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恋せよ乙女 ~実践編 (3)
2010.01.30 Sat
「亮が、どうしたの?」
和衣は焦りながらも、早口にならないよう、息をついてから聞き返した。
確かに和衣は亮にいろんなことを相談したけれど、そのことを祐介には言っていないから、何も知らないはずなのに、もしかして亮が喋ってしまったんだろうか。
「亮…、祐介に何か言った?」
「え、和衣がまた何か悩んでるみたい、て」
「悩んでる…。何を、とか……言ってた?」
そこが、一番肝心なのだ。
和衣が『何』を悩んでいて、『何』を亮に相談したのか、祐介は知ってしまっているのだとしたら。
そんな恥ずかしくて、はしたないことで悩んでいたなんて知られたくないから、隠し事はしないと決めている恋人に内緒で、亮に打ち明けたのに。
確かに亮には口止めをしなかったけれど、それは亮が祐介にバラすわけがないと思っていたからで、でもそれは和衣の勝手な思い込みで、亮がみんな喋っていたとしたら。
和衣がエッチなこと考えてたって、祐介にはずっとバレていたんじゃ…て思ったら、死んでしまいたいくらい恥ずかしい。
(亮のバカっ…!)
やっぱり、相談する相手を間違えた。
いくら睦月が不在だったからといって、亮でなくたって、翔真や蒼一郎だっていたのに。
「そんな困った顔しないでよ、和衣」
「だって…」
和衣がひどく戸惑った顔をしていたのだろう、祐介は少し苦笑して、和衣の肩を抱き寄せた。
「別に亮からは何も、詳しく聞いてないけど…」
亮は、『カズ、何かまたいろいろ悩んでるみたいだぜ』て言っただけで、その内容も祐介には教えてくれなかった。
けれど、その言い方と、言った後の意味ありげな笑顔で、祐介は何となく、その『何か』に感付いてしまったのだ。
「いろいろ考えちゃってた?」
和衣は結構、祐介が思ってもみないようなことも一生懸命に考えていて、そのせいでグルグルしていることが多い。
今回も、きっと亮に相談したことで一応は解決したのだろうけど、それでもまだ、頭の中ではいろいろ考えていたに違いない。
「だ、だって、あのね、あのね、だって、俺も祐介にもっといろいろしてあげたいし、だからどうしよう、て思って。むっちゃんいないし、亮ならいろいろ知ってそうだしっ。そしたらね亮がね、ラブホ違うとことか教えるって…」
和衣は、先ほど気持ちを落ち着けたはずなのに、喋り出したらまた気が焦り始めて、だんだん自分でも何を言っているか分からなくなって来てしまった。
慌てるあまり、変なことを言ってしまったのだろう、祐介はポカンとした顔をしている。
(もう死んじゃいたいっ…!!)
いっそこのままダッシュで逃げてしまおうかとも思ったけれど、祐介に肩を抱かれたままだし、逃げるところなんてないし、どうしていいか分からなくて、和衣は目を閉じて俯いた。
一体何のために雑誌で勉強したんだろう、て思う。
まったく役に立っていないどころか、どちらかと言えば台無しだ。
そういえば、初めて祐介と体の関係まで至ったときも、それまで勉強してきたこと、全然発揮できなかったっけ。
「…バカだと思った?」
あまりにも自分が情けなくて、和衣は溜め息を零した。
和衣は焦りながらも、早口にならないよう、息をついてから聞き返した。
確かに和衣は亮にいろんなことを相談したけれど、そのことを祐介には言っていないから、何も知らないはずなのに、もしかして亮が喋ってしまったんだろうか。
「亮…、祐介に何か言った?」
「え、和衣がまた何か悩んでるみたい、て」
「悩んでる…。何を、とか……言ってた?」
そこが、一番肝心なのだ。
和衣が『何』を悩んでいて、『何』を亮に相談したのか、祐介は知ってしまっているのだとしたら。
そんな恥ずかしくて、はしたないことで悩んでいたなんて知られたくないから、隠し事はしないと決めている恋人に内緒で、亮に打ち明けたのに。
確かに亮には口止めをしなかったけれど、それは亮が祐介にバラすわけがないと思っていたからで、でもそれは和衣の勝手な思い込みで、亮がみんな喋っていたとしたら。
和衣がエッチなこと考えてたって、祐介にはずっとバレていたんじゃ…て思ったら、死んでしまいたいくらい恥ずかしい。
(亮のバカっ…!)
