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暴君王子のおっしゃることには! (51)
2012.06.21 Thu
一伽 と 航平 と 志信
「ねぇねぇ航平くん、志信、ちょっと聞いて」
閉店後のozの店内。
せっせと後片付けをする2人に、同じくせっせと…かどうかは分かりかねるが、働いていた一伽が声を掛けると、志信は一応一伽のほうを見たが、航平は無視した。
「ねぇあのさ、ちょっと教えてほしいんだけど、もし俺に尽くされるとしたら、どんなことしてほしい?」
航平がわざと聞こえない振りをしていることを承知で、一伽はベラベラと自分の用件を喋り出した。
航平は、飽く迄も無視を決め込もうとしていたのだけれど、一伽の言葉に思わず、うん? と眉間に皺を寄せて振り返った。志信も変な顔をしている。
しかし一伽は真剣なのか、「何してほしい?」ともう1度言った。
「…………。お前、何やったんだ? 正直に言ってみろ、今だったら、許してやらないでもないから」
「いや、何もしてないし」
いきなり一伽が『尽くす』とか言い出したので、それは何か失敗したことへの償いのためかと航平は思ったようで、眉を寄せたままの怖い表情で、一伽の顔を覗き込んできた。
「なら、何だよ。何かしたから、そんなん言ってんだろ?」
「違うってば! 誰が航平くんに尽くすよ。そうじゃなくって、もし俺に尽くしてもらうんだったら、何がいいか、て聞いてんの!」
「お前なぁ、人に何か聞くのに、何でそんな偉そうなんだよっ。てか、何で俺に尽くす気ゼロなんだ、こんなに面倒見てんのにっ!」
「航平くんになんか、何も面倒見てもらってないしっ!」
「何だと!」
志信を抜きに、一伽と航平の会話はどんどんとヒートアップしていく。
一方で、1人冷静な志信は、こういうのって喧喧囂囂て言うの? それとも侃侃諤諤? そういえば喧喧諤諤て、喧喧囂囂と侃侃諤諤が一緒くたになって出来ちゃった言葉なんだよなぁ……とか、そんなどうでもいいことを思っていた。
というか、いつも思うんだけれど、この人たちって、ケンカ腰にならないと話が出来ないんだろうか。
「あのさぁ一伽くん、結局、最初の話はどうなっちゃったの?」
志信は大概空気の読めない男だが、2人の話が逸れまくったときは、それを軌道修正するのも彼の役目である。
声を掛けられて一伽は、「あ、そうだった」とか言っている。いつものパターン。
「ね、志信は? 志信は何してほしい?」
「えー…俺ぇ?」
そんなことよりも、後片付けはいいのだろうかと思うが、自分が答えなければ一伽の気は済まないのだろうと、志信は一応考える素振りを見せる。
「一伽くん、俺に尽くしてくれんの? そうだな、じゃあメイドさんの格好で、『お帰りなさいませ、ご主人様』て言っ」
「死ね志信」
一伽がしつこく聞くから答えたのに、バッサリと切り捨てられた。
航平は、そんな志信をかわいそうに思う反面、そりゃドン引きされても仕方ないわ、とも思う。もし自分に言われたのなら、蹴り飛ばすくらいでは済まない。
「真面目に考えろよ、クソ志信~~!!」
「考えてるよぉ~」
「なお悪いわっ」
一伽は志信の胸倉を掴み上げ、ガクガクと揺さぶる。
志信は長身のイケメンだけれど、秋葉原が聖地のオタクだから、メイドさんの一伽に『ご主人様』と言ってもらう発想は、本気で真面目だろう。
「じゃあ航平くんはっ!?」
志信じゃ話にならん、と一伽はその胸元から手を離すと、航平のほうに向き直った。
「え…お前に? そんなん、何か嫌だ」
「何でだよっ! 尽くすつってんじゃん!」
「だってお前、何も出来ねぇじゃん。それなのに何かしてもらうて……絶対ロクなことになんねぇし」
「いや、それは分かってんだって。分かってて聞いてんのっ! そんな俺でも出来そうなことを」
一伽だって、自分が何も出来ない子だというのは百も承知していて、そんな自分でも何か人に尽くせることはないかと、2人に聞きたいのに。
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「ねぇねぇ航平くん、志信、ちょっと聞いて」
閉店後のozの店内。
せっせと後片付けをする2人に、同じくせっせと…かどうかは分かりかねるが、働いていた一伽が声を掛けると、志信は一応一伽のほうを見たが、航平は無視した。
「ねぇあのさ、ちょっと教えてほしいんだけど、もし俺に尽くされるとしたら、どんなことしてほしい?」
航平がわざと聞こえない振りをしていることを承知で、一伽はベラベラと自分の用件を喋り出した。
航平は、飽く迄も無視を決め込もうとしていたのだけれど、一伽の言葉に思わず、うん? と眉間に皺を寄せて振り返った。志信も変な顔をしている。
しかし一伽は真剣なのか、「何してほしい?」ともう1度言った。
「…………。お前、何やったんだ? 正直に言ってみろ、今だったら、許してやらないでもないから」
「いや、何もしてないし」
いきなり一伽が『尽くす』とか言い出したので、それは何か失敗したことへの償いのためかと航平は思ったようで、眉を寄せたままの怖い表情で、一伽の顔を覗き込んできた。
「なら、何だよ。何かしたから、そんなん言ってんだろ?」
「違うってば! 誰が航平くんに尽くすよ。そうじゃなくって、もし俺に尽くしてもらうんだったら、何がいいか、て聞いてんの!」
「お前なぁ、人に何か聞くのに、何でそんな偉そうなんだよっ。てか、何で俺に尽くす気ゼロなんだ、こんなに面倒見てんのにっ!」
