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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (18)
2010.08.21 Sat
「さっきまで近くで遊んでて、そういえばアッキー、そろそろ仕事終わるかなって思ってね、来てみたの」
「そうなんだ」
「アッキーもう帰んの? あ、終電?」
「え、あ、うん…。依織は?」
遊びの帰りとはいえ、わざわざ会いに来てくれた依織と、このままバイバイするのはちょっと寂しい。
「アッキーが帰るなら、俺も帰ろうかな。駅まで一緒に行こうよ」
「うん」
2人で並んで駅まで行くのは、初めて会った日と同じだ。
駅までの道は、遠くない。
「ねぇ、依織って、いっつもこの辺で遊んでんの?」
「えっ? 何、急に」
「俺、仕事終わるとすぐ帰っちゃう人なんだけど、一緒に働いてるヤツに、終電逃したら朝までオールで遊べばいいじゃん、とか言われちゃってさー」
「アッキー、あんまオールとかしないの?」
「あんま。しかも普段、駅と店の往復しかしないから、この辺、全然知らないの。依織、近くで遊んでたんだろ? 普段からよく来んのかな、て思って」
「あ…そういうこと。いやそんな、この辺に詳しくて遊び慣れてるヤツが、あんなよく分かんないヤツらに絡まれると思う? 今日はたまたまだよ」
依織が首を振って答えれば、瑛貴が、依織が詳しかったら教えてもらおうと思ったのにー、などと言い出すので、思わず笑ってしまった。
いくら普段あまり遊ばずに終電で帰るのだとしても、ほぼ毎日通っている人間が、そこまで知らないはずもないだろうに。
「アッキー何線? 俺、ホームまでお見送りしちゃおっかな」
「え、それでお前、間に合うの? ここまで来といて乗り遅れたとか、超間抜けじゃね?」
嬉しい申し出だけど、それで依織が乗り遅れてしまったのでは申し訳ない。
しかし依織は、大丈夫! と携帯電話で時間を確認しながら言い、冗談でなく本当に改札を抜けた後、瑛貴が電車に乗るホームまで一緒に来てしまった。
「アッキー、今度もっとちゃんと時間があるときさー、遊ぼうよ。オールとかじゃなくていいから」
「いーよ」
「ホントー? 約束だよっ?」
依織は無邪気に笑う。
間もなく電車が来るとアナウンスが入る。終電を待つホームは混雑している。きっと依織が乗る電車もこんなだろうから、本当は少しでも早くホームへ向かったほうがいいのに。
「じゃあね」
「アッキー、バイバーイ」
傍から見たら、女の子に見送りされる男って何なんだ? とか思われてるんだろうなぁ、などと思いつつ、瑛貴は酒臭い車内に乗り込む。
(いや、依織は女じゃねぇけど)
扉が閉じて、発車する。
依織の姿が遠くなる。
瑛貴はドアに寄り掛かって、目を閉じた。
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「そうなんだ」
「アッキーもう帰んの? あ、終電?」
「え、あ、うん…。依織は?」
遊びの帰りとはいえ、わざわざ会いに来てくれた依織と、このままバイバイするのはちょっと寂しい。
「アッキーが帰るなら、俺も帰ろうかな。駅まで一緒に行こうよ」
「うん」
2人で並んで駅まで行くのは、初めて会った日と同じだ。
駅までの道は、遠くない。
「ねぇ、依織って、いっつもこの辺で遊んでんの?」
「えっ? 何、急に」
「俺、仕事終わるとすぐ帰っちゃう人なんだけど、一緒に働いてるヤツに、終電逃したら朝までオールで遊べばいいじゃん、とか言われちゃってさー」
「アッキー、あんまオールとかしないの?」
「あんま。しかも普段、駅と店の往復しかしないから、この辺、全然知らないの。依織、近くで遊んでたんだろ? 普段からよく来んのかな、て思って」
「あ…そういうこと。いやそんな、この辺に詳しくて遊び慣れてるヤツが、あんなよく分かんないヤツらに絡まれると思う? 今日はたまたまだよ」
依織が首を振って答えれば、瑛貴が、依織が詳しかったら教えてもらおうと思ったのにー、などと言い出すので、思わず笑ってしまった。
いくら普段あまり遊ばずに終電で帰るのだとしても、ほぼ毎日通っている人間が、そこまで知らないはずもないだろうに。
「アッキー何線? 俺、ホームまでお見送りしちゃおっかな」
「え、それでお前、間に合うの? ここまで来といて乗り遅れたとか、超間抜けじゃね?」
嬉しい申し出だけど、それで依織が乗り遅れてしまったのでは申し訳ない。
しかし依織は、大丈夫! と携帯電話で時間を確認しながら言い、冗談でなく本当に改札を抜けた後、瑛貴が電車に乗るホームまで一緒に来てしまった。
「アッキー、今度もっとちゃんと時間があるときさー、遊ぼうよ。オールとかじゃなくていいから」
「いーよ」
「ホントー? 約束だよっ?」
依織は無邪気に笑う。
間もなく電車が来るとアナウンスが入る。終電を待つホームは混雑している。きっと依織が乗る電車もこんなだろうから、本当は少しでも早くホームへ向かったほうがいいのに。
「じゃあね」
「アッキー、バイバーイ」
傍から見たら、女の子に見送りされる男って何なんだ? とか思われてるんだろうなぁ、などと思いつつ、瑛貴は酒臭い車内に乗り込む。
(いや、依織は女じゃねぇけど)
扉が閉じて、発車する。
依織の姿が遠くなる。
瑛貴はドアに寄り掛かって、目を閉じた。
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