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僕らの青春に明日はない (78)
2010.05.20 Thu
「てかカズくん、彼氏さんにちゃんと手振った?」
「振って、ない…」
「振りなよ」
そう言われても、祐介のほうを向くのも何だか恥ずかしくて、ステージに上がった最初に、真大に言われてそちらを見て以来、視線すら向けていなかった。
それに、単に恥ずかしいというのもあるが、ステージ上がってからの数々の失態に、きっと愛菜と眞織が凄く怒っている…! と思ったら、怖くて見れないのも事実だ。
(一生懸命謝ったら、許してくれるかなぁ…)
きっと旅行券は無理だろうから、どんな償いをしたら、許してもらえるだろう。
精一杯に手を振りながら、和衣は纏まらない思考で、謝罪の言葉を考えていた。
***
投開票が終わり、とうとう結果発表が始まる。
司会者が結果の書かれた紙を受け取り、大げさなまでに恭しい態度でそれを広げ、わざとらしく咳払いをするから、会場からも笑いが漏れるが、和衣はそれどころではない。
参加賞以外の賞品が出るのは5位以上だが、順位は最下位からすべて発表されるので、和衣は、旅行券は無理でも、せめて最下位だけにはなりませんように! と、お祈りしなければ。
和衣が必死にお祈りをしていたら、会場がどよめいて、和衣の隣にいたゴツいメイドさんがペコリと頭を下げた。どうやら彼が最下位だったようだ。
(よ…よかった…)
最下位にならなかったというだけで、和衣はホッと気が抜けて、その場にへたり込みそうになってしまう。
どうせ旅行券なんて無理だから、順位が発表されるたびに拍手をしているだけでいい。あとは、愛菜たちへの言い訳を考えるのと…。
(でも…何て言おう…)
何か言い訳するまでもなく、愛菜も眞織も、和衣のダメダメっぷりを見ていたのだから、何を言っても無駄な気もするが。
(あーもぉヤダよぉ…。こんな恥ずかしい思いして、愛菜ちゃんたちにも怒られて、一体何のためのコンテストだったんだろ。祐介にはがんばるって言ったけど、全然がんばれてないし、……はぁ…)
根本的にネガティブな和衣は、1度考え出すと、悪いほうへ悪いほうへと、物事を考えがちだ。
だから、会場がどんどん盛り上がっていくのとは全然比例せず、和衣の気持ちはどんどん下向きになっていく。
(もう拍手する元気もない…)
はぁ…と、溜め息とともに、和衣は気の入っていない拍手すらも、やめてしまった。
大体、投票はもう終わったのだ。今さらアピールする必要もないのだから、もうステージから下ろしてほしい。
『第2位は――――九条和衣さんで~~~す!!!』
(もう帰りたい…。こっそり帰っちゃえばバレないかな。でも、愛菜ちゃんたちに…)
「カズくん、カズくん…!」
『九条さん、第2位ですよ~! 九条さ~ん!』
クイクイと隣の真大に腕を引かれるが、とてつもなく落ち込んでいる和衣は、まったくそれに気が付かない。
「振って、ない…」
「振りなよ」
そう言われても、祐介のほうを向くのも何だか恥ずかしくて、ステージに上がった最初に、真大に言われてそちらを見て以来、視線すら向けていなかった。
それに、単に恥ずかしいというのもあるが、ステージ上がってからの数々の失態に、きっと愛菜と眞織が凄く怒っている…! と思ったら、怖くて見れないのも事実だ。
(一生懸命謝ったら、許してくれるかなぁ…)
きっと旅行券は無理だろうから、どんな償いをしたら、許してもらえるだろう。
精一杯に手を振りながら、和衣は纏まらない思考で、謝罪の言葉を考えていた。
***
投開票が終わり、とうとう結果発表が始まる。
司会者が結果の書かれた紙を受け取り、大げさなまでに恭しい態度でそれを広げ、わざとらしく咳払いをするから、会場からも笑いが漏れるが、和衣はそれどころではない。
参加賞以外の賞品が出るのは5位以上だが、順位は最下位からすべて発表されるので、和衣は、旅行券は無理でも、せめて最下位だけにはなりませんように! と、お祈りしなければ。
和衣が必死にお祈りをしていたら、会場がどよめいて、和衣の隣にいたゴツいメイドさんがペコリと頭を下げた。どうやら彼が最下位だったようだ。
(よ…よかった…)
最下位にならなかったというだけで、和衣はホッと気が抜けて、その場にへたり込みそうになってしまう。
どうせ旅行券なんて無理だから、順位が発表されるたびに拍手をしているだけでいい。あとは、愛菜たちへの言い訳を考えるのと…。
(でも…何て言おう…)
何か言い訳するまでもなく、愛菜も眞織も、和衣のダメダメっぷりを見ていたのだから、何を言っても無駄な気もするが。
(あーもぉヤダよぉ…。こんな恥ずかしい思いして、愛菜ちゃんたちにも怒られて、一体何のためのコンテストだったんだろ。祐介にはがんばるって言ったけど、全然がんばれてないし、……はぁ…)
根本的にネガティブな和衣は、1度考え出すと、悪いほうへ悪いほうへと、物事を考えがちだ。
だから、会場がどんどん盛り上がっていくのとは全然比例せず、和衣の気持ちはどんどん下向きになっていく。
(もう拍手する元気もない…)
はぁ…と、溜め息とともに、和衣は気の入っていない拍手すらも、やめてしまった。
大体、投票はもう終わったのだ。今さらアピールする必要もないのだから、もうステージから下ろしてほしい。
『第2位は――――九条和衣さんで~~~す!!!』
(もう帰りたい…。こっそり帰っちゃえばバレないかな。でも、愛菜ちゃんたちに…)
「カズくん、カズくん…!」
『九条さん、第2位ですよ~! 九条さ~ん!』
クイクイと隣の真大に腕を引かれるが、とてつもなく落ち込んでいる和衣は、まったくそれに気が付かない。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Aさん
カズちゃん、何とか旅行券はゲットです。
でも本人、全然気付いてませんが…(^_^;)
カズちゃんが2位ということはもちろん優勝は…(ニヤリ)
明日の更新をお楽しみにです! (…というほどハラハラする展開じゃないですね(苦笑))
拍手&コメントありがとうございました!
でも本人、全然気付いてませんが…(^_^;)
カズちゃんが2位ということはもちろん優勝は…(ニヤリ)
明日の更新をお楽しみにです! (…というほどハラハラする展開じゃないですね(苦笑))
拍手&コメントありがとうございました!