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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (20)
2010.08.23 Mon
真美が登場して、有華の誤解が解けると思いきや、真美のほうも、とんでもないことを言い出してくれる。
瑛貴は思わず声を張り上げてしまった。
内勤とはいえ、瑛貴はホストクラブに勤めているし、歩いていた時間も閉店後だったから、アフターなのだと有華が勘違いしたのはまだ分かるとして、真美は一体何を思って、彼女だなどと言うのだろうか。しかもそんなに自信たっぷりに。
しかも、必死に瑛貴が否定するにもかかわらず、有華はなぜか真美の言葉のほうしか信じない。
「だって昨日アッキー、その子とホームんとこでバイバイしてたじゃん。ダメよぉ、彼女に見送りされてちゃ。ちゃんと彼女、お家まで送ってあげないと」
「いや、だから!」
どうやら真美のほうは、瑛貴が終電に乗るとき、依織と別れるところを見ていたらしい。
あんなに混雑しているホームだったのに、何というタイミングだ。
「えぇーアッキー彼女いたの~?」
「だからー!」
真美の言葉をすっかり信じてしまったのか、有華は大げさに騒ぎ出す。
確かに瑛貴に彼女はいるが、それは真夕子であって、依織ではない。というか、依織は女の子ではないのに。
「別に隠さなくたっていいよぉ。アッキーに彼女いたって、ちゃんとJADEには通うから~」
「そうじゃなくて! 大体アイツ、おと…、――――ぁ…」
「ぅん?」
「あ…いや…」
依織は男なんだと言おうとして、瑛貴ははたと口を噤んだ。
瑛貴だって、依織が本当は男だということを、本人が肯定しても俄かには信じられなかったのだ。事情を知らない有華や真美が、瑛貴が言ったくらいで信用するとも思えない。
それに、そんなことを瑛貴が勝手にバラしてしまっていいのかとも思う。
七槻に女装を見破られたとき、泰我がいたから隠しても仕方ないと思ったのか、依織はごまかさなかったけれど、バレなければ、自分からいちいち明かさないだろう。
それを本人のいないところで、勝手に露見させてしまうというのも。
「アッキーて、あーゆー子がタイプなんだぁ」
「ちが…」
「彼女、もっとお姉さんタイプかと思ってたー」
「あ、私も!」
「…」
瑛貴がうまく否定できないものだから、2人の中で、瑛貴の彼女は依織ということになってしまっている。
困ったなぁ…と思いつつ、この2人が依織と話をする機会はないだろうし、真夕子と会うこともないだろうから、面倒くさいし、無理に誤解を解かなくてもいいか、と瑛貴は思い始めた。
昨日たまたま瑛貴が女の子(の格好をした依織)と歩いていたから、好奇心で話し掛けて来たのだろうけど、別に瑛貴の彼女がどこの誰だということまで追及する気はないだろうから。
「あのっ、もうホント、その話題は勘弁してください…! てかもう時間になるんで、俺っ…」
「あーアッキーが逃げたぁ~」
「お店で待ってますんでっ!」
瑛貴は深々と頭を下げると、2人から逃げるように走り出せば、有華と真美は、笑いながら手を振っていた。
それにしても、この狭い街で、瑛貴が依織と歩いている姿を、知り合いにまったく見られないとは思っていなかったが、まさかそのことをわざわざ話してくる人がいるとは、思ってもみなかった。
七槻が気を付けろと言っていたのは、こういうことだったのか。
でもまぁこんな話題、どうせすぐに忘れ去られてしまうに決まっている。何も気にすることはないだろう。
瑛貴はそう思って、店へと向かった。
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瑛貴は思わず声を張り上げてしまった。
内勤とはいえ、瑛貴はホストクラブに勤めているし、歩いていた時間も閉店後だったから、アフターなのだと有華が勘違いしたのはまだ分かるとして、真美は一体何を思って、彼女だなどと言うのだろうか。しかもそんなに自信たっぷりに。
しかも、必死に瑛貴が否定するにもかかわらず、有華はなぜか真美の言葉のほうしか信じない。
「だって昨日アッキー、その子とホームんとこでバイバイしてたじゃん。ダメよぉ、彼女に見送りされてちゃ。ちゃんと彼女、お家まで送ってあげないと」
「いや、だから!」
どうやら真美のほうは、瑛貴が終電に乗るとき、依織と別れるところを見ていたらしい。
あんなに混雑しているホームだったのに、何というタイミングだ。
「えぇーアッキー彼女いたの~?」
「だからー!」
真美の言葉をすっかり信じてしまったのか、有華は大げさに騒ぎ出す。
確かに瑛貴に彼女はいるが、それは真夕子であって、依織ではない。というか、依織は女の子ではないのに。
「別に隠さなくたっていいよぉ。アッキーに彼女いたって、ちゃんとJADEには通うから~」
「そうじゃなくて! 大体アイツ、おと…、――――ぁ…」
「ぅん?」
「あ…いや…」
依織は男なんだと言おうとして、瑛貴ははたと口を噤んだ。
瑛貴だって、依織が本当は男だということを、本人が肯定しても俄かには信じられなかったのだ。事情を知らない有華や真美が、瑛貴が言ったくらいで信用するとも思えない。
それに、そんなことを瑛貴が勝手にバラしてしまっていいのかとも思う。
七槻に女装を見破られたとき、泰我がいたから隠しても仕方ないと思ったのか、依織はごまかさなかったけれど、バレなければ、自分からいちいち明かさないだろう。
それを本人のいないところで、勝手に露見させてしまうというのも。
「アッキーて、あーゆー子がタイプなんだぁ」
「ちが…」
「彼女、もっとお姉さんタイプかと思ってたー」
「あ、私も!」
「…」
瑛貴がうまく否定できないものだから、2人の中で、瑛貴の彼女は依織ということになってしまっている。
困ったなぁ…と思いつつ、この2人が依織と話をする機会はないだろうし、真夕子と会うこともないだろうから、面倒くさいし、無理に誤解を解かなくてもいいか、と瑛貴は思い始めた。
昨日たまたま瑛貴が女の子(の格好をした依織)と歩いていたから、好奇心で話し掛けて来たのだろうけど、別に瑛貴の彼女がどこの誰だということまで追及する気はないだろうから。
「あのっ、もうホント、その話題は勘弁してください…! てかもう時間になるんで、俺っ…」
「あーアッキーが逃げたぁ~」
「お店で待ってますんでっ!」
瑛貴は深々と頭を下げると、2人から逃げるように走り出せば、有華と真美は、笑いながら手を振っていた。
それにしても、この狭い街で、瑛貴が依織と歩いている姿を、知り合いにまったく見られないとは思っていなかったが、まさかそのことをわざわざ話してくる人がいるとは、思ってもみなかった。
七槻が気を付けろと言っていたのは、こういうことだったのか。
でもまぁこんな話題、どうせすぐに忘れ去られてしまうに決まっている。何も気にすることはないだろう。
瑛貴はそう思って、店へと向かった。
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