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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (11)
2010.08.14 Sat
わざわざそんなことを確認してから言い出すなんて、もしかしてとんでもない要求をしてくるのだろうか。
無理だと言ったら、やっぱり男には優しくない! と言われてしまったら―――瑛貴は身構えつつも、足を止めた。
「何、依織」
「あのね。俺、男だけど……アッキー、俺と友だちになってくれる?」
「………………。……は?」
よほどの無理難題を吹っ掛けられるのかと思ったら、まるで想像とは違うことを依織が言うので、拍子抜けついでに思考が止まり掛けた。
しかしポカンとしている瑛貴の態度をどう受け止めたのか、依織が暗い顔をするので、瑛貴は慌てて、そういうつもりではないことを伝える。
「そうじゃなくて! え、依織のお願いて、それ? え? 友だち?」
「…うん。やっぱダメ?」
「何で! 全然ダメじゃないし! てか、何でダメとか思うわけ?」
「だって俺、男だし」
「は? え、別にそれって関係なくね?」
友情にしろ愛情にしろ、つまりはその人と相性がいいかどうかなだけで、性別だけで決める問題ではない気がするのだが。
依織はどうしてか、自分が男であることを大変卑下しているけれど、瑛貴はそういうことで人の好き嫌いなんてしない。
「友だちになろ? 依織」
「うん!」
不安そうな顔をしていた依織が、ようやく笑って頷いたので、瑛貴もホッとした。
「あ、ねぇ依織、また来る? 店」
「んー…でも俺、ホストクラブ行けるほどお金持ってないし…。ゴメンね、せっかく送ってくれたのに、全然お客になれそうもなくて」
「そういうつもりで言ったんじゃなくて、えと、えっと…」
どうやら瑛貴の言葉は、全然うまくない営業トークと思われたらしい。
なり立てとはいえ、友人相手にそんな営業をするつもりはないのだが、まさかそんな勘違いをされるとも思わず、うまい訂正の言葉が出て来ない。
「アッキー?」
「だって……また会うの、だって連絡先とか分かんないし、依織がまた来てくんなきゃ…」
友だちになろうとは言ったものの、結局のところ、瑛貴は依織の名前と泰我の友人であることくらいしか知らないから、依織がまたJADEに来てくれない限り、会うことだって出来ないのだ。
「あぁ、そういうこと? だったらケータイの番号、交換しよ?」
瑛貴の言わんとすることが分かったのか、依織はクスクス笑いながらカバンを探り出した。
いきなり電話番号とか聞くなんて、何かナンパぽいなぁと瑛貴は躊躇ったのだが、別に見知らぬ女の子に声を掛けたわけでもなし、寧ろ、また店に来てと言うより、そのほうがスマートだったかもしれない。
何をするにも不器用な自分に苦笑しつつ、瑛貴は携帯電話を取り出した。
依織の携帯電話はシンプルな黒のもので、それはちょっと、女の子が好んで持ちそうなものとは違う感じ。
赤外線機能で電話番号とメールアドレスを交換すれば、依織は携帯電話を操作しながら、「ふーん」と呟いた。
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無理だと言ったら、やっぱり男には優しくない! と言われてしまったら―――瑛貴は身構えつつも、足を止めた。
「何、依織」
「あのね。俺、男だけど……アッキー、俺と友だちになってくれる?」
「………………。……は?」
よほどの無理難題を吹っ掛けられるのかと思ったら、まるで想像とは違うことを依織が言うので、拍子抜けついでに思考が止まり掛けた。
しかしポカンとしている瑛貴の態度をどう受け止めたのか、依織が暗い顔をするので、瑛貴は慌てて、そういうつもりではないことを伝える。
「そうじゃなくて! え、依織のお願いて、それ? え? 友だち?」
「…うん。やっぱダメ?」
「何で! 全然ダメじゃないし! てか、何でダメとか思うわけ?」
「だって俺、男だし」
「は? え、別にそれって関係なくね?」
友情にしろ愛情にしろ、つまりはその人と相性がいいかどうかなだけで、性別だけで決める問題ではない気がするのだが。
依織はどうしてか、自分が男であることを大変卑下しているけれど、瑛貴はそういうことで人の好き嫌いなんてしない。
「友だちになろ? 依織」
「うん!」
不安そうな顔をしていた依織が、ようやく笑って頷いたので、瑛貴もホッとした。
「あ、ねぇ依織、また来る? 店」
