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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (14)
2010.08.17 Tue
* * * * *
恋人である真夕子(まゆこ)は、瑛貴より2つ年上で、水商売には縁のない普通のOLだ。
それほど気乗りせずに参加した合コンで知り合って、でもなぜか不思議と気が合って、それからの付き合い。もうすぐ1年。
真夕子は普通のOLだから、平日の昼間は仕事をしているけれど、それに対して瑛貴は夜のお仕事だから、彼女が帰宅する時間に出勤する。
恋人としては、すれ違いの生活かもしれないけれど、お互いの時間を調整して、一緒にいる時間を作る努力はしていると思う。
だから、七槻の言葉を気にしたのではない。断じてそんなことはない。
誰に何か言われたわけでもないのに、瑛貴は心の中で言い訳しながら、真夕子へメールを送ったのが、依織を駅まで送った日の翌日。
真夕子の昼休みの時間を狙ってメールを送り、あまり連絡を取れずにいたことを詫びてデートのお誘いをすれば、拍子抜けするほどあっさりとOKの返事が来た。
(…七槻くん、大げさなんだから)
真夕子を待ちながら、瑛貴は、彼女に勘違いされないようにと言った七槻のことを思い出した。
彼女を大事にしろとか、いつも違う女の子や男の子と一緒にいる七槻に言われたくない。
(んー……もし俺が、普通に会社とか入ってたら、こんな感じだったのかなー)
通り過ぎていくサラリーマンを目の端で追い掛けながら、瑛貴はふと思った。
デートの待ち合わせは彼女の仕事が終わる時間で、普段なら瑛貴はもうJADEにいるから、仕事を終えたサラリーマンやOLが溢れるオフィス街は、かえって新鮮な感じがする。
もし面接を受けた会社に合格していたら、今ごろはあんなふうにサラリーマンになっていたのだろう。
(だとしたら、こういうスーツじゃまずいんだろうけど)
相変わらず瑛貴のスーツ姿は七五三としか言いようがないのだが、仕事柄、スーツなら何着か持っている。
ただその仕様が、普通のサラリーマンが着るようなトラッド系ではないので、スーツを着ているとはいえ、オフィス街で、瑛貴の姿は若干浮いている。
大体今日は仕事でないんだから、スーツを着るつもりもなかったのに、真夕子がちょっといいところで食事をしようと言ったので、結局スーツ姿となってしまったのだ。
間違えて仕事行っちゃったらどうすんの? と瑛貴がごねたら、降りるべき駅を丁寧に教えられる始末。
確かに瑛貴の私服といえば、夏ならTシャツにハーフパンツといった具合で、内勤とはいえ、本当にホストクラブに勤めているの? と疑われかねない格好だから、真夕子が何か言いたくなる気持ちも、分からないではないのだが。
(ご飯、どこ行くんだろ)
本当はこんなとき、食事をする場所は男性がリードするものなんだろうけど、女性の喜びそうなおしゃれな店なんてまるで知らない瑛貴は、その辺のところは真夕子に任せ切りだ。
『つーか彼女さん、そんなんでよく瑛貴に愛想尽かさないよな』
『母性本能? よっぽど強いんじゃない? 並大抵の母性じゃ無理だと思う』
全然リード出来ていない瑛貴に、泰我と七槻からは好き放題言われているのだが、それは瑛貴自身が一番よく分かっているので、何も言い返せない。
(…そういえば真夕ちゃん、依織のこと、何も言わなかった)
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恋人である真夕子(まゆこ)は、瑛貴より2つ年上で、水商売には縁のない普通のOLだ。
それほど気乗りせずに参加した合コンで知り合って、でもなぜか不思議と気が合って、それからの付き合い。もうすぐ1年。
真夕子は普通のOLだから、平日の昼間は仕事をしているけれど、それに対して瑛貴は夜のお仕事だから、彼女が帰宅する時間に出勤する。
恋人としては、すれ違いの生活かもしれないけれど、お互いの時間を調整して、一緒にいる時間を作る努力はしていると思う。
だから、七槻の言葉を気にしたのではない。断じてそんなことはない。
誰に何か言われたわけでもないのに、瑛貴は心の中で言い訳しながら、真夕子へメールを送ったのが、依織を駅まで送った日の翌日。
真夕子の昼休みの時間を狙ってメールを送り、あまり連絡を取れずにいたことを詫びてデートのお誘いをすれば、拍子抜けするほどあっさりとOKの返事が来た。
(…七槻くん、大げさなんだから)
真夕子を待ちながら、瑛貴は、彼女に勘違いされないようにと言った七槻のことを思い出した。
彼女を大事にしろとか、いつも違う女の子や男の子と一緒にいる七槻に言われたくない。
(んー……もし俺が、普通に会社とか入ってたら、こんな感じだったのかなー)
通り過ぎていくサラリーマンを目の端で追い掛けながら、瑛貴はふと思った。
デートの待ち合わせは彼女の仕事が終わる時間で、普段なら瑛貴はもうJADEにいるから、仕事を終えたサラリーマンやOLが溢れるオフィス街は、かえって新鮮な感じがする。
もし面接を受けた会社に合格していたら、今ごろはあんなふうにサラリーマンになっていたのだろう。
(だとしたら、こういうスーツじゃまずいんだろうけど)
相変わらず瑛貴のスーツ姿は七五三としか言いようがないのだが、仕事柄、スーツなら何着か持っている。
ただその仕様が、普通のサラリーマンが着るようなトラッド系ではないので、スーツを着ているとはいえ、オフィス街で、瑛貴の姿は若干浮いている。
大体今日は仕事でないんだから、スーツを着るつもりもなかったのに、真夕子がちょっといいところで食事をしようと言ったので、結局スーツ姿となってしまったのだ。
間違えて仕事行っちゃったらどうすんの? と瑛貴がごねたら、降りるべき駅を丁寧に教えられる始末。
確かに瑛貴の私服といえば、夏ならTシャツにハーフパンツといった具合で、内勤とはいえ、本当にホストクラブに勤めているの? と疑われかねない格好だから、真夕子が何か言いたくなる気持ちも、分からないではないのだが。
(ご飯、どこ行くんだろ)
本当はこんなとき、食事をする場所は男性がリードするものなんだろうけど、女性の喜びそうなおしゃれな店なんてまるで知らない瑛貴は、その辺のところは真夕子に任せ切りだ。
『つーか彼女さん、そんなんでよく瑛貴に愛想尽かさないよな』
『母性本能? よっぽど強いんじゃない? 並大抵の母性じゃ無理だと思う』
全然リード出来ていない瑛貴に、泰我と七槻からは好き放題言われているのだが、それは瑛貴自身が一番よく分かっているので、何も言い返せない。
(…そういえば真夕ちゃん、依織のこと、何も言わなかった)
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