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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (12)
2010.08.15 Sun
「え、何?」
「アッキーて、岩井瑛貴て言うんだ」
「そうだよ」
結局、先ほどは『アッキー』としか名乗っていなかったから、赤外線で送られてきたデータを見て、依織は瑛貴のフルネームに気付いたようだ。
「ねぇ、アッキーていっつもこの時間に出勤して、何時まで仕事してんの? やっぱ朝までとか?」
「うぅん、お店12時までだから。片付けとかしても、終電に間に合う時間に帰れるんだよ? 2部の人は、朝から昼まで働いてるけど」
風適法により、午前0時から日の出までの営業を禁じられているため、JADEも他店同様、二部営業の形態を取り入れていて、瑛貴は夜7時から12時までの1部営業で働いている。
だが今は、深夜営業中止によって落ち込んだ売り上げをカバーするのと、様々な客層に対応するため、日の出から昼までの2部営業もあるのだ。
「じゃあ、昼間は寝てるとか、そんな生活じゃないんだ?」
「昼夜逆転みたいな? 違うよー、ちゃんとお昼前に起きてるし」
いわゆるイメージの世界のホストクラブを、そのまま想像している依織に、瑛貴は笑ってしまう。
ホストクラブに健全か不健全かを言うのも変だが、JADEはわりと健全運営なお店なので、むちゃな勤務時間を強いられることはないのだ。
「もうここまで来れば大丈夫だよ。アッキー、ありがとう」
「あ、うん」
結局、駅の改札口まで一緒に来てしまっていた。
会社帰りのサラリーマンやOLなどで、駅は混雑している。
「じゃあね」
依織は手を振りながら、改札機を抜けていった。
*****
依織を送って店に戻ると、すでに開店時間を過ぎていて、七槻はテーブルに着いていたので、何も聞かれず瑛貴はホッとしていたのだが、翌日、瑛貴が出勤したら、なぜかもう七槻が店にいた。
嫌な予感がして、瑛貴はわざと七槻を避けてバックルームに行こうとしたが、やはりそれは許されなかった。
「アッキー、おはよー」
ニヤニヤした顔の七槻が、背後から肩を組んで来た。
「…おはよーございます」
「んだよ、アッキー。人の顔見て、そーんな嫌そうな顔しなくてもいいんじゃなぁい?」
「別に普通の顔だけど。ていうか七槻くんこそ、何でこんな時間から出勤してんの? 下の子、むだに緊張させないでよ」
瑛貴の表情の意味も、七槻がこんな時間から店に来ている理由も、お互い分かっているうえで、わざとそんなことを言って、相手を牽制する。
「で? それで? どうなったわけ?」
「何が?」
瑛貴の言葉など端から気に掛ける気もないのか、普段はこんな時間にはいない七槻の存在に、若いホストが動揺しているのにも構わず、七槻は瑛貴に絡む。
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「アッキーて、岩井瑛貴て言うんだ」
「そうだよ」
結局、先ほどは『アッキー』としか名乗っていなかったから、赤外線で送られてきたデータを見て、依織は瑛貴のフルネームに気付いたようだ。
「ねぇ、アッキーていっつもこの時間に出勤して、何時まで仕事してんの? やっぱ朝までとか?」
「うぅん、お店12時までだから。片付けとかしても、終電に間に合う時間に帰れるんだよ? 2部の人は、朝から昼まで働いてるけど」
風適法により、午前0時から日の出までの営業を禁じられているため、JADEも他店同様、二部営業の形態を取り入れていて、瑛貴は夜7時から12時までの1部営業で働いている。
だが今は、深夜営業中止によって落ち込んだ売り上げをカバーするのと、様々な客層に対応するため、日の出から昼までの2部営業もあるのだ。
「じゃあ、昼間は寝てるとか、そんな生活じゃないんだ?」
「昼夜逆転みたいな? 違うよー、ちゃんとお昼前に起きてるし」
いわゆるイメージの世界のホストクラブを、そのまま想像している依織に、瑛貴は笑ってしまう。
ホストクラブに健全か不健全かを言うのも変だが、JADEはわりと健全運営なお店なので、むちゃな勤務時間を強いられることはないのだ。
「もうここまで来れば大丈夫だよ。アッキー、ありがとう」
「あ、うん」
結局、駅の改札口まで一緒に来てしまっていた。
