スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (8)
2010.08.11 Wed
「つーことで、瑛貴、お前が送って行け」
「えぇーっアッキーがぁ~? ズルイー」
七槻の耳から手を離した綾斗は、瑛貴のほうを向き直って、ビシッと言い放った。
もちろん七槻からは大ブーイング。泰我も、不安で不満に満ちた顔をしている。
「綾斗さん! ナツはともかく、瑛貴でいいなら、俺だっていいじゃん」
「泰我には今、別に頼みたい仕事があんの」
「でも、瑛貴だけじゃ危ない…」
「瑛貴も、女の子くらい1人で送れるようにならねぇとダメだからな」
まだ何か言いたげな泰我を制して、綾斗はそう締めると、泰我を連れていった。
それにしても、やはり何も言われなければ、綾斗さえも、依織が男だとは気付かないらしい。
「…えっと、仕事が始まる前の忙しい時間に、ありがとうございました」
「んふふー、依織、今度は時間があるときに遊ぼうねー」
ペコリと頭を下げた依織に、七槻は明るく手を振る。依織を送らせてもらうことは出来なかったが、それをしつこく根に持つような性格ではないのだ。
「つーかアッキー、彼女に勘違いされないようにね?」
店の出入り口に向かう途中、すれ違う七槻が、ニヤリとしながら、さり気なく瑛貴の耳元で忠告した。
七槻は一発で見抜いたが、一見しただけでは女の子にしか見えない依織と歩いていたら、小さな街だし、瑛貴は(いろんな意味で)顔が知られているから、女の子を連れて歩いていたと、すぐに噂になりそうだ。
それが単なる噂だけで済めばいいが、瑛貴の彼女の耳にでも入れば、浮気を疑われないとも限らない。
「別に、そんなの…」
実際のところ、依織は男なんだし、浮気でも何でもない。
しかし瑛貴の脳裏には、最近連絡をさぼりがちな彼女の顔が浮かぶ。
(連絡しないと怒られるかな…)
しかし瑛貴が振り返れば、七槻はもう、開店準備の仲間に加わっていた。
「あの…ゴメンね、仕事あるのに…」
店を出たところで、依織が本当に申し訳なさそうに頭を下げた。
「別にいいよ、マジで。だって綾斗さんも、あ、あの最後に来た人、あの人ウチの代表なんだけど、綾斗さんがいいって言ったんだし」
「そっか」
ナンバークラスのホストでもない限り、1人2人欠けてもスムースに仕事が出来るくらいの人間が出勤しているので、依織を送るために瑛貴が不在になっても、大したことではない。
そういうこまめなサービスが、次からのお客、そして売り上げに繋がると綾斗は考えているのだ。
それに、客として金を払っても、人気のある七槻に送ってもらえることは少ないので、七槻が依織を送るのは問題があるが、内勤の瑛貴なら。
「アッキー…だっけ?」
「ぅん?」
「みんながそう呼んでたから。俺もそう呼んでいい?」
「いいよ」
そう言えば、店に着いてからもバタバタしていて、瑛貴は依織に名乗りもしていなかった。
依織に『アッキー』と呼ばれるのは、ちょっと新鮮な感じがする。
back next
「えぇーっアッキーがぁ~? ズルイー」
七槻の耳から手を離した綾斗は、瑛貴のほうを向き直って、ビシッと言い放った。
もちろん七槻からは大ブーイング。泰我も、不安で不満に満ちた顔をしている。
「綾斗さん! ナツはともかく、瑛貴でいいなら、俺だっていいじゃん」
「泰我には今、別に頼みたい仕事があんの」
「でも、瑛貴だけじゃ危ない…」
「瑛貴も、女の子くらい1人で送れるようにならねぇとダメだからな」
まだ何か言いたげな泰我を制して、綾斗はそう締めると、泰我を連れていった。
それにしても、やはり何も言われなければ、綾斗さえも、依織が男だとは気付かないらしい。
「…えっと、仕事が始まる前の忙しい時間に、ありがとうございました」
「んふふー、依織、今度は時間があるときに遊ぼうねー」
ペコリと頭を下げた依織に、七槻は明るく手を振る。依織を送らせてもらうことは出来なかったが、それをしつこく根に持つような性格ではないのだ。
「つーかアッキー、彼女に勘違いされないようにね?」
店の出入り口に向かう途中、すれ違う七槻が、ニヤリとしながら、さり気なく瑛貴の耳元で忠告した。
七槻は一発で見抜いたが、一見しただけでは女の子にしか見えない依織と歩いていたら、小さな街だし、瑛貴は(いろんな意味で)顔が知られているから、女の子を連れて歩いていたと、すぐに噂になりそうだ。
それが単なる噂だけで済めばいいが、瑛貴の彼女の耳にでも入れば、浮気を疑われないとも限らない。
「別に、そんなの…」
実際のところ、依織は男なんだし、浮気でも何でもない。
しかし瑛貴の脳裏には、最近連絡をさぼりがちな彼女の顔が浮かぶ。
(連絡しないと怒られるかな…)
しかし瑛貴が振り返れば、七槻はもう、開店準備の仲間に加わっていた。
「あの…ゴメンね、仕事あるのに…」
店を出たところで、依織が本当に申し訳なさそうに頭を下げた。
「別にいいよ、マジで。だって綾斗さんも、あ、あの最後に来た人、あの人ウチの代表なんだけど、綾斗さんがいいって言ったんだし」
「そっか」
ナンバークラスのホストでもない限り、1人2人欠けてもスムースに仕事が出来るくらいの人間が出勤しているので、依織を送るために瑛貴が不在になっても、大したことではない。
そういうこまめなサービスが、次からのお客、そして売り上げに繋がると綾斗は考えているのだ。
それに、客として金を払っても、人気のある七槻に送ってもらえることは少ないので、七槻が依織を送るのは問題があるが、内勤の瑛貴なら。
「アッキー…だっけ?」
「ぅん?」
「みんながそう呼んでたから。俺もそう呼んでいい?」
「いいよ」
そう言えば、店に着いてからもバタバタしていて、瑛貴は依織に名乗りもしていなかった。
依織に『アッキー』と呼ばれるのは、ちょっと新鮮な感じがする。
back next
- 関連記事
-
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (9) (2010/08/12)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (8) (2010/08/11)
- 繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (7) (2010/08/10)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学