「んー…でも俺、ホストクラブ行けるほどお金持ってないし…。ゴメンね、せっかく送ってくれたのに、全然お客になれそうもなくて」
「そういうつもりで言ったんじゃなくて、えと、えっと…」
どうやら瑛貴の言葉は、全然うまくない営業トークと思われたらしい。
なり立てとはいえ、友人相手にそんな営業をするつもりはないのだが、まさかそんな勘違いをされるとも思わず、うまい訂正の言葉が出て来ない。
「アッキー?」
「だって……また会うの、だって連絡先とか分かんないし、依織がまた来てくんなきゃ…」
友だちになろうとは言ったものの、結局のところ、瑛貴は依織の名前と泰我の友人であることくらいしか知らないから、依織がまたJADEに来てくれない限り、会うことだって出来ないのだ。
「あぁ、そういうこと? だったらケータイの番号、交換しよ?」
瑛貴の言わんとすることが分かったのか、依織はクスクス笑いながらカバンを探り出した。
いきなり電話番号とか聞くなんて、何かナンパぽいなぁと瑛貴は躊躇ったのだが、別に見知らぬ女の子に声を掛けたわけでもなし、寧ろ、また店に来てと言うより、そのほうがスマートだったかもしれない。
何をするにも不器用な自分に苦笑しつつ、瑛貴は携帯電話を取り出した。
依織の携帯電話はシンプルな黒のもので、それはちょっと、女の子が好んで持ちそうなものとは違う感じ。
赤外線機能で電話番号とメールアドレスを交換すれば、依織は携帯電話を操作しながら、「ふーん」と呟いた。
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COMMENT-FORM
あむ。 ⇒
依織ちゃん(ちゃん?)、
きっと過去に何かしら悲しいことがあったのねд)
そして、アッキー……君かわいいな(
依織の過去も気になるし、
泰我くんと依織の関係も結構気になるし、
ナツさんのこれからの行動も気になるし……
あぁっд゚)
頭がパンクしそうです;
頭がパンクしないように、頑張ります(
これからも頑張ってくださいね
きっと過去に何かしら悲しいことがあったのねд)
そして、アッキー……君かわいいな(
依織の過去も気になるし、
泰我くんと依織の関係も結構気になるし、
ナツさんのこれからの行動も気になるし……
あぁっд゚)
頭がパンクしそうです;
頭がパンクしないように、頑張ります(
これからも頑張ってくださいね
- |2010.08.15
- |Sun
- |01:19
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >あむ。さん
Re: タイトルなし
> 依織ちゃん(ちゃん?)、
> きっと過去に何かしら悲しいことがあったのねд)
>
> そして、アッキー……君かわいいな(
アッキー、何だか妙にかわいくなっちゃって。。。
しかも随分な鈍感くんですが、依織ちゃんのこと、ちゃんと分かってあげられるのでしょうか。
> 依織の過去も気になるし、
> 泰我くんと依織の関係も結構気になるし、
> ナツさんのこれからの行動も気になるし……
> あぁっд゚)
> 頭がパンクしそうです;
>
>
>
> 頭がパンクしないように、頑張ります(
> これからも頑張ってくださいね
あわわ。
一気に登場人物が増えましたよね。
しかも、アッキーが鈍感なだけで、他の子はいろいろちゃんと気付いてそうですしね(^_^;)
頭パンクさせないでくださいね~。
いつも温かいお言葉、ありがとうございます(*^_^*)
コメントありがとうございました!
> 依織ちゃん(ちゃん?)、
> きっと過去に何かしら悲しいことがあったのねд)
>
> そして、アッキー……君かわいいな(
アッキー、何だか妙にかわいくなっちゃって。。。
しかも随分な鈍感くんですが、依織ちゃんのこと、ちゃんと分かってあげられるのでしょうか。
> 依織の過去も気になるし、
> 泰我くんと依織の関係も結構気になるし、
> ナツさんのこれからの行動も気になるし……
> あぁっд゚)
> 頭がパンクしそうです;
>
>
>
> 頭がパンクしないように、頑張ります(
> これからも頑張ってくださいね
あわわ。
一気に登場人物が増えましたよね。
しかも、アッキーが鈍感なだけで、他の子はいろいろちゃんと気付いてそうですしね(^_^;)
頭パンクさせないでくださいね~。
いつも温かいお言葉、ありがとうございます(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2010.08.15
- |Sun
- |19:11
- |URL
- |EDIT|