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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (9)
2010.08.12 Thu
「アッキーも泰我くんも、カッコイイお店で働いてるんだね。俺、ホストクラブなんて初めて入ったから、すごいビックリした」
「俺も最初に連れて来られたときは、すげぇビビったよ? うわっ、ホストいっぱいいる、て思った」
「何でアッキーがビビんの? ホストになるつもりで来たのに?」
ホストクラブに来て、ホストがいっぱいいる! という感想もないだろう、依織は声を上げて笑うが、瑛貴の場合、意思に関係なく無理やり連れて来られたところもあるから、最初は本当にビックリしたのだ。
「それに俺、ホストになるつもりないし」
「は? ホストクラブで働いてんのに? え、アッキー、ホストじゃないの?」
「俺、内勤だよ」
「それってホストと違うの? てか、ホストクラブて、ホスト以外の人も働いてんの?」
ホストクラブと言うからには、働いている人は皆ホストだと思っていた依織は、瑛貴の言葉に首を傾げる。
瑛貴も自分が勤めるまで知らなかったのだが、ホストクラブには、ホスト以外にもウェイターや厨房担当、ホストをどのテーブルに着かせるか指示する付け回しや事務作業を行う内勤がいて、店を支えている。
ホストが内勤を兼ねている店もあると言うが、JADEは内勤だけでもそれなりの人数がいる。
「そうなんだ。ねぇねぇ、じゃあやっぱ、泰我くんもホストじゃないんでしょ?」
「うん、あの人も内勤」
「だよねー、変だと思った。泰我くん、あんな怖そうな顔してて、ホストなんて、絶対嘘だー、て思ってたの」
友情に厚くて心優しい泰我だが、見た目は強面なので、ホストというイメージではない。
やっぱりねー、と依織は笑っているが、しかし実は、泰我のことを指名したいと言うお客も、中にはいたりするのだ。
「でもさ、やっぱホストって凄いんだね。あの、七槻さん」
「ぅん?」
七槻からは、ナツと呼んでいいと言われたけれど、やはり本人もいないところで、いきなりそんなに気安くは呼べないのか、結局依織は『七槻さん』と呼んでしまった。
「だってさ、会ってすぐに、俺のこと男だって分かった」
「うん、それは俺もすごいと思った。俺は……ゴメン、全然分かんなかったけど」
「んー…それはアッキーが普通だと思う。てか、そうであって欲しい。そんな一瞬で見破られるなんて……俺的には、絶対バレないと思ってたのに」
そう言って依織は、本当に悔しそうな顔をした。
バレない自信があるからこそ、堂々と女の子の格好をしているのに。
「依織は……女の子の格好するのが、好きなの?」
「は?」
「あ、いや、あの…」
女装を見破られて悔しがる依織に、思わずそんなことを聞いてしまった瑛貴は、慌てて口を噤んだ。
その人がどんな格好をしようと、それには何かしらの理由があって、追及しないのが暗黙のルールなのに。この世界に身を置いてそれなりに長い瑛貴だが、相変わらずこういう部分は、いつまで経ってもうまくない。
「別にいいけど。…あのね、俺ね、女の子になりたいの」
余計なことを言ったとあわあわしている瑛貴に、依織は気にしないで、と笑ったが、その直後に続けた言葉が結構な爆弾発言だったので、瑛貴はさらに慌ててしまった。
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「俺も最初に連れて来られたときは、すげぇビビったよ? うわっ、ホストいっぱいいる、て思った」
「何でアッキーがビビんの? ホストになるつもりで来たのに?」
ホストクラブに来て、ホストがいっぱいいる! という感想もないだろう、依織は声を上げて笑うが、瑛貴の場合、意思に関係なく無理やり連れて来られたところもあるから、最初は本当にビックリしたのだ。
「それに俺、ホストになるつもりないし」
「は? ホストクラブで働いてんのに? え、アッキー、ホストじゃないの?」
「俺、内勤だよ」
「それってホストと違うの? てか、ホストクラブて、ホスト以外の人も働いてんの?」
ホストクラブと言うからには、働いている人は皆ホストだと思っていた依織は、瑛貴の言葉に首を傾げる。
瑛貴も自分が勤めるまで知らなかったのだが、ホストクラブには、ホスト以外にもウェイターや厨房担当、ホストをどのテーブルに着かせるか指示する付け回しや事務作業を行う内勤がいて、店を支えている。
ホストが内勤を兼ねている店もあると言うが、JADEは内勤だけでもそれなりの人数がいる。
「そうなんだ。ねぇねぇ、じゃあやっぱ、泰我くんもホストじゃないんでしょ?」
「うん、あの人も内勤」
「だよねー、変だと思った。泰我くん、あんな怖そうな顔してて、ホストなんて、絶対嘘だー、て思ってたの」
友情に厚くて心優しい泰我だが、見た目は強面なので、ホストというイメージではない。
やっぱりねー、と依織は笑っているが、しかし実は、泰我のことを指名したいと言うお客も、中にはいたりするのだ。
「でもさ、やっぱホストって凄いんだね。あの、七槻さん」
「ぅん?」
七槻からは、ナツと呼んでいいと言われたけれど、やはり本人もいないところで、いきなりそんなに気安くは呼べないのか、結局依織は『七槻さん』と呼んでしまった。
「だってさ、会ってすぐに、俺のこと男だって分かった」
「うん、それは俺もすごいと思った。俺は……ゴメン、全然分かんなかったけど」
「んー…それはアッキーが普通だと思う。てか、そうであって欲しい。そんな一瞬で見破られるなんて……俺的には、絶対バレないと思ってたのに」
そう言って依織は、本当に悔しそうな顔をした。
バレない自信があるからこそ、堂々と女の子の格好をしているのに。
「依織は……女の子の格好するのが、好きなの?」
「は?」
「あ、いや、あの…」
女装を見破られて悔しがる依織に、思わずそんなことを聞いてしまった瑛貴は、慌てて口を噤んだ。
その人がどんな格好をしようと、それには何かしらの理由があって、追及しないのが暗黙のルールなのに。この世界に身を置いてそれなりに長い瑛貴だが、相変わらずこういう部分は、いつまで経ってもうまくない。
「別にいいけど。…あのね、俺ね、女の子になりたいの」
余計なことを言ったとあわあわしている瑛貴に、依織は気にしないで、と笑ったが、その直後に続けた言葉が結構な爆弾発言だったので、瑛貴はさらに慌ててしまった。
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