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僕らの青春に明日はない (95)
2010.06.06 Sun
「2人とも、紅茶のおかわり、いる?」
隣の席を片付け終えた朋文が、笑顔で睦月と和衣に尋ねて来た。
相変わらず王子様みたいキラキラしているし、動きもスマートだし、笑顔もすてきだし、これで一体どうして、いつも譲に怒鳴られているのか、2人は不思議でならない。
「それか、ケーキのおかわりにする? カズちゃんが女装コンテストで2位だったから、譲がお祝いに、今日は2人ともいくらでもどうぞ、て」
「マジで!?」
ご馳走してもらえるの!? と、先に食い付いたのは睦月だ。
和衣も、ケーキのおかわりに心を奪われそうになったが、次の瞬間、とんでもないことにふと気付き、それどころではなくなった。
「朋文…何で知ってんの? 譲も…」
「何を?」
「コンテスト、2位とか…」
学園祭の前にSpicaに来たとき、和衣が女装コンテストに出るという話は、朋文にしたけれど、その結果はまだ伝えていないはず。
いくら睦月でも、それを伝えるためだけにSpicaには来ないだろうし、他の誰かといっても、この店の客に、和衣と朋文に共通の知り合いなんていない。
とっても嫌な予感がする。
「朋文…?」
「えー、だって、譲と一緒にコンテスト見に行ったからさぁ」
「ッッッ…!!!!」
朋文は事も無げにそう言ったが、和衣のダメージは大きかった。
嫌な予感は、しっかりバッチリ当たった。
和衣は全然観客のほうを見れていなかったけれど、あの会場のどこかに、朋文はいたのだ。
しかし今になって思えば、亮や睦月たちだけでなく、和衣の知り合いなら、いくらでも会場にいた可能性はある。毎年、女装コンテストは人気のイベントだと言うし、多いにあり得る。
そんな中で、あんな失態を…。
「カズちゃん? カズちゃーん?」
「うぅ…、立ち直れないかも…」
「何で? 大丈夫、他のどの子よりも、カズちゃんが一番かわいかったよ?」
まるでドラマか、映画か。
爽やかなスマイルで、サラリと歯の浮くような決め台詞を吐いた朋文に、睦月はポカンとなった後、腹を抱えて笑い出した。
こんな台詞、実際に言って様になるなんて、この男くらいだろう。
ただ、かわいいとはいえ、男子大学生に向かって使う言葉ではないが。
「ううぅ…他人事だと思って…」
和衣が落ち込むのは、何も自分の女装が人と比べて劣っているから、というわけではない。
見当違いな慰めをされたうえ、それに受けて睦月が爆笑するから、和衣の気持ちはさらに沈み込んでいく。
「まぁまぁカズちゃん。おいしいケーキ食べて、元気出そ?」
これまた何の慰めにもならない言葉を掛けて、睦月がさっそくメニューを覗き込んだ。
「おぅ、好きなケーキ頼めよ。今日はご馳走するからさ」
先ほどお客が帰って、店内に和衣と睦月しかいなくなった気軽さで、珍しく譲もカウンターから出て、2人の席にやって来た。
隣の席を片付け終えた朋文が、笑顔で睦月と和衣に尋ねて来た。
相変わらず王子様みたいキラキラしているし、動きもスマートだし、笑顔もすてきだし、これで一体どうして、いつも譲に怒鳴られているのか、2人は不思議でならない。
「それか、ケーキのおかわりにする? カズちゃんが女装コンテストで2位だったから、譲がお祝いに、今日は2人ともいくらでもどうぞ、て」
「マジで!?」
ご馳走してもらえるの!? と、先に食い付いたのは睦月だ。
和衣も、ケーキのおかわりに心を奪われそうになったが、次の瞬間、とんでもないことにふと気付き、それどころではなくなった。
「朋文…何で知ってんの? 譲も…」
「何を?」
「コンテスト、2位とか…」
学園祭の前にSpicaに来たとき、和衣が女装コンテストに出るという話は、朋文にしたけれど、その結果はまだ伝えていないはず。
いくら睦月でも、それを伝えるためだけにSpicaには来ないだろうし、他の誰かといっても、この店の客に、和衣と朋文に共通の知り合いなんていない。
とっても嫌な予感がする。
「朋文…?」
「えー、だって、譲と一緒にコンテスト見に行ったからさぁ」
「ッッッ…!!!!」
朋文は事も無げにそう言ったが、和衣のダメージは大きかった。
嫌な予感は、しっかりバッチリ当たった。
和衣は全然観客のほうを見れていなかったけれど、あの会場のどこかに、朋文はいたのだ。
しかし今になって思えば、亮や睦月たちだけでなく、和衣の知り合いなら、いくらでも会場にいた可能性はある。毎年、女装コンテストは人気のイベントだと言うし、多いにあり得る。
そんな中で、あんな失態を…。
「カズちゃん? カズちゃーん?」
「うぅ…、立ち直れないかも…」
「何で? 大丈夫、他のどの子よりも、カズちゃんが一番かわいかったよ?」
まるでドラマか、映画か。
爽やかなスマイルで、サラリと歯の浮くような決め台詞を吐いた朋文に、睦月はポカンとなった後、腹を抱えて笑い出した。
こんな台詞、実際に言って様になるなんて、この男くらいだろう。
ただ、かわいいとはいえ、男子大学生に向かって使う言葉ではないが。
「ううぅ…他人事だと思って…」
和衣が落ち込むのは、何も自分の女装が人と比べて劣っているから、というわけではない。
見当違いな慰めをされたうえ、それに受けて睦月が爆笑するから、和衣の気持ちはさらに沈み込んでいく。
「まぁまぁカズちゃん。おいしいケーキ食べて、元気出そ?」
これまた何の慰めにもならない言葉を掛けて、睦月がさっそくメニューを覗き込んだ。
「おぅ、好きなケーキ頼めよ。今日はご馳走するからさ」
先ほどお客が帰って、店内に和衣と睦月しかいなくなった気軽さで、珍しく譲もカウンターから出て、2人の席にやって来た。
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