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僕らの青春に明日はない (36)
2010.04.08 Thu
「好きで女装をする人なんて、まぁ、いなくはないだろうけど、そういないし、開き直ってノリでやるしかないんじゃない? カズちゃんならかわいいって言ってもらえるだろうけど、俺がやったときなんて、ホント、いい笑いモンだったからね」
「朋文も女装、したことあんの?」
かわいい、て…! と憤慨するよりも、朋文の女装ということに驚いてしまって、文句を言うタイミングをなくしてしまった。
「あるよ、高校と大学のころ。俺、身長180もあるじゃん? さすがにこんな背の高い女の子って、滅多にいないからねぇ。譲は似合ってたけど、俺なんて服のサイズも全然合ってないし、ひどかったよねぇ」
「ッ!?」
ひどかったと言いながらも、朋文は、あははーとのん気に笑っている。
確かに、この体格で女装をすれば、ひどいかもしれないけれど、そうでなくて、そこ笑うとこ? て突っ込みたい気もするけれど、それ以前に、
「譲も、女装したことあんの…!?」
しかも似合ってたