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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (15)
2010.08.18 Wed
今日までに何度かやり取りした真夕子のメールには、瑛貴が駅まで依織を送って行った話題は出て来なかった。
真夕子はまだ知らないのだろうか。
いやそれ以前に、瑛貴と依織が駅に向かう姿を街の大勢に見られたとしても、その中に真夕子の知り合いでもいなければ、話が伝わるはずもないのだ。
それに、いくら依織が女の子に見えたとしても、実際はそうでないんだから、一緒に歩いていたことを、変な意味に誤解されるまでもない。
いや、もし依織が本当に女の子だとしても、その直前に柄の悪い連中に絡まれていたことを思えば、駅まで送っていくのは浮気以前の問題だ。
七槻が意味深に言うものだから、ついいろいろ考えてしまったが、別に何も気にすることはないのだと、瑛貴は思い直した。
大体、依織は男だ。
瑛貴は同性愛への理解はあるけれど、自分自身もそうかと言えば、恋愛対象は男ではなくやはり女なので、依織とは友だち以上の関係になんて、なりっこないのだ。
「あ…」
お腹空いたなー、真夕ちゃん遅いなー、と、待ち合わせた駅前で瑛貴がのん気に思っていたら、駅から溢れてくる人波の中に見知った顔を見つけた。
女の子の格好をしているが、あれは依織だ。
というか、女装以外の姿を見たことがないから、逆に男の格好をしていたら気付かなかったかもしれない。
声を掛けられるような距離ではないのに、何とはなしに依織を目で追っていた瑛貴は、その隣を歩く男の姿に気が付いた。
依織と同じくらいの年格好の男は、しかし依織より頭1つ分くらい背が高く、ジーンズTシャツというラフなカジュアルスタイルながら、スタイリッシュな雰囲気がある。
友だちかもしれないけれど、しかし依織はまるで恋人にするように、その男と腕を組んでいる。というか、依織は女の子の格好をしているから、普通に恋人同士に見える。
(えーっと…どういうこと??)
依織は普段から女の子の格好をする人で、しかも実は同性を恋愛対象とする人で、隣を歩く男性は、依織の恋人なのだろうか。
依織は、いつも誰かに優しくされたくて女の子の格好をしていると言ったけれど、もしかしたらあの人と付き合いたくて、あの人に優しくされたくて、女装しているのかもしれない。
(あの人、依織が本当は男だって知ってんのかな)
知っていてあんなふうに腕を組んで歩いているのなら、恋人なのだろう。
でももし知らないのだとしたら、依織は女の子だと偽って一緒にいるのだろうか。
(いや別にいいんだけど)
依織とは、友だちにはなったけれど、実際に会ったのはまだ1回きりで、互いのことなど何も知らない関係で、依織に恋人がいるかどうかなんて知る由もなくて、第一瑛貴だって、真夕子のことを依織には話していない。
大体、女子高生でもないんだから、いちいち恋人の有無を友だちになんか話さない。
「アッキー、お待たせ」
「うわぁーっ!」
依織の姿はもうなくて、しかし瑛貴は頭の中で依織のことをぼんやり考えていたものだから、真夕子が来ていたことに気付かずに、肩を叩かれたのに驚いて、素っ頓狂な声を上げてしまった。
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真夕子はまだ知らないのだろうか。
いやそれ以前に、瑛貴と依織が駅に向かう姿を街の大勢に見られたとしても、その中に真夕子の知り合いでもいなければ、話が伝わるはずもないのだ。
それに、いくら依織が女の子に見えたとしても、実際はそうでないんだから、一緒に歩いていたことを、変な意味に誤解されるまでもない。
いや、もし依織が本当に女の子だとしても、その直前に柄の悪い連中に絡まれていたことを思えば、駅まで送っていくのは浮気以前の問題だ。
七槻が意味深に言うものだから、ついいろいろ考えてしまったが、別に何も気にすることはないのだと、瑛貴は思い直した。
大体、依織は男だ。
瑛貴は同性愛への理解はあるけれど、自分自身もそうかと言えば、恋愛対象は男ではなくやはり女なので、依織とは友だち以上の関係になんて、なりっこないのだ。
「あ…」
お腹空いたなー、真夕ちゃん遅いなー、と、待ち合わせた駅前で瑛貴がのん気に思っていたら、駅から溢れてくる人波の中に見知った顔を見つけた。
女の子の格好をしているが、あれは依織だ。
というか、女装以外の姿を見たことがないから、逆に男の格好をしていたら気付かなかったかもしれない。
声を掛けられるような距離ではないのに、何とはなしに依織を目で追っていた瑛貴は、その隣を歩く男の姿に気が付いた。
依織と同じくらいの年格好の男は、しかし依織より頭1つ分くらい背が高く、ジーンズTシャツというラフなカジュアルスタイルながら、スタイリッシュな雰囲気がある。
友だちかもしれないけれど、しかし依織はまるで恋人にするように、その男と腕を組んでいる。というか、依織は女の子の格好をしているから、普通に恋人同士に見える。
(えーっと…どういうこと??)
依織は普段から女の子の格好をする人で、しかも実は同性を恋愛対象とする人で、隣を歩く男性は、依織の恋人なのだろうか。
依織は、いつも誰かに優しくされたくて女の子の格好をしていると言ったけれど、もしかしたらあの人と付き合いたくて、あの人に優しくされたくて、女装しているのかもしれない。
(あの人、依織が本当は男だって知ってんのかな)
知っていてあんなふうに腕を組んで歩いているのなら、恋人なのだろう。
でももし知らないのだとしたら、依織は女の子だと偽って一緒にいるのだろうか。
(いや別にいいんだけど)
依織とは、友だちにはなったけれど、実際に会ったのはまだ1回きりで、互いのことなど何も知らない関係で、依織に恋人がいるかどうかなんて知る由もなくて、第一瑛貴だって、真夕子のことを依織には話していない。
大体、女子高生でもないんだから、いちいち恋人の有無を友だちになんか話さない。
「アッキー、お待たせ」
「うわぁーっ!」
依織の姿はもうなくて、しかし瑛貴は頭の中で依織のことをぼんやり考えていたものだから、真夕子が来ていたことに気付かずに、肩を叩かれたのに驚いて、素っ頓狂な声を上げてしまった。
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