やっぱり、相談する相手を間違えた。
いくら睦月が不在だったからといって、亮でなくたって、翔真や蒼一郎だっていたのに。
「そんな困った顔しないでよ、和衣」
「だって…」
和衣がひどく戸惑った顔をしていたのだろう、祐介は少し苦笑して、和衣の肩を抱き寄せた。
「別に亮からは何も、詳しく聞いてないけど…」
亮は、『カズ、何かまたいろいろ悩んでるみたいだぜ』て言っただけで、その内容も祐介には教えてくれなかった。
けれど、その言い方と、言った後の意味ありげな笑顔で、祐介は何となく、その『何か』に感付いてしまったのだ。
「いろいろ考えちゃってた?」
和衣は結構、祐介が思ってもみないようなことも一生懸命に考えていて、そのせいでグルグルしていることが多い。
今回も、きっと亮に相談したことで一応は解決したのだろうけど、それでもまだ、頭の中ではいろいろ考えていたに違いない。
「だ、だって、あのね、あのね、だって、俺も祐介にもっといろいろしてあげたいし、だからどうしよう、て思って。むっちゃんいないし、亮ならいろいろ知ってそうだしっ。そしたらね亮がね、ラブホ違うとことか教えるって…」
和衣は、先ほど気持ちを落ち着けたはずなのに、喋り出したらまた気が焦り始めて、だんだん自分でも何を言っているか分からなくなって来てしまった。
慌てるあまり、変なことを言ってしまったのだろう、祐介はポカンとした顔をしている。
(もう死んじゃいたいっ…!!)
いっそこのままダッシュで逃げてしまおうかとも思ったけれど、祐介に肩を抱かれたままだし、逃げるところなんてないし、どうしていいか分からなくて、和衣は目を閉じて俯いた。
一体何のために雑誌で勉強したんだろう、て思う。
まったく役に立っていないどころか、どちらかと言えば台無しだ。
そういえば、初めて祐介と体の関係まで至ったときも、それまで勉強してきたこと、全然発揮できなかったっけ。
「…バカだと思った?」
あまりにも自分が情けなくて、和衣は溜め息を零した。
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恋せよ乙女 ~実践編 (4)
2010.01.31 Sun
祐介にいろいろしてあげたい気持ちに変わりはないけれど、ここまで心の内を知られてしまって、亮にまで話をしていたこともバレてしまって、一体どうすればいいんだろう。
「和衣、そんなこと思ってたの? 全然知らなかった」
「呆れた?」
「何で?」
亮の言葉で、祐介も何となくそっち方面のことだろうな、とは思っていたが、まさかそんなことだとは思ってもみなくて、少し驚きはしたけれど、和衣が落ち込むように呆れてはいない。
こういうことなら、祐介には話し出しにくいわけだ。
(でも亮に話すのも、同じくらい恥ずかしいんじゃないかなぁ…)
けれど、勉強のためにゲイのDVDを買って、睦月に見ようと誘うくらいの性格だから(しかも睦月を説き伏せて、実際に一緒に見たわけで)、そのくらいのことを亮に相談するなんて、恥ずかしい内に入らないのかもしれない。
「…何か俺、変だよね? 変な子になっちゃった。祐介、嫌になんないでね?」
「え、別に嫌になることなんてないし、変だとも思ってないけど?」
どうして和衣がここまで落ち込むのか、よく分からない。
そういうことを悩んでいたとか、亮に相談していたことが祐介にバレたとか、気にしているのだろうか。
それよりも祐介が気になるのは、さっき和衣があたふたしながら言ったセリフの最後、『そしたらね亮がね、ラブホ違うとことか教えるって…』の辺りだ。
以前、聞きもしないのに亮は、祐介におすすめのラブホテルを紹介してくれたのだが、もしかして今回も、和衣にそんな話をしたのではないだろうか。
だとすれば、和衣がずっとそわそわしていた理由も、分かる気がする。
これですべてが繋がった。
「…じゃ、行ってみる?」
「え、どこに?」
「和衣も、おすすめされたんでしょ? 亮から」
ちょっと困ったように眉を下げ、けれど祐介は全然困ったふうでなくそう言って、和衣の唇を優しく奪った。
*****
亮は、もっといろいろがんばりたい! と打ち明けた和衣の気持ちを汲んだのだろうか、勧められたラブホテルはいつもと全然違う雰囲気で、部屋に行くまでの間も、何だかドキドキしてしまう。
