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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (4)
2010.08.07 Sat
ホストクラブJADEの1部営業は19時からで、もちろん従業員はそれより前には出勤することになっており、一般的な企業と同じく遅刻はご法度である。
普段の瑛貴は、仕事以外にすることないの? と仲間からからかわれるくらい早い時間から出勤しているのだが、今日は依織の一件があったおかげで、いつもよりもだいぶ遅れて到着してしまった。
「めっずらしー、アッキー遅刻ー」
「えっ、遅刻!? マジで!?」
「ウッソー」
無遅刻だけが取り柄の瑛貴は(去年インフルエンザに罹って、無欠勤の記録は途絶えた)(いや、瑛貴の取り柄は無遅刻以外にもあるはずだが)、先に出勤していたホストの優輝(ゆうき)の言葉に慌てたが、すぐに冗談だと分かってホッとした。
つまらない冗談で瑛貴を驚かせた優輝は、アッキー単純なんだからー、と、まだあどけなさすら残る顔を崩して無邪気に笑った。
「あ、アッキーがかわいい子連れてるー」
「ふぇ? あ、七槻(なつき)くん」
「七槻さん、おはようございます!」
瑛貴が優輝を小突いているところに登場したのは、JADEのNo.1ホストである七槻。
ホストになる気のない瑛貴は、最初から七槻と競うつもりもないし、入店したのも瑛貴のほうが少し先だったので、七槻とはフランクに付き合っているが、やはり格下で年下のホスト優輝は、ナンバーワンと話すのも緊張するのか、瑛貴から離れて背筋を正した。
「アッキー同伴出勤ー? カッコい~」
「違うってば。さっきたまたま会って……泰我くんの友だちだって」
瑛貴の後ろにいた依織を目聡く見つけた七槻が、ニヤニヤしながらからかうので、瑛貴は思わずむぅと唇を突き出す。
しかし七槻にとっては、そんなこと別にどうだっていいのか、瑛貴を無視して依織のそばに立った。
「泰我の友だちなんだ。かわいいんだね、名前、何ていうの?」
さすがNo.1ホストとでも言おうか。
とびきりの笑顔を見せながら、依織に視線を合わせる。
「えと…」
「すいませーん、店内でのナンパはご遠慮くださーい」
依織が言葉を詰まらせていたら、2人の間に泰我が割って入った。
金を払って指名している客がいる中、店のナンバーワンが、客でもない子を店内で気軽に口説いてもらっては困るし、それ以前に泰我は、依織の友人として七槻を止めたのだが――――悲しいかな、泰我のフォローは功を奏しなかった。
「えー、だって泰我の友だちなんでしょ? 俺だってお友だちになりたいなぁ」
「ナツが友だちだけで済むとは思えねぇ」
「泰我、何で分かんの? 大丈夫。俺、男でもいけるから」
そう言って七槻は泰我を押し退けて、依織の肩を抱いた。
それはいいとして(本当は全然よくない)、何でもない顔でサラッと爆弾発言をした七槻に、そばにいた瑛貴と優輝は驚いて目を見張った。
七槻が男もいける? JADEのNo.1ホストなのに? ――――しかし2人が驚いたのは、決してその部分ではない。
七槻が男も女もいける両刀遣いなのは、JADEはもちろん、この界隈では公然の秘密……というか有名な話なので、今さらそんなことに驚きはしない。
そうではなくて、七槻の言い方では、依織は女の子ではなく、男ということになるわけで。
「え、それって……依織…さんが、男だって言いたいの? 七槻くん」
「うん」
瑛貴が呆然となりながらも、声を掛けられないでいる優輝に代わって尋ねれば、七槻はあっさりと頷いた。
back next
普段の瑛貴は、仕事以外にすることないの? と仲間からからかわれるくらい早い時間から出勤しているのだが、今日は依織の一件があったおかげで、いつもよりもだいぶ遅れて到着してしまった。
「めっずらしー、アッキー遅刻ー」
「えっ、遅刻!? マジで!?」
「ウッソー」
無遅刻だけが取り柄の瑛貴は(去年インフルエンザに罹って、無欠勤の記録は途絶えた)(いや、瑛貴の取り柄は無遅刻以外にもあるはずだが)、先に出勤していたホストの優輝(ゆうき)の言葉に慌てたが、すぐに冗談だと分かってホッとした。
つまらない冗談で瑛貴を驚かせた優輝は、アッキー単純なんだからー、と、まだあどけなさすら残る顔を崩して無邪気に笑った。
