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暴君王子のおっしゃることには! (52)
2012.06.22 Fri
「一伽くん、誰かそういう尽くしたい人がいるの?」
「うん」
「誰だ、その犠牲者は」
「侑仁」
志信と航平に問い詰められ、しかしまぁ隠す気もないので、一伽はあっさりと白状する(ていうか、犠牲者て!)。
侑仁のことを知らない志信はもちろん、誰それ、という顔をしたが、航平は「はぁ~~~~~~~????」と声を大きくした。
「なっ何、は? 何言って、は? はぁっ!?」
「……航平くんこそ、何なの?」
驚き過ぎてちゃんと喋れていない航平に、一伽が冷ややかな視線を向ける。
そうさせたのは紛れもなく一伽の発言なのだが、今の航平には、それに突っ込むだけの余裕もなく、あんぐりと口を開けている。
「一伽くん、その侑仁て人に尽くしたいの? でも『侑仁』て男の人なんじゃないの? 女の子の名前じゃないよね?」
航平が機能停止してしまっているので、志信が代わりに聞いてみる。
いくら志信が侑仁のことを知らなくても、航平の反応からして、彼も侑仁の知り合いだろうことは分かるし、大体名前からして男でることも分かるのだが、女の子大好きの一伽が、一体全体どうして男になんか尽くそうとするのか、それが分からない。
「いや、侑仁から血飲ませてもらおうと思って」
「え、やっぱり宗旨替えしたの? その人に尽くしてまで、男の血飲みたいんだ?」
「飲みたいていうか…、まぁ、いざっていうときのための」
「いざ?」
普段は、町で見かけたよさそうな女の子に声を掛けて吸血しているんだけれど、それに応えてくれる子がなかなか見つからなかったり、探す気力すらなかったりするときのために、連絡したら血を吸わせてくれる子が、何人かいて。
侑仁にも、そういう人になってもらいたいなぁ、と一伽は思ったのだ。
「え…でも、男なんだよね? その人」
「まぁ…うん。いや、俺も出来れば女の子のほうがいいけど、『いざというとき要員』は多いに越したことないじゃん? それに侑仁て男で体格いいから、一遍にいっぱい飲めて便利だし」
「便利…」
その発想てどうなの? 人として、大きく間違ってるんじゃ…?
いやでも吸血鬼だから構わないのか? しかし、同じ地球上に住まう生物(それも限りなく人間に近く、人間と同じ生活を行っているもの)として、やはりダメな気がする。
「でもさぁ、侑仁にそういう人になってよ! てお願いしたら、『俺には何のメリットもないじゃん』とか言われて」
「お願いしたんだ…、本人に。面と向かって」
「うん。でもさ、確かに侑仁の言うとおりだな、て思って。人間だってご飯食べるのに、外食ならお金払うし、自分で作るのにも材料買ってくるし、ねぇ? 俺だってやっぱ、それ相応の何かを返さなきゃかな、て」
「そう…だねぇ…」
本人を前にして、よくもそんなことをはっきりと言えたものだが、それでも、何か返さなければ、と思っただけでも、まだいいほうなのだろうか。
返答に詰まる志信をよそに、一伽は思いの丈を喋り続ける。
「でもさ、俺、何も出来ないじゃん? ましてや人のために何かするなんて、絶対無理だからさぁ、2人の意見を参考にしようと思って」
「そっかぁー…」
尽くす、とは聞こえがいいけれど、そこにはスーパー打算的な理由があったのだ。
さすがに志信も、何と言ったらいいか分からない…という顔で、曖昧に笑った。
「ねぇ、航平くんはどう思う? どんなことしたら、侑仁、血飲ませてくれるかな?」
「おま…あの、おま…」
「何? 大丈夫?」
いつまでも呆然としている航平に、一伽は眉を寄せるが、やはり航平はそれどころではない。
侑仁がそれに納得して、一伽に血を吸わせてやるというのなら別に止めないが、そうでないのなら、とんでもないヤツに目を付けられたものだと思う。
まぁ、以前聞いたような、とんでもなく無理やりな吸血を思えば、まだマシなほうなのかもしれないが。
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「うん」
「誰だ、その犠牲者は」
「侑仁」
志信と航平に問い詰められ、しかしまぁ隠す気もないので、一伽はあっさりと白状する(ていうか、犠牲者て!)。
侑仁のことを知らない志信はもちろん、誰それ、という顔をしたが、航平は「はぁ~~~~~~~????」と声を大きくした。
「なっ何、は? 何言って、は? はぁっ!?」
「……航平くんこそ、何なの?」
驚き過ぎてちゃんと喋れていない航平に、一伽が冷ややかな視線を向ける。
そうさせたのは紛れもなく一伽の発言なのだが、今の航平には、それに突っ込むだけの余裕もなく、あんぐりと口を開けている。
「一伽くん、その侑仁て人に尽くしたいの? でも『侑仁』て男の人なんじゃないの? 女の子の名前じゃないよね?」
航平が機能停止してしまっているので、志信が代わりに聞いてみる。
いくら志信が侑仁のことを知らなくても、航平の反応からして、彼も侑仁の知り合いだろうことは分かるし、大体名前からして男でることも分かるのだが、女の子大好きの一伽が、一体全体どうして男になんか尽くそうとするのか、それが分からない。
「いや、侑仁から血飲ませてもらおうと思って」
「え、やっぱり宗旨替えしたの? その人に尽くしてまで、男の血飲みたいんだ?」
「飲みたいていうか…、まぁ、いざっていうときのための」
「いざ?」
普段は、町で見かけたよさそうな女の子に声を掛けて吸血しているんだけれど、それに応えてくれる子がなかなか見つからなかったり、探す気力すらなかったりするときのために、連絡したら血を吸わせてくれる子が、何人かいて。
侑仁にも、そういう人になってもらいたいなぁ、と一伽は思ったのだ。
「え…でも、男なんだよね? その人」
「まぁ…うん。いや、俺も出来れば女の子のほうがいいけど、『いざというとき要員』は多いに越したことないじゃん? それに侑仁て男で体格いいから、一遍にいっぱい飲めて便利だし」
「便利…」
その発想てどうなの? 人として、大きく間違ってるんじゃ…?
