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4. 突然の停電。ギャアギャア喚く君を置いて懐中電灯を探しにいくが、君がやたらに動き回るので気になって仕方ない。 (中編)
2010.07.23 Fri
「ちょっと待って。懐中電灯探してくるから」
「え? ちょっ……陸斗、どこ行くの?」
姿は見えないが、陸斗の気配がさらに遠ざかっていくのが分かる。
「だから、懐中電灯探してくるって。確かどっかにあったはずなんだよな」
「え? え? ちょっと待ってよ、1人にすんなよ!」
「すぐ来るから、そこで待ってろって」
子どもでもないんだからと、陸斗はギャアギャア喚いている詩音を残して、慎重に部屋を出た。
こういうときのために、懐中電灯を常備してあるのは確かなのだ(その所在が思い出せないのが、いまいちなのだが)。
「ちょ…陸斗……陸斗ー……」
部屋に1人残された詩音は、泣きそうな声で陸斗を呼ぶが、返事はない。
怖くて、不安で、『そこで待ってろ』という陸斗の言い付けを破り、詩音はベッドを降りた。
陸斗ほど部屋の中の様子に慣れていない詩音は、あちこちにぶつかりながら、陸斗の気配を探す。
「陸斗、ねぇ、どこ…?」
「え? 詩音? おま……部屋いろっつったじゃん!」
「だってぇ……、ねぇ陸斗、どこいるの…?」
声が聞こえるほどの距離にいるのに、詩音はまだ、陸斗がどこにいるのか分からない。
「どこって……こっちだよ。おい、危ないからウロチョロすんなよ?」
けれど詩音は怖くてジッとしていることが出来ないのか、まだウロウロしているらしい。ときどき「いてっ!」とか声が聞こえてくる。
「詩音! 動くなって! ケガしたらどうすんだよ!」
「だってだって! 早く懐中電灯見つけろよ!」
「お前がやたら動き回るから、気になって探せねぇんだよ! ジッとしてろ!」
「だってぇ!!」
もう、声に涙が混じっている。
ちょっとパニックになっているらしい。
「あ、あった!」
カチ…スイッチの入る音がして、少しは部屋が明るくなる……はずだった。
「あれ?」
「え? 何? あった? 懐中電灯。ね、早く点けてよ!」
「あー……うん。あれ? でも…」
カチカチとスイッチを入れたり切ったりする音がするけれど、一向に明かりは差さない。
「え? ちょっ……陸斗、どこ行くの?」
姿は見えないが、陸斗の気配がさらに遠ざかっていくのが分かる。
「だから、懐中電灯探してくるって。確かどっかにあったはずなんだよな」
「え? え? ちょっと待ってよ、1人にすんなよ!」
「すぐ来るから、そこで待ってろって」
子どもでもないんだからと、陸斗はギャアギャア喚いている詩音を残して、慎重に部屋を出た。
こういうときのために、懐中電灯を常備してあるのは確かなのだ(その所在が思い出せないのが、いまいちなのだが)。
「ちょ…陸斗……陸斗ー……」
部屋に1人残された詩音は、泣きそうな声で陸斗を呼ぶが、返事はない。
怖くて、不安で、『そこで待ってろ』という陸斗の言い付けを破り、詩音はベッドを降りた。
陸斗ほど部屋の中の様子に慣れていない詩音は、あちこちにぶつかりながら、陸斗の気配を探す。
「陸斗、ねぇ、どこ…?」
「え? 詩音? おま……部屋いろっつったじゃん!」
「だってぇ……、ねぇ陸斗、どこいるの…?」
声が聞こえるほどの距離にいるのに、詩音はまだ、陸斗がどこにいるのか分からない。
「どこって……こっちだよ。おい、危ないからウロチョロすんなよ?」
けれど詩音は怖くてジッとしていることが出来ないのか、まだウロウロしているらしい。ときどき「いてっ!」とか声が聞こえてくる。
「詩音! 動くなって! ケガしたらどうすんだよ!」
「だってだって! 早く懐中電灯見つけろよ!」
「お前がやたら動き回るから、気になって探せねぇんだよ! ジッとしてろ!」
「だってぇ!!」
もう、声に涙が混じっている。
ちょっとパニックになっているらしい。
「あ、あった!」
カチ…スイッチの入る音がして、少しは部屋が明るくなる……はずだった。
「あれ?」
「え? 何? あった? 懐中電灯。ね、早く点けてよ!」
「あー……うん。あれ? でも…」
カチカチとスイッチを入れたり切ったりする音がするけれど、一向に明かりは差さない。
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