週、彼女を見た~とはしゃいで間もなく、その彼女が別の男と歩いているのを見たのだ。騒ぎたくなるのも分かる。
ただ、そのすべてが誤解なのだけれど。
「有華さん、いろいろ教えてくれて、ありがと。今度会ったとき、聞いてみる」
「今度会ったときじゃ遅いってー。すぐ言わなきゃ!」
「あー…うん、まぁ…」
これで本当に依織が自分の彼女だったら、すぐにでも問い詰めたいところだけれど、依織との関係はそうでない。
何か問い詰めたいのだとしたら、それは本当の恋人のほうだ。
瑛貴と有華、どちらが見た男が依織の本当の恋人か分からないが、2人同時に恋人にはなれないのだから、どちらかが浮気になるわけなのだから。
(いや、でも――――)
もしかしたら、瑛貴が見掛けた恋人とは別れて、今度はうんと年上の恋人が出来たのかもしれない。
あまりにも有華が断定的に言うので、瑛貴もついその気になっていたが、何も依織が浮気をしているとは限らないのだ。
「じゃあ仕事終わったら、聞いてみる。もう仕事行かないと、遅刻するし」
「ギャッ、ホントだぁ!」
別に、仕事が終わってから、このことを依織に聞くつもりはない。
しかしそう言っておかないと、有華の憤りは収められそうにないし、この場の収拾もつかなそうなので。
「じゃあね、アッキー。あ、また情報ゲットしたら、教えるねー」
「えー…」
それは有り難いような、ちょっと困るような、そんな申し出だったが、瑛貴の返事を聞く前に、有華は店へと駆けて行った。
*****
何となく、依織に連絡してみようかなぁ、と瑛貴が思ったのは、最後に依織に会ってから、10日目のことだった。
"最後に会ってから"と言っても、依織にはまだ2回しか会ったことはないけれど。
(でも、何て言おう…)
JADEの開店前、相変わらず無駄に早く出勤した瑛貴は、しかし開店準備には参加せず、バックルームに籠って、携帯電話を片手に頭を悩ませていた。
依織にメールしてみようと思ったものの、何と打ったらいいのか思い付かないという、まったくアホみたいなことで。
瑛貴の場合、携帯電話はもっぱら事務連絡用にしか使っていないので、特に用事がない場合、何を打ったらいいのかよく分からないのだ。
今どきの若者らしくないと言われたって、そう簡単に電話無精もメール無精も治せない。
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