いやでも吸血鬼だから構わないのか? しかし、同じ地球上に住まう生物(それも限りなく人間に近く、人間と同じ生活を行っているもの)として、やはりダメな気がする。
「でもさぁ、侑仁にそういう人になってよ! てお願いしたら、『俺には何のメリットもないじゃん』とか言われて」
「お願いしたんだ…、本人に。面と向かって」
「うん。でもさ、確かに侑仁の言うとおりだな、て思って。人間だってご飯食べるのに、外食ならお金払うし、自分で作るのにも材料買ってくるし、ねぇ? 俺だってやっぱ、それ相応の何かを返さなきゃかな、て」
「そう…だねぇ…」
本人を前にして、よくもそんなことをはっきりと言えたものだが、それでも、何か返さなければ、と思っただけでも、まだいいほうなのだろうか。
返答に詰まる志信をよそに、一伽は思いの丈を喋り続ける。
「でもさ、俺、何も出来ないじゃん? ましてや人のために何かするなんて、絶対無理だからさぁ、2人の意見を参考にしようと思って」
「そっかぁー…」
尽くす、とは聞こえがいいけれど、そこにはスーパー打算的な理由があったのだ。
さすがに志信も、何と言ったらいいか分からない…という顔で、曖昧に笑った。
「ねぇ、航平くんはどう思う? どんなことしたら、侑仁、血飲ませてくれるかな?」
「おま…あの、おま…」
「何? 大丈夫?」
いつまでも呆然としている航平に、一伽は眉を寄せるが、やはり航平はそれどころではない。
侑仁がそれに納得して、一伽に血を吸わせてやるというのなら別に止めないが、そうでないのなら、とんでもないヤツに目を付けられたものだと思う。
まぁ、以前聞いたような、とんでもなく無理やりな吸血を思えば、まだマシなほうなのかもしれないが。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
o(* ̄ー『+』) ロックオン!!
一度 いっちゃんに狙われたら 何所までも 何をしても 逃れそうにない!?
それとも 友達の一大事だから 航平が 助けてくれるのかな?
(きっと!絶対! 無理でしょうけど(笑))
侑仁・・・
とにかく 逃げて~~~
ニゲロー!(・ω´・ ;)))) 血 クレ~♪ヽ(゚ε゚ヽ)))))ブチュチュチューッ!...byebye☆
一度 いっちゃんに狙われたら 何所までも 何をしても 逃れそうにない!?
それとも 友達の一大事だから 航平が 助けてくれるのかな?
(きっと!絶対! 無理でしょうけど(笑))
侑仁・・・
とにかく 逃げて~~~
ニゲロー!(・ω´・ ;)))) 血 クレ~♪ヽ(゚ε゚ヽ)))))ブチュチュチューッ!...byebye☆
- |2012.06.22
- |Fri
- |11:43
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
なぜかいいように目を付けられてしまった侑仁さん。
いっちゃん、どうしても侑仁さんちで、涼みながら寛ぎたいようです(笑)
一応、気を遣おうとはしてますが、航平くん、ちゃんと防波堤になれるのか…………まぁ無理でしょうけど(笑)
> ニゲロー!(・ω´・ ;)))) 血 クレ~♪ヽ(゚ε゚ヽ)))))ブチュチュチューッ
↑こ…これは…!!
侑仁さん、逃げ切れるの!!??
コメントありがとうございました!
いっちゃん、どうしても侑仁さんちで、涼みながら寛ぎたいようです(笑)
一応、気を遣おうとはしてますが、航平くん、ちゃんと防波堤になれるのか…………まぁ無理でしょうけど(笑)
> ニゲロー!(・ω´・ ;)))) 血 クレ~♪ヽ(゚ε゚ヽ)))))ブチュチュチューッ
↑こ…これは…!!
侑仁さん、逃げ切れるの!!??
コメントありがとうございました!
- |2012.06.22
- |Fri
- |23:41
- |URL
- |EDIT|