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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (13)
2010.08.16 Mon
「依織と! 昨日、あの後、どうしたんだよ。帰ってくんの遅かったじゃん」
「何もないよ。普通に駅まで送っただけだし」
「嘘つけよ、駅まで行ってくんのに、あんなに時間掛かるわけねぇだろ?」
「ちょっと話とかしてたから。つーか七槻くん、重い! せっかく早く来てんだから、開店準備手伝いなよ」
まさか本当に、瑛貴に昨日のことを聞き出すためだけに、早く店に来たとでも言うのだろうか。
うんざりしながら、瑛貴は七槻を引き剥がした。
「あーん、アッキーがつれないよー」
「えっ、えっ、あのっ…」
「七槻くん!」
七槻が拗ねたふりで、そばにいた若いホストに甘えるように縋り付く。
あまりに突然の出来事に、その若いホストの思考回路はフリーズしたのか、突っ立ったまま身動き1つ出来なくなってしまっているので、仕方なく瑛貴が救出してあげた。
「何してんの、七槻くん」
「アッキーが悪いんじゃん」
「何でっ」
あーもう意味分かんないっ! と、瑛貴は頭を抱える。
しかしここで瑛貴が七槻の相手をしてやらないと、かわいそうな犠牲者が増えるばかりだ。仕方なく瑛貴は七槻を連れて、バックルームへと向かった。
「そんで、そんで? 依織とはどうなったの?」
「だーかーらー、どうともなってません!」
瑛貴は、黒のスーツから、貸与されている制服に着替える。
どうせ制服になるのだから、出勤にスーツでなくても…と思うのだが、瑛貴の場合、そうしたルールがないと、Tシャツ短パンで出勤しかねないので、叔父が厳命しているのだということは、瑛貴の知らないところだ。
「嘘ばっかー。何の下心もなしに送ってったとか、絶対言わせねぇ」
「何で。俺、七槻くんと違って、"男もいける"とかないから。普通に友だちになっただけだから」
「でもお友だちにはなったんだー」
「悪い?」
何でこんなに七槻に絡まれるのか、分からない。
もしかしたら七槻は、本気で依織のことが好きになったのだろうか。
「七槻くん、依織のこと…」
「ぅん?」
「…何でもない」
もし七槻が依織のことを好きなのだとしたら、勝ち目はないなぁ、とか思って、勝ち目って? 別に依織のこと、そういう意味で好きなわけじゃないし! と、瑛貴は一気にいろんなことを考えていたのだ。
のん気に顔を覗き込んで来る七槻の体を押しやって、瑛貴は横を通り過ぎようとする。
「アッキー」
バックルームを出ようとしたところで、七槻に手首を掴まれた。
「何、もう七槻くん、いい加減に…」
「アッキーはさ、意外と…てか、マジで単純な子なんだから、いろいろ気を付けなよ?」
「は? どういう意味? てか単純て……ちょっとひどくない?」
「擦れてないってこと、いい意味で言ったらね。でもそれが裏目に出ることだってあんだから」
「意味分かんないし」
どうして急に七槻がそんなことを言い出したのか、しかもひどく真剣な顔。
瑛貴が困惑気味に押し黙っていたら、七槻は静かに手を解いた。
「アッキー、彼女のこと、大事にしなきゃダメだよ?」
「それ、七槻くんに言われたくないんだけど」
「…だな」
自嘲気味に笑う七槻を残して、瑛貴はバックルームを出た。
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「何もないよ。普通に駅まで送っただけだし」
「嘘つけよ、駅まで行ってくんのに、あんなに時間掛かるわけねぇだろ?」
「ちょっと話とかしてたから。つーか七槻くん、重い! せっかく早く来てんだから、開店準備手伝いなよ」
まさか本当に、瑛貴に昨日のことを聞き出すためだけに、早く店に来たとでも言うのだろうか。
うんざりしながら、瑛貴は七槻を引き剥がした。
「あーん、アッキーがつれないよー」
「えっ、えっ、あのっ…」
「七槻くん!」
七槻が拗ねたふりで、そばにいた若いホストに甘えるように縋り付く。
あまりに突然の出来事に、その若いホストの思考回路はフリーズしたのか、突っ立ったまま身動き1つ出来なくなってしまっているので、仕方なく瑛貴が救出してあげた。
「何してんの、七槻くん」
「アッキーが悪いんじゃん」
「何でっ」
あーもう意味分かんないっ! と、瑛貴は頭を抱える。
しかしここで瑛貴が七槻の相手をしてやらないと、かわいそうな犠牲者が増えるばかりだ。仕方なく瑛貴は七槻を連れて、バックルームへと向かった。
「そんで、そんで? 依織とはどうなったの?」
「だーかーらー、どうともなってません!」
瑛貴は、黒のスーツから、貸与されている制服に着替える。
どうせ制服になるのだから、出勤にスーツでなくても…と思うのだが、瑛貴の場合、そうしたルールがないと、Tシャツ短パンで出勤しかねないので、叔父が厳命しているのだということは、瑛貴の知らないところだ。
「嘘ばっかー。何の下心もなしに送ってったとか、絶対言わせねぇ」
「何で。俺、七槻くんと違って、"男もいける"とかないから。普通に友だちになっただけだから」
「でもお友だちにはなったんだー」
「悪い?」
何でこんなに七槻に絡まれるのか、分からない。
もしかしたら七槻は、本気で依織のことが好きになったのだろうか。
「七槻くん、依織のこと…」
「ぅん?」
「…何でもない」
もし七槻が依織のことを好きなのだとしたら、勝ち目はないなぁ、とか思って、勝ち目って? 別に依織のこと、そういう意味で好きなわけじゃないし! と、瑛貴は一気にいろんなことを考えていたのだ。
のん気に顔を覗き込んで来る七槻の体を押しやって、瑛貴は横を通り過ぎようとする。
「アッキー」
バックルームを出ようとしたところで、七槻に手首を掴まれた。
「何、もう七槻くん、いい加減に…」
「アッキーはさ、意外と…てか、マジで単純な子なんだから、いろいろ気を付けなよ?」
「は? どういう意味? てか単純て……ちょっとひどくない?」
「擦れてないってこと、いい意味で言ったらね。でもそれが裏目に出ることだってあんだから」
「意味分かんないし」
どうして急に七槻がそんなことを言い出したのか、しかもひどく真剣な顔。
瑛貴が困惑気味に押し黙っていたら、七槻は静かに手を解いた。
「アッキー、彼女のこと、大事にしなきゃダメだよ?」
「それ、七槻くんに言われたくないんだけど」
「…だな」
自嘲気味に笑う七槻を残して、瑛貴はバックルームを出た。
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