「あ、アッキーがかわいい子連れてるー」
「ふぇ? あ、七槻(なつき)くん」
「七槻さん、おはようございます!」
瑛貴が優輝を小突いているところに登場したのは、JADEのNo.1ホストである七槻。
ホストになる気のない瑛貴は、最初から七槻と競うつもりもないし、入店したのも瑛貴のほうが少し先だったので、七槻とはフランクに付き合っているが、やはり格下で年下のホスト優輝は、ナンバーワンと話すのも緊張するのか、瑛貴から離れて背筋を正した。
「アッキー同伴出勤ー? カッコい~」
「違うってば。さっきたまたま会って……泰我くんの友だちだって」
瑛貴の後ろにいた依織を目聡く見つけた七槻が、ニヤニヤしながらからかうので、瑛貴は思わずむぅと唇を突き出す。
しかし七槻にとっては、そんなこと別にどうだっていいのか、瑛貴を無視して依織のそばに立った。
「泰我の友だちなんだ。かわいいんだね、名前、何ていうの?」
さすがNo.1ホストとでも言おうか。
とびきりの笑顔を見せながら、依織に視線を合わせる。
「えと…」
「すいませーん、店内でのナンパはご遠慮くださーい」
依織が言葉を詰まらせていたら、2人の間に泰我が割って入った。
金を払って指名している客がいる中、店のナンバーワンが、客でもない子を店内で気軽に口説いてもらっては困るし、それ以前に泰我は、依織の友人として七槻を止めたのだが――――悲しいかな、泰我のフォローは功を奏しなかった。
「えー、だって泰我の友だちなんでしょ? 俺だってお友だちになりたいなぁ」
「ナツが友だちだけで済むとは思えねぇ」
「泰我、何で分かんの? 大丈夫。俺、男でもいけるから」
そう言って七槻は泰我を押し退けて、依織の肩を抱いた。
それはいいとして(本当は全然よくない)、何でもない顔でサラッと爆弾発言をした七槻に、そばにいた瑛貴と優輝は驚いて目を見張った。
七槻が男もいける? JADEのNo.1ホストなのに? ――――しかし2人が驚いたのは、決してその部分ではない。
七槻が男も女もいける両刀遣いなのは、JADEはもちろん、この界隈では公然の秘密……というか有名な話なので、今さらそんなことに驚きはしない。
そうではなくて、七槻の言い方では、依織は女の子ではなく、男ということになるわけで。
「え、それって……依織…さんが、男だって言いたいの? 七槻くん」
「うん」
瑛貴が呆然となりながらも、声を掛けられないでいる優輝に代わって尋ねれば、七槻はあっさりと頷いた。
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柚子季杏 ⇒ Σ(`・ω・屮)屮 オオォォォオォ
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> なんと!
> 男の子ですとな?!
あいー。
BLなのに何で女の子登場!? と思いきや、こういうことでちた。
今は、普通にかわいい男の子、いますからねー。
アッキーも全然気づいてませんでした(笑)
> 次々登場してくる子達、それぞれ個性豊かでたのしすです♪
> 今後どうお話が動いて行くのか楽しみ~!
キャラが強すぎますよね、みんな…。
一応、このお話はアッキーが主人公のはずなんですが…(汗)
まだまだ先の長いお話ですが、どうぞかわいがってあげてください。
コメレス遅れて申し訳ありませんでした。
コメントありがとうございました!
> 男の子ですとな?!
あいー。
BLなのに何で女の子登場!? と思いきや、こういうことでちた。
今は、普通にかわいい男の子、いますからねー。
アッキーも全然気づいてませんでした(笑)
> 次々登場してくる子達、それぞれ個性豊かでたのしすです♪
> 今後どうお話が動いて行くのか楽しみ~!
キャラが強すぎますよね、みんな…。
一応、このお話はアッキーが主人公のはずなんですが…(汗)
まだまだ先の長いお話ですが、どうぞかわいがってあげてください。
コメレス遅れて申し訳ありませんでした。
コメントありがとうございました!
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- |Sun
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