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暴君王子のおっしゃることには! (183)
2012.10.31 Wed
「お前、何で今日、そんなにきょどってんの?」
「はっ? 何がっ?」
確かに一伽は今日、侑仁に会ってからずっとドキドキしていたから、もしかしたらいつもと違う様子だったかもしれないけれど、それが侑仁にバレていたかと思うと恥ずかしくてならないから、何でもないふりで言い返した。
なのに侑仁は、少し目を眇めただけで、まったく信じた様子ではなかった。
「いつもと違ぇじゃん」
「そんなことない……てか侑仁、近いよ、退いて!」
別に侑仁に伸し掛かられているわけではないから、逃げられないことはないけれど、そうすると侑仁を突き飛ばしてしまうことになるから、やっぱりそれは出来ない。
だから退いてくれと言っているのに、侑仁は少しも動いてくれない。
「ねぇ侑仁、ちょっ…何?」
まだ昨日よりは飲んでいないと思うけれど、もしかして侑仁、すごく酔っ払っているんだろうか。
でも、まだ寝てないし……寝惚けてるわけじゃないよね??
一伽が戸惑っていると、侑仁はまた一伽に衝撃を与えるようなセリフを口にした。
「お前がそんななのって――――昨日、俺がキスしたから?」
「なっ…」
予想だにしなかった侑仁の言葉に、一伽は言葉を詰まらせて固まった。
ずっとドキドキしていた心臓も、一瞬だけど、止まったんじゃないだろうか。
「そうなの? 一伽」
「なっ…何言って…」
え、侑仁、今『キス』て言ったよね?
昨日のキス。
侑仁、覚えてたの…?
「ちょっ…」
頭の中が真っ白になって、一伽が何も答えられずにいたら、侑仁の顔がさらに近づいてきて、またキスされる…!? と、一伽はギュッと目を閉じたけれど、唇には何の感触もなく、おでこにコツンと何かが当たった。
「ぇ…? て、うわっ」
何事かと思って一伽が目を開けたら、当たったのは侑仁の額で、2人は額をくっ付け合っている状態になっているのだと分かり、ますます焦る。
キスはしていないけれど、キスできそうなくらい近い距離に、侑仁の顔がある。
「ちょっ、ちょっ侑仁!」
さすがにこの状況はいろいろとヤバいと思って、一伽はパタパタと暴れたが、侑仁に片方の肩を押さえられると、すっかり動きを封じられてしまった。
「嫌だった? キス」
「何言って…」
「ね、ヤダったの?」
「…んで、そんなこと聞くんだよ。つか、何でそんなことしたんだよ…」
あんまりにも近い距離で、侑仁がジッと目を見ながら言うものだから、一伽は思わず視線を逸らしてしまった。
侑仁があのキスを覚えていた……というか、一伽だと分かっていてキスをしたのだと知り、一伽は激しく混乱したが、侑仁が今、どうしてそんなことを聞くのかも分からない。
寝惚けていたんでもなく、どこかの女の子と間違えていたんでもなく、一伽だと分かっていたのに、どうしてキスなんか。
もしかして、一伽が侑仁のこと好きだって気付いてて、からかいたかったんだろうか。…そう思ったら、何だかすごく悲しくなった。
「もっ…離せよ、バカ! 離せっ!」
混乱しているのと感情が高ぶったのとで、一伽はとうとうボロボロと泣き出してしまった。
泣いているのを見られるのも嫌だし、自由が利かないのも嫌だし、何もかもが嫌で、侑仁から逃げようと力任せに暴れたが、なぜか全然侑仁を退かすことが出来ない。
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「はっ? 何がっ?」
確かに一伽は今日、侑仁に会ってからずっとドキドキしていたから、もしかしたらいつもと違う様子だったかもしれないけれど、それが侑仁にバレていたかと思うと恥ずかしくてならないから、何でもないふりで言い返した。
なのに侑仁は、少し目を眇めただけで、まったく信じた様子ではなかった。
「いつもと違ぇじゃん」
「そんなことない……てか侑仁、近いよ、退いて!」
別に侑仁に伸し掛かられているわけではないから、逃げられないことはないけれど、そうすると侑仁を突き飛ばしてしまうことになるから、やっぱりそれは出来ない。
だから退いてくれと言っているのに、侑仁は少しも動いてくれない。
「ねぇ侑仁、ちょっ…何?」
まだ昨日よりは飲んでいないと思うけれど、もしかして侑仁、すごく酔っ払っているんだろうか。
でも、まだ寝てないし……寝惚けてるわけじゃないよね??
一伽が戸惑っていると、侑仁はまた一伽に衝撃を与えるようなセリフを口にした。
「お前がそんななのって――――昨日、俺がキスしたから?」
「なっ…」
予想だにしなかった侑仁の言葉に、一伽は言葉を詰まらせて固まった。
ずっとドキドキしていた心臓も、一瞬だけど、止まったんじゃないだろうか。
「そうなの? 一伽」
「なっ…何言って…」
え、侑仁、今『キス』て言ったよね?
昨日のキス。
侑仁、覚えてたの…?
「ちょっ…」
頭の中が真っ白になって、一伽が何も答えられずにいたら、侑仁の顔がさらに近づいてきて、またキスされる…!? と、一伽はギュッと目を閉じたけれど、唇には何の感触もなく、おでこにコツンと何かが当たった。
「ぇ…? て、うわっ」
何事かと思って一伽が目を開けたら、当たったのは侑仁の額で、2人は額をくっ付け合っている状態になっているのだと分かり、ますます焦る。
キスはしていないけれど、キスできそうなくらい近い距離に、侑仁の顔がある。
「ちょっ、ちょっ侑仁!」
さすがにこの状況はいろいろとヤバいと思って、一伽はパタパタと暴れたが、侑仁に片方の肩を押さえられると、すっかり動きを封じられてしまった。
「嫌だった? キス」
「何言って…」
「ね、ヤダったの?」
「…んで、そんなこと聞くんだよ。つか、何でそんなことしたんだよ…」
あんまりにも近い距離で、侑仁がジッと目を見ながら言うものだから、一伽は思わず視線を逸らしてしまった。
侑仁があのキスを覚えていた……というか、一伽だと分かっていてキスをしたのだと知り、一伽は激しく混乱したが、侑仁が今、どうしてそんなことを聞くのかも分からない。
寝惚けていたんでもなく、どこかの女の子と間違えていたんでもなく、一伽だと分かっていたのに、どうしてキスなんか。
もしかして、一伽が侑仁のこと好きだって気付いてて、からかいたかったんだろうか。…そう思ったら、何だかすごく悲しくなった。
「もっ…離せよ、バカ! 離せっ!」
混乱しているのと感情が高ぶったのとで、一伽はとうとうボロボロと泣き出してしまった。
泣いているのを見られるのも嫌だし、自由が利かないのも嫌だし、何もかもが嫌で、侑仁から逃げようと力任せに暴れたが、なぜか全然侑仁を退かすことが出来ない。
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