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恋せよ乙女 ~実践編 (4)
2010.01.31 Sun
祐介にいろいろしてあげたい気持ちに変わりはないけれど、ここまで心の内を知られてしまって、亮にまで話をしていたこともバレてしまって、一体どうすればいいんだろう。
「和衣、そんなこと思ってたの? 全然知らなかった」
「呆れた?」
「何で?」
亮の言葉で、祐介も何となくそっち方面のことだろうな、とは思っていたが、まさかそんなことだとは思ってもみなくて、少し驚きはしたけれど、和衣が落ち込むように呆れてはいない。
こういうことなら、祐介には話し出しにくいわけだ。
(でも亮に話すのも、同じくらい恥ずかしいんじゃないかなぁ…)
けれど、勉強のためにゲイのDVDを買って、睦月に見ようと誘うくらいの性格だから(しかも睦月を説き伏せて、実際に一緒に見たわけで)、そのくらいのことを亮に相談するなんて、恥ずかしい内に入らないのかもしれない。
「…何か俺、変だよね? 変な子になっちゃった。祐介、嫌になんないでね?」
「え、別に嫌になることなんてないし、変だとも思ってないけど?」
どうして和衣がここまで落ち込むのか、よく分からない。
そういうことを悩んでいたとか、亮に相談していたことが祐介にバレたとか、気にしているのだろうか。
それよりも祐介が気になるのは、さっき和衣があたふたしながら言ったセリフの最後、『そしたらね亮がね、ラブホ違うとことか教えるって…』の辺りだ。
以前、聞きもしないのに亮は、祐介におすすめのラブホテルを紹介してくれたのだが、もしかして今回も、和衣にそんな話をしたのではないだろうか。
だとすれば、和衣がずっとそわそわしていた理由も、分かる気がする。
これですべてが繋がった。
「…じゃ、行ってみる?」
「え、どこに?」
「和衣も、おすすめされたんでしょ? 亮から」
ちょっと困ったように眉を下げ、けれど祐介は全然困ったふうでなくそう言って、和衣の唇を優しく奪った。
*****
亮は、もっといろいろがんばりたい! と打ち明けた和衣の気持ちを汲んだのだろうか、勧められたラブホテルはいつもと全然違う雰囲気で、部屋に行くまでの間も、何だかドキドキしてしまう。
初めてのときほど、ラブホテルに緊張しなくなったはずなのに。
(亮も、よく来るのかな…)
亮の口振りからして、ここにも来たことがあるのは間違いなさそうだが、『よかったから』と言って勧めてくれたということは、もしかしたら睦月とよく利用しているのかもしれない。
(バッタリ会っちゃったら、ちょっと嫌かも…)
いくら親友とはいえ、いや、親友だからこそ、こんなところで出くわしたら、大変気まずい。
亮がどういうつもりで和衣たちにそんなことを教えてくれるのかは知らないが、鉢合わせして気まずいのは、亮も同じだろうに。
でもそのおかげで助かったのだから、亮には感謝だ。
「祐介も亮からラブホ、教えてもらったんでしょ?」
ソファはテーブルを挟んで対面に置かれていたけれど、少しでも離れがたくて、和衣は祐介の隣に座った。
1人で座るには大きいけれど、2人掛けと言われればちょっと小さいかも…というラブソファで、祐介は出来るだけ端に寄ってスペースを空けてあげたが、密着度は高い。
でも和衣はひどく満足そうに抱き付いて来るから、祐介はその華奢な体を抱き寄せた。
「和衣、そんなこと思ってたの? 全然知らなかった」
「呆れた?」
「何で?」
亮の言葉で、祐介も何となくそっち方面のことだろうな、とは思っていたが、まさかそんなことだとは思ってもみなくて、少し驚きはしたけれど、和衣が落ち込むように呆れてはいない。
こういうことなら、祐介には話し出しにくいわけだ。
(でも亮に話すのも、同じくらい恥ずかしいんじゃないかなぁ…)
けれど、勉強のためにゲイのDVDを買って、睦月に見ようと誘うくらいの性格だから(しかも睦月を説き伏せて、実際に一緒に見たわけで)、そのくらいのことを亮に相談するなんて、恥ずかしい内に入らないのかもしれない。
「…何か俺、変だよね? 変な子になっちゃった。祐介、嫌になんないでね?」
「え、別に嫌になることなんてないし、変だとも思ってないけど?」
どうして和衣がここまで落ち込むのか、よく分からない。
そういうことを悩んでいたとか、亮に相談していたことが祐介にバレたとか、気にしているのだろうか。
それよりも祐介が気になるのは、さっき和衣があたふたしながら言ったセリフの最後、『そしたらね亮がね、ラブホ違うとことか教えるって…』の辺りだ。
以前、聞きもしないのに亮は、祐介におすすめのラブホテルを紹介してくれたのだが、もしかして今回も、和衣にそんな話をしたのではないだろうか。
だとすれば、和衣がずっとそわそわしていた理由も、分かる気がする。
これですべてが繋がった。
「…じゃ、行ってみる?」
「え、どこに?」
「和衣も、おすすめされたんでしょ? 亮から」
ちょっと困ったように眉を下げ、けれど祐介は全然困ったふうでなくそう言って、和衣の唇を優しく奪った。
*****
亮は、もっといろいろがんばりたい! と打ち明けた和衣の気持ちを汲んだのだろうか、勧められたラブホテルはいつもと全然違う雰囲気で、部屋に行くまでの間も、何だかドキドキしてしまう。
初めてのときほど、ラブホテルに緊張しなくなったはずなのに。
(亮も、よく来るのかな…)
亮の口振りからして、ここにも来たことがあるのは間違いなさそうだが、『よかったから』と言って勧めてくれたということは、もしかしたら睦月とよく利用しているのかもしれない。
(バッタリ会っちゃったら、ちょっと嫌かも…)
いくら親友とはいえ、いや、親友だからこそ、こんなところで出くわしたら、大変気まずい。
亮がどういうつもりで和衣たちにそんなことを教えてくれるのかは知らないが、鉢合わせして気まずいのは、亮も同じだろうに。
でもそのおかげで助かったのだから、亮には感謝だ。
「祐介も亮からラブホ、教えてもらったんでしょ?」
ソファはテーブルを挟んで対面に置かれていたけれど、少しでも離れがたくて、和衣は祐介の隣に座った。
1人で座るには大きいけれど、2人掛けと言われればちょっと小さいかも…というラブソファで、祐介は出来るだけ端に寄ってスペースを空けてあげたが、密着度は高い。
でも和衣はひどく満足そうに抱き付いて来るから、祐介はその華奢な体を抱き寄せた。
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