初めてのときほど、ラブホテルに緊張しなくなったはずなのに。
(亮も、よく来るのかな…)
亮の口振りからして、ここにも来たことがあるのは間違いなさそうだが、『よかったから』と言って勧めてくれたということは、もしかしたら睦月とよく利用しているのかもしれない。
(バッタリ会っちゃったら、ちょっと嫌かも…)
いくら親友とはいえ、いや、親友だからこそ、こんなところで出くわしたら、大変気まずい。
亮がどういうつもりで和衣たちにそんなことを教えてくれるのかは知らないが、鉢合わせして気まずいのは、亮も同じだろうに。
でもそのおかげで助かったのだから、亮には感謝だ。
「祐介も亮からラブホ、教えてもらったんでしょ?」
ソファはテーブルを挟んで対面に置かれていたけれど、少しでも離れがたくて、和衣は祐介の隣に座った。
1人で座るには大きいけれど、2人掛けと言われればちょっと小さいかも…というラブソファで、祐介は出来るだけ端に寄ってスペースを空けてあげたが、密着度は高い。
でも和衣はひどく満足そうに抱き付いて来るから、祐介はその華奢な体を抱き寄せた。
「和衣、そんなこと思ってたの? 全然知らなかった」
「呆れた?」
「何で?」
亮の言葉で、祐介も何となくそっち方面のことだろうな、とは思っていたが、まさかそんなことだとは思ってもみなくて、少し驚きはしたけれど、和衣が落ち込むように呆れてはいない。
こういうことなら、祐介には話し出しにくいわけだ。
(でも亮に話すのも、同じくらい恥ずかしいんじゃないかなぁ…)
けれど、勉強のためにゲイのDVDを買って、睦月に見ようと誘うくらいの性格だから(しかも睦月を説き伏せて、実際に一緒に見たわけで)、そのくらいのことを亮に相談するなんて、恥ずかしい内に入らないのかもしれない。
「…何か俺、変だよね? 変な子になっちゃった。祐介、嫌になんないでね?」
「え、別に嫌になることなんてないし、変だとも思ってないけど?」
どうして和衣がここまで落ち込むのか、よく分からない。
そういうことを悩んでいたとか、亮に相談していたことが祐介にバレたとか、気にしているのだろうか。
それよりも祐介が気になるのは、さっき和衣があたふたしながら言ったセリフの最後、『そしたらね亮がね、ラブホ違うとことか教えるって…』の辺りだ。
以前、聞きもしないのに亮は、祐介におすすめのラブホテルを紹介してくれたのだが、もしかして今回も、和衣にそんな話をしたのではないだろうか。
だとすれば、和衣がずっとそわそわしていた理由も、分かる気がする。
これですべてが繋がった。
「…じゃ、行ってみる?」
「え、どこに?」
「和衣も、おすすめされたんでしょ? 亮から」
ちょっと困ったように眉を下げ、けれど祐介は全然困ったふうでなくそう言って、和衣の唇を優しく奪った。
*****
亮は、もっといろいろがんばりたい! と打ち明けた和衣の気持ちを汲んだのだろうか、勧められたラブホテルはいつもと全然違う雰囲気で、部屋に行くまでの間も、何だかドキドキしてしまう。
初めてのときほど、ラブホテルに緊張しなくなったはずなのに。
(亮も、よく来るのかな…)
亮の口振りからして、ここにも来たことがあるのは間違いなさそうだが、『よかったから』と言って勧めてくれたということは、もしかしたら睦月とよく利用しているのかもしれない。
(バッタリ会っちゃったら、ちょっと嫌かも…)
いくら親友とはいえ、いや、親友だからこそ、こんなところで出くわしたら、大変気まずい。
亮がどういうつもりで和衣たちにそんなことを教えてくれるのかは知らないが、鉢合わせして気まずいのは、亮も同じだろうに。
でもそのおかげで助かったのだから、亮には感謝だ。
「祐介も亮からラブホ、教えてもらったんでしょ?」
ソファはテーブルを挟んで対面に置かれていたけれど、少しでも離れがたくて、和衣は祐介の隣に座った。
1人で座るには大きいけれど、2人掛けと言われればちょっと小さいかも…というラブソファで、祐介は出来るだけ端に寄ってスペースを空けてあげたが、密着度は高い。
でも和衣はひどく満足そうに抱き付いて来るから、祐介はその華奢な体を抱き寄せた。
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