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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (5)
2010.08.08 Sun
この子のどの辺が男? どこをどう見ても女の子なんだけど……と、瑛貴は思わず依織を上から下まで眺めたが、やはりどう見ても女の子にしか見えない。
しかし。
「七槻…さん? よく俺が男だって分かりましたね」
やっぱり冗談? と、瑛貴が聞き返そうとするより先、依織本人が、諦めたように七槻のほうを向いた。
特に声色を変えてもいなかったのか、自分のことを『俺』と言った以外、依織は先ほどと声も口調もそのままで。
しかしはっきりと、自分が男だと認めてしまった。
「んー…俺も一応、ここのナンバーワンだし? 多少は経験も豊富ですから。でも普通は気付かないんじゃない? アッキー全然気付いてないし」
そう言って七槻は、瑛貴に視線をくれた。
七槻につられて依織も瑛貴のほうを見て、目が合ったけれど、瑛貴は呆けたように何度か瞬きをするだけ。だって、本人がその事実を肯定した今ですら、依織が男だなんて信じられない。
もちろんこの街には、ニューハーフのお姉さまも、女装した男の子もたくさんいるけれど、みんなお仕事用に着飾っているから、依織のように普通の格好をしていると、実は男なのかも…とは、逆に思い難い。
最初に泰我が止めに入ったのは、七槻を咎めるのはもちろんのこと、話しているうちに依織が男なのがバレてしまわないよう、牽制するつもりだったらしい。
「言わないほうがよかった? ゴメンね、男だってこと、内緒だったの?」
「んーん、そうじゃないけど……今までバレたことなかったから、ビックリしただけ」
七槻に顔を覗き込まれ、依織は首を振った。
女の子の格好をしていることを、いちいち言って回るつもりはないが、友人に対しては、どうしても隠しておかなければならないとも思っていないから。
本当に仲のいい友人は数人しかいないけれど、みんな知っている。
もちろん、隠しておきたい場面はあるものの、バレない自信があったし。――――出会って1分で、依織の女装を見抜いた七槻に会うまでは。
「七槻さん、すごいんですね」
「そ? いろんな人、見て来てるからじゃない?」
いろいろな人に接する職業だが、ナンバーワンになるからには、人並み以上に相手の本質が見抜けなければならないわけで。
七槻にしたら、そんなに驚かれるようなことをしたつもりもなかったが、みんなに驚かれて、逆に驚いた。
「つーか依織、食われんなよ、この節操なしに」
「うん」
呆れ顔の泰我の言葉に依織が素直に頷くので、七槻はわざと大げさに肩を竦めた。
みんなが思っているほど、女にも男にも見境がないわけではないのだが、泰我に言わせると、それは単なる七槻基準なだけで、世界の標準からはズレているのだそうだ。
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しかし。
「七槻…さん? よく俺が男だって分かりましたね」
やっぱり冗談? と、瑛貴が聞き返そうとするより先、依織本人が、諦めたように七槻のほうを向いた。
特に声色を変えてもいなかったのか、自分のことを『俺』と言った以外、依織は先ほどと声も口調もそのままで。
しかしはっきりと、自分が男だと認めてしまった。
「んー…俺も一応、ここのナンバーワンだし? 多少は経験も豊富ですから。でも普通は気付かないんじゃない? アッキー全然気付いてないし」
そう言って七槻は、瑛貴に視線をくれた。
七槻につられて依織も瑛貴のほうを見て、目が合ったけれど、瑛貴は呆けたように何度か瞬きをするだけ。だって、本人がその事実を肯定した今ですら、依織が男だなんて信じられない。
もちろんこの街には、ニューハーフのお姉さまも、女装した男の子もたくさんいるけれど、みんなお仕事用に着飾っているから、依織のように普通の格好をしていると、実は男なのかも…とは、逆に思い難い。
最初に泰我が止めに入ったのは、七槻を咎めるのはもちろんのこと、話しているうちに依織が男なのがバレてしまわないよう、牽制するつもりだったらしい。
「言わないほうがよかった? ゴメンね、男だってこと、内緒だったの?」
「んーん、そうじゃないけど……今までバレたことなかったから、ビックリしただけ」
七槻に顔を覗き込まれ、依織は首を振った。
女の子の格好をしていることを、いちいち言って回るつもりはないが、友人に対しては、どうしても隠しておかなければならないとも思っていないから。
本当に仲のいい友人は数人しかいないけれど、みんな知っている。
もちろん、隠しておきたい場面はあるものの、バレない自信があったし。――――出会って1分で、依織の女装を見抜いた七槻に会うまでは。
「七槻さん、すごいんですね」
「そ? いろんな人、見て来てるからじゃない?」
いろいろな人に接する職業だが、ナンバーワンになるからには、人並み以上に相手の本質が見抜けなければならないわけで。
七槻にしたら、そんなに驚かれるようなことをしたつもりもなかったが、みんなに驚かれて、逆に驚いた。
「つーか依織、食われんなよ、この節操なしに」
「うん」
呆れ顔の泰我の言葉に依織が素直に頷くので、七槻はわざと大げさに肩を竦めた。
みんなが思っているほど、女にも男にも見境がないわけではないのだが、泰我に言わせると、それは単なる七槻基準なだけで、世界の標準からはズレているのだそうだ。
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Yさん
やっぱ普通なんですね、ワシントン…。
一緒に泊まった人たちも、おんなじ感想を言ってました。
悪いわけじゃないんだけど、ビックリするくらい普通(笑)
去年、Yさんにお会いしに行ったときに泊まったホテルは、値段の割にとぉーってもよかったです(*^_^*)
多分、レベル的には同じか、ワシントンのほうが下…。
見極めが難しいですね(^_^;)
明日からは気合入れて、みなさまのところをご訪問して、自分の原稿(第2段)を進めます。
拍手&コメントありがとうございました!
一緒に泊まった人たちも、おんなじ感想を言ってました。
悪いわけじゃないんだけど、ビックリするくらい普通(笑)
去年、Yさんにお会いしに行ったときに泊まったホテルは、値段の割にとぉーってもよかったです(*^_^*)
多分、レベル的には同じか、ワシントンのほうが下…。
見極めが難しいですね(^_^;)
明日からは気合入れて、みなさまのところをご訪問して、自分の原稿(第2段)を進めます。
拍手&コメントありがとうございました!
- |2010.08.09
- |Mon
- |20:36
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