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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (19)
2010.08.22 Sun
* * * * *
相変わらず瑛貴の出勤は早い。
たまには開店準備を休んでもいいと、代表の綾斗に言わしめるくらいに。
「アッキー! アッキーアッキー!」
「はぇ? あ、有華(ゆか)さん。おはよーございます」
まったく元気いっぱいに瑛貴を呼んだのは、JADEの隣の隣のビルに入っているキャバクラで働いている有華だった。
ハーフアップした髪と煌びやかな装いは、これから出勤するところなのだろう。よく転ばないな、という高いヒールの靴を履きながら、瑛貴に駆け寄ってきた。
「アッキー、いつからアフターなんてするようになったの~? あたしが指名しても、いっつも全然席に来てくんないのに~」
「はい?」
笑いながらも悔しがる素振りを見せる有華に、瑛貴は本気で頭の中をクエッションマークだらけにする。
内勤である瑛貴を指名したがる客は時々いるが、瑛貴は有華に限らず、指名されても誰の席にも着いたことがないし、もちろん閉店後にアフターに付き合ったこともない。
それどころか、優輝にからかわれるくらい、まっすぐに終電の待つホームへと向かっているのに。
「え、有華さん、何の話?」
「昨日の話ー。アッキーがかわいい子連れて歩いてんの、あたし見たんだからぁ」
「え? え? 昨日? ――――あっ…」
そういえば、昨日は依織と一緒に駅まで行ったのだ。有華が言いたいのは、そのことなのだろうと、瑛貴は漸く気が付いた。
しかし、確かに女の子の格好をした依織はかわいいけれど、有華が言う『かわいい子』の意味とは違う。
「やっぱアフターだったんだー。アッキーいつからホストに転身したの~? 今度あたしにも付き合ってくれるぅ?」
「いや、だからあの子はお客じゃなくて」
瑛貴は慌てて否定する。
依織はお客ではないし、しかも瑛貴もホストになってはいない。
この誤解を解いておかないと、次に有華がJADEに来たとき、またややこしいことになってしまう。
「有華~、違うわよー」
「あ、真美(まみ)ちゃん」
今度あたしも指名する~、と瑛貴に腕を絡ませている有華に、同じ店で働く真美が近寄って来て否定してくれたので、瑛貴はホッとする。
今の有華には、瑛貴が何を言っても通用しない気がするから。
「有華が言ってんの、昨日、アッキーが一緒に歩いてた子でしょ? ピンクのワンピ着た」
「そうそう、仕事終わった後、一緒に歩いてたからぁ、アッキー、アフターするようになったんだーて思ったのー。違うのぉ?」
有華は、語尾を甘ったるく伸ばしながら、かわいらしく小首を傾げている。
「有華、違うよ、あれ、アッキーの彼女だもん」
「ウッソ、そうなのぉ?」
「えーーーー違うし!」
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相変わらず瑛貴の出勤は早い。
たまには開店準備を休んでもいいと、代表の綾斗に言わしめるくらいに。
「アッキー! アッキーアッキー!」
「はぇ? あ、有華(ゆか)さん。おはよーございます」
まったく元気いっぱいに瑛貴を呼んだのは、JADEの隣の隣のビルに入っているキャバクラで働いている有華だった。
ハーフアップした髪と煌びやかな装いは、これから出勤するところなのだろう。よく転ばないな、という高いヒールの靴を履きながら、瑛貴に駆け寄ってきた。
「アッキー、いつからアフターなんてするようになったの~? あたしが指名しても、いっつも全然席に来てくんないのに~」
「はい?」
笑いながらも悔しがる素振りを見せる有華に、瑛貴は本気で頭の中をクエッションマークだらけにする。
内勤である瑛貴を指名したがる客は時々いるが、瑛貴は有華に限らず、指名されても誰の席にも着いたことがないし、もちろん閉店後にアフターに付き合ったこともない。
それどころか、優輝にからかわれるくらい、まっすぐに終電の待つホームへと向かっているのに。
「え、有華さん、何の話?」
「昨日の話ー。アッキーがかわいい子連れて歩いてんの、あたし見たんだからぁ」
「え? え? 昨日? ――――あっ…」
そういえば、昨日は依織と一緒に駅まで行ったのだ。有華が言いたいのは、そのことなのだろうと、瑛貴は漸く気が付いた。
しかし、確かに女の子の格好をした依織はかわいいけれど、有華が言う『かわいい子』の意味とは違う。
「やっぱアフターだったんだー。アッキーいつからホストに転身したの~? 今度あたしにも付き合ってくれるぅ?」
「いや、だからあの子はお客じゃなくて」
瑛貴は慌てて否定する。
依織はお客ではないし、しかも瑛貴もホストになってはいない。
この誤解を解いておかないと、次に有華がJADEに来たとき、またややこしいことになってしまう。
「有華~、違うわよー」
「あ、真美(まみ)ちゃん」
今度あたしも指名する~、と瑛貴に腕を絡ませている有華に、同じ店で働く真美が近寄って来て否定してくれたので、瑛貴はホッとする。
今の有華には、瑛貴が何を言っても通用しない気がするから。
「有華が言ってんの、昨日、アッキーが一緒に歩いてた子でしょ? ピンクのワンピ着た」
「そうそう、仕事終わった後、一緒に歩いてたからぁ、アッキー、アフターするようになったんだーて思ったのー。違うのぉ?」
有華は、語尾を甘ったるく伸ばしながら、かわいらしく小首を傾げている。
「有華、違うよ、あれ、アッキーの彼女だもん」
「ウッソ、そうなのぉ?」
「えーーーー違うし!」
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