「航平くんになんか、何も面倒見てもらってないしっ!」
「何だと!」
志信を抜きに、一伽と航平の会話はどんどんとヒートアップしていく。
一方で、1人冷静な志信は、こういうのって喧喧囂囂て言うの? それとも侃侃諤諤? そういえば喧喧諤諤て、喧喧囂囂と侃侃諤諤が一緒くたになって出来ちゃった言葉なんだよなぁ……とか、そんなどうでもいいことを思っていた。
というか、いつも思うんだけれど、この人たちって、ケンカ腰にならないと話が出来ないんだろうか。
「あのさぁ一伽くん、結局、最初の話はどうなっちゃったの?」
志信は大概空気の読めない男だが、2人の話が逸れまくったときは、それを軌道修正するのも彼の役目である。
声を掛けられて一伽は、「あ、そうだった」とか言っている。いつものパターン。
「ね、志信は? 志信は何してほしい?」
「えー…俺ぇ?」
そんなことよりも、後片付けはいいのだろうかと思うが、自分が答えなければ一伽の気は済まないのだろうと、志信は一応考える素振りを見せる。
「一伽くん、俺に尽くしてくれんの? そうだな、じゃあメイドさんの格好で、『お帰りなさいませ、ご主人様』て言っ」
「死ね志信」
一伽がしつこく聞くから答えたのに、バッサリと切り捨てられた。
航平は、そんな志信をかわいそうに思う反面、そりゃドン引きされても仕方ないわ、とも思う。もし自分に言われたのなら、蹴り飛ばすくらいでは済まない。
「真面目に考えろよ、クソ志信~~!!」
「考えてるよぉ~」
「なお悪いわっ」
一伽は志信の胸倉を掴み上げ、ガクガクと揺さぶる。
志信は長身のイケメンだけれど、秋葉原が聖地のオタクだから、メイドさんの一伽に『ご主人様』と言ってもらう発想は、本気で真面目だろう。
「じゃあ航平くんはっ!?」
志信じゃ話にならん、と一伽はその胸元から手を離すと、航平のほうに向き直った。
「え…お前に? そんなん、何か嫌だ」
「何でだよっ! 尽くすつってんじゃん!」
「だってお前、何も出来ねぇじゃん。それなのに何かしてもらうて……絶対ロクなことになんねぇし」
「いや、それは分かってんだって。分かってて聞いてんのっ! そんな俺でも出来そうなことを」
一伽だって、自分が何も出来ない子だというのは百も承知していて、そんな自分でも何か人に尽くせることはないかと、2人に聞きたいのに。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
いっちゃんが、尽くす...(?(。_。).。o0O??
掃除・・・必要な物まで捨てられそう
洗濯・・・白物と色物を一緒に洗いそう
食事・・・食べれる物を作れるのか!?
あれ?(o゚ェ゚o:) な~にも ないぞぉ~~!
いっちゃんに 尽くして欲しいとは、違うけど・・・
きっと 周りの皆が望んでいるのは、「余計な事は、しないで欲しい」では ないのかな?
だって いっちゃんに尽くされれば尽くされる程、
その分と 正比例して 血を吸われるような気がするんだもんなぁ~(笑)
さてさて いっちゃんは、侑仁に 何を尽くすのでしょうか?
次回までの 宿題だぁ~♪
難問だ!_¢(´Д`;;;)o【勉強㊥】...byebye☆
掃除・・・必要な物まで捨てられそう
洗濯・・・白物と色物を一緒に洗いそう
食事・・・食べれる物を作れるのか!?
あれ?(o゚ェ゚o:) な~にも ないぞぉ~~!
いっちゃんに 尽くして欲しいとは、違うけど・・・
きっと 周りの皆が望んでいるのは、「余計な事は、しないで欲しい」では ないのかな?
だって いっちゃんに尽くされれば尽くされる程、
その分と 正比例して 血を吸われるような気がするんだもんなぁ~(笑)
さてさて いっちゃんは、侑仁に 何を尽くすのでしょうか?
次回までの 宿題だぁ~♪
難問だ!_¢(´Д`;;;)o【勉強㊥】...byebye☆
- |2012.06.21
- |Thu
- |09:02
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
けいったんさん! まさに仰るとおりでございます!! (笑)
はっきり言っていっちゃんに出来ることなど何1つないわけで……寧ろみんなが望んでいることは、何もしないで…、てことです!
> だって いっちゃんに尽くされれば尽くされる程、
> その分と 正比例して 血を吸われるような気がするんだもんなぁ~(笑)
いえいえ、正比例なんて、そんなかわいいもんじゃないですよ!
倍返しです(爆)
侑仁さん、一体どんな目に遭わされるのか……単なる血液バンクに成り下がらないように、ビシッとしてもらわないとですね(^_^;)
コメントありがとうございました!
はっきり言っていっちゃんに出来ることなど何1つないわけで……寧ろみんなが望んでいることは、何もしないで…、てことです!
> だって いっちゃんに尽くされれば尽くされる程、
> その分と 正比例して 血を吸われるような気がするんだもんなぁ~(笑)
いえいえ、正比例なんて、そんなかわいいもんじゃないですよ!
倍返しです(爆)
侑仁さん、一体どんな目に遭わされるのか……単なる血液バンクに成り下がらないように、ビシッとしてもらわないとですね(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2012.06.21
- |Thu
- |23:16
- |URL
- |EDIT|