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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (22)
2010.08.25 Wed
「先週アッキー、一緒に歩いてたじゃん。真美ちゃんも、駅でバイバイしてんの見たって」
「え? え? あっ…あれは!」
そこまで言われて、瑛貴は漸く気が付いた。
有華は、依織が瑛貴の彼女だと思い込んでいるのだ。
この間、真美と一緒に有華に聞かれたとき、あれ以上深く追及されることもないと思って、誤解を解かないまま話を終わらせてしまっていたのだ。
「ちが、だからあの子は、」
「あの子、昨日、アッキーじゃない男の人と一緒に歩いてたんだよー、腕組んで」
「いや、だから!」
有華は、瑛貴の彼女だと思い込んでいる依織の浮気を指摘したいのだろうが、その相手は恐らく、先日瑛貴も見掛けた、依織の本当の恋人だろう。
本当の恋人同士なのだから、腕だって組むに決まっている。
「だからあたしー、アッキーちゃんと彼女と会って、ラブラブしてんのかな? て心配になっちゃったわけ!」
「あ、はは…そう…」
もう、苦笑いするしかない。
もし一緒に歩いているところだけで、そんなふうに判断されてしまうのだとしたら、瑛貴のほうが依織の浮気相手になってしまう。
まったく全然そんなことはないけれど、依織の彼氏に申し訳ないことをしてしまった。
「だってさぁ、その人、アッキーと全然雰囲気違うんだもん。アッキーがちゃんとラブラブしてあげないから、違うタイプに走っちゃったのかなぁ、て」
「いや、あのね、」
想像の世界で、勝手にどんどん話を広げていく有華に、瑛貴は頭を抱えたくなった。
こんなことなら、あのときちゃんと誤解を解いておけばよかった。
「だぁーってさぁ、一緒に歩いてんの、めっちゃオッサンなんだもん。いきなりフケ専に走り過ぎ! て思っちゃったぁ」
「はぇ? え? オッサン?」
「そぉー。40後半くらい?」
「え? え?」
確かに、見た目と実際の年齢に大きなギャップがある人はいるけれど、瑛貴が先日見掛けた依織の恋人らしき男は、どう見ても40代後半には見えない。
仕事柄、有華の眼力が優れているとしても、今の彼女の言い方からして、見掛けた男は、"見た目は若いが実は40代後半"ではなく、"見た目が40代後半"ということだろう。
とすれば、瑛貴と有華の思い浮かべている人物像は、あまりにかけ離れている。
「ねぇねぇ有華さん、それって、どんな感じの人? 背が高くて、スラっとした感じの人じゃなかった?」
「えー、そんな感じじゃなかったよぉ。背は普通くらい? だって彼女さんと同じくらいだったしー。てか悪いけど、スラってゆーより、何か野暮ったい感じのリーマンだった」
「…………、そう…」
有華から聞けば聞くほど、瑛貴の脳裏に思い出される男とは違うことばかりで、やはりそれが同一人物とは思い難かった。
年齢的に言えば、父親と言っても苦しくはないが、有華が浮気だと思ったということは、雰囲気は恋人同士だったわけで、その相手が父親だとは考えにくい。
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「え? え? あっ…あれは!」
そこまで言われて、瑛貴は漸く気が付いた。
有華は、依織が瑛貴の彼女だと思い込んでいるのだ。
この間、真美と一緒に有華に聞かれたとき、あれ以上深く追及されることもないと思って、誤解を解かないまま話を終わらせてしまっていたのだ。
「ちが、だからあの子は、」
「あの子、昨日、アッキーじゃない男の人と一緒に歩いてたんだよー、腕組んで」
「いや、だから!」
有華は、瑛貴の彼女だと思い込んでいる依織の浮気を指摘したいのだろうが、その相手は恐らく、先日瑛貴も見掛けた、依織の本当の恋人だろう。
本当の恋人同士なのだから、腕だって組むに決まっている。
「だからあたしー、アッキーちゃんと彼女と会って、ラブラブしてんのかな? て心配になっちゃったわけ!」
「あ、はは…そう…」
もう、苦笑いするしかない。
もし一緒に歩いているところだけで、そんなふうに判断されてしまうのだとしたら、瑛貴のほうが依織の浮気相手になってしまう。
まったく全然そんなことはないけれど、依織の彼氏に申し訳ないことをしてしまった。
「だってさぁ、その人、アッキーと全然雰囲気違うんだもん。アッキーがちゃんとラブラブしてあげないから、違うタイプに走っちゃったのかなぁ、て」
「いや、あのね、」
想像の世界で、勝手にどんどん話を広げていく有華に、瑛貴は頭を抱えたくなった。
こんなことなら、あのときちゃんと誤解を解いておけばよかった。
「だぁーってさぁ、一緒に歩いてんの、めっちゃオッサンなんだもん。いきなりフケ専に走り過ぎ! て思っちゃったぁ」
「はぇ? え? オッサン?」
「そぉー。40後半くらい?」
「え? え?」
確かに、見た目と実際の年齢に大きなギャップがある人はいるけれど、瑛貴が先日見掛けた依織の恋人らしき男は、どう見ても40代後半には見えない。
仕事柄、有華の眼力が優れているとしても、今の彼女の言い方からして、見掛けた男は、"見た目は若いが実は40代後半"ではなく、"見た目が40代後半"ということだろう。
とすれば、瑛貴と有華の思い浮かべている人物像は、あまりにかけ離れている。
「ねぇねぇ有華さん、それって、どんな感じの人? 背が高くて、スラっとした感じの人じゃなかった?」
「えー、そんな感じじゃなかったよぉ。背は普通くらい? だって彼女さんと同じくらいだったしー。てか悪いけど、スラってゆーより、何か野暮ったい感じのリーマンだった」
「…………、そう…」
有華から聞けば聞くほど、瑛貴の脳裏に思い出される男とは違うことばかりで、やはりそれが同一人物とは思い難かった。
年齢的に言えば、父親と言っても苦しくはないが、有華が浮気だと思ったということは、雰囲気は恋人同士だったわけで、その相手が父親だとは考えにくい。
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