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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (7)
2010.08.10 Tue
「店のナンバーワンが何言ってんだ。仕事しろ」
「だって、こんなかわいい子が1人で歩いてたら危ないじゃん」
「だったら俺が送ってく」
「店のボディガードさんが何言ってんの? ちゃんと仕事してよ」
泰我の言葉をマネして、七槻もそう返す。
開店準備は手伝わないにしても、営業時間が始まれば、仕事に専念しなければならないのはお互い様だ。
いくら駅までだとしても、今さら店から出るわけにはいかない。
「なら、俺が送ってく!」
そう声を上げたのは、瑛貴だ。
しかしさすがにこれには、七槻も泰我も、「はあああ?」と声を大きくした。
「さっき一緒になって絡まれてたくせに、何言ってんだ」
「つーか、お前だって仕事だろうが」
矢継ぎ早に2人に突っ込まれ、瑛貴はタジタジになる。
よく見知った2人を相手にしてもこの調子なのだ。声を掛けられそうになったときに、さり気なくかわす術なら身に着けている瑛貴だが、いざ誰かに絡まれたときに、役に立つとは到底思えない。
「大丈夫だよ、1人でも帰れるって。駅すぐそこじゃん。みんな、心配してくれてありがとう」
これ以上騒ぎを大きくしたくなくて、依織は3人に言ったが、しかし誰も納得しない。
しかし、店が終わるまでバックルームに待機させておくわけにもいかないし…。
「おい、お前ら、いつまでそこに固まってんだ! することないなら、手伝え」
「あ、アヤくん」
誰もが意見を譲れずにいたところに、キビキビとした声が飛んで来て、視線を向ければ、JADEの代表である綾斗(あやと)が、両手を腰に当てて立っていた。
綾斗は、若いながら見事な手腕でJADEを人気店に押し上げた実力の持ち主で、瑛貴の叔父にも認められている男だ。
ちなみに、綾斗をアヤと気安く呼んでいるのは、この店では七槻だけである。
「だって、このかわい子ちゃん送ってこうとしたら、泰我が止めんだもん」
「ぁん? お客さんか?」
「あー違う違う。泰我のお友だち。ちょっとここに寄ったんだけど、もう帰るって言うからー」
だから俺に送って行かせて? と、七槻は綾斗にかわいくおねだりする。
キリリとした男前な表情の中に、自然とこうしたかわいらしい雰囲気を覗かせるのが、女の子を虜にする七槻の武器なのだ。
しかし。
「アホかっ」
七槻最大の武器も、この世界の長い百戦錬磨の綾斗には少しも通用せず、あっさりと一蹴されてしまった。
「もう店始まるのに、何言ってんだ。しかもナンバーワンが、指名客でないヤツを、簡単に送って行こうとすんなっ」
「イタタタ、アヤくん、痛いっ」
もともと綾斗は、声が大きいほうなのだ。
それなのにわざわざ七槻の耳を引っ張って、耳元で声を張り上げられたのでは堪らない。耳を引っ張る力よりも、大きな声のせいで耳が痛い。
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「だって、こんなかわいい子が1人で歩いてたら危ないじゃん」
「だったら俺が送ってく」
「店のボディガードさんが何言ってんの? ちゃんと仕事してよ」
泰我の言葉をマネして、七槻もそう返す。
開店準備は手伝わないにしても、営業時間が始まれば、仕事に専念しなければならないのはお互い様だ。
いくら駅までだとしても、今さら店から出るわけにはいかない。
「なら、俺が送ってく!」
そう声を上げたのは、瑛貴だ。
しかしさすがにこれには、七槻も泰我も、「はあああ?」と声を大きくした。
「さっき一緒になって絡まれてたくせに、何言ってんだ」
「つーか、お前だって仕事だろうが」
矢継ぎ早に2人に突っ込まれ、瑛貴はタジタジになる。
よく見知った2人を相手にしてもこの調子なのだ。声を掛けられそうになったときに、さり気なくかわす術なら身に着けている瑛貴だが、いざ誰かに絡まれたときに、役に立つとは到底思えない。
「大丈夫だよ、1人でも帰れるって。駅すぐそこじゃん。みんな、心配してくれてありがとう」
これ以上騒ぎを大きくしたくなくて、依織は3人に言ったが、しかし誰も納得しない。
しかし、店が終わるまでバックルームに待機させておくわけにもいかないし…。
「おい、お前ら、いつまでそこに固まってんだ! することないなら、手伝え」
「あ、アヤくん」
誰もが意見を譲れずにいたところに、キビキビとした声が飛んで来て、視線を向ければ、JADEの代表である綾斗(あやと)が、両手を腰に当てて立っていた。
綾斗は、若いながら見事な手腕でJADEを人気店に押し上げた実力の持ち主で、瑛貴の叔父にも認められている男だ。
ちなみに、綾斗をアヤと気安く呼んでいるのは、この店では七槻だけである。
「だって、このかわい子ちゃん送ってこうとしたら、泰我が止めんだもん」
「ぁん? お客さんか?」
「あー違う違う。泰我のお友だち。ちょっとここに寄ったんだけど、もう帰るって言うからー」
だから俺に送って行かせて? と、七槻は綾斗にかわいくおねだりする。
キリリとした男前な表情の中に、自然とこうしたかわいらしい雰囲気を覗かせるのが、女の子を虜にする七槻の武器なのだ。
しかし。
「アホかっ」
七槻最大の武器も、この世界の長い百戦錬磨の綾斗には少しも通用せず、あっさりと一蹴されてしまった。
「もう店始まるのに、何言ってんだ。しかもナンバーワンが、指名客でないヤツを、簡単に送って行こうとすんなっ」
「イタタタ、アヤくん、痛いっ」
もともと綾斗は、声が大きいほうなのだ。
それなのにわざわざ七槻の耳を引っ張って、耳元で声を張り上げられたのでは堪らない。耳を引っ張る力よりも、大きな声のせいで耳が痛い。
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