会社帰りのサラリーマンやOLなどで、駅は混雑している。
「じゃあね」
依織は手を振りながら、改札機を抜けていった。
*****
依織を送って店に戻ると、すでに開店時間を過ぎていて、七槻はテーブルに着いていたので、何も聞かれず瑛貴はホッとしていたのだが、翌日、瑛貴が出勤したら、なぜかもう七槻が店にいた。
嫌な予感がして、瑛貴はわざと七槻を避けてバックルームに行こうとしたが、やはりそれは許されなかった。
「アッキー、おはよー」
ニヤニヤした顔の七槻が、背後から肩を組んで来た。
「…おはよーございます」
「んだよ、アッキー。人の顔見て、そーんな嫌そうな顔しなくてもいいんじゃなぁい?」
「別に普通の顔だけど。ていうか七槻くんこそ、何でこんな時間から出勤してんの? 下の子、むだに緊張させないでよ」
瑛貴の表情の意味も、七槻がこんな時間から店に来ている理由も、お互い分かっているうえで、わざとそんなことを言って、相手を牽制する。
「で? それで? どうなったわけ?」
「何が?」
瑛貴の言葉など端から気に掛ける気もないのか、普段はこんな時間にはいない七槻の存在に、若いホストが動揺しているのにも構わず、七槻は瑛貴に絡む。
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柚子季杏 ⇒
>風適法により、午前0時から日の出までの営業を禁じられている
Σ(`・ω・屮)屮 オオォォォオォ
そうだったんだ!普通に日の出営業もまだやってると思ってた!
(自分でちゃんと調べろよって感じですよねww)
危ない危ない、直さなきゃ。。。 ←w
どんな風にお話が動いて行くのか、本当気になる~~。
アッキーのぽやんとした感じも可愛くて癒されますね( ´艸`)ムププ♪
Σ(`・ω・屮)屮 オオォォォオォ
そうだったんだ!普通に日の出営業もまだやってると思ってた!
(自分でちゃんと調べろよって感じですよねww)
危ない危ない、直さなきゃ。。。 ←w
どんな風にお話が動いて行くのか、本当気になる~~。
アッキーのぽやんとした感じも可愛くて癒されますね( ´艸`)ムププ♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> >風適法により、午前0時から日の出までの営業を禁じられている
>
> Σ(`・ω・屮)屮 オオォォォオォ
> そうだったんだ!普通に日の出営業もまだやってると思ってた!
> (自分でちゃんと調べろよって感じですよねww)
> 危ない危ない、直さなきゃ。。。 ←w
私も最初調べてて、そうなんだぁ~て思って。
アッキーの仕事時間どうしようて思ってたら、逆にそれでキャラが出来てきました(笑)
今、こういう業界は取り締まりとかが厳しくなってるみたいですね。
> どんな風にお話が動いて行くのか、本当気になる~~。
> アッキーのぽやんとした感じも可愛くて癒されますね( ´艸`)ムププ♪
何だかアッキー、妙にかわいくなっちゃって。
見た目は女の子の依織ちゃんのほうがかわいいはずなんですが(^_^;)
きっとアッキー、がんばってカッコつけてみても、『かわいい』で済まされちゃうんだろうなぁ(笑)
コメントありがとうございました!
>
> Σ(`・ω・屮)屮 オオォォォオォ
> そうだったんだ!普通に日の出営業もまだやってると思ってた!
> (自分でちゃんと調べろよって感じですよねww)
> 危ない危ない、直さなきゃ。。。 ←w
私も最初調べてて、そうなんだぁ~て思って。
アッキーの仕事時間どうしようて思ってたら、逆にそれでキャラが出来てきました(笑)
今、こういう業界は取り締まりとかが厳しくなってるみたいですね。
> どんな風にお話が動いて行くのか、本当気になる~~。
> アッキーのぽやんとした感じも可愛くて癒されますね( ´艸`)ムププ♪
何だかアッキー、妙にかわいくなっちゃって。
見た目は女の子の依織ちゃんのほうがかわいいはずなんですが(^_^;)
きっとアッキー、がんばってカッコつけてみても、『かわいい』で済まされちゃうんだろうなぁ(笑)
コメントありがとうございました!
- |2010.08.15
- |Sun
- |19:16
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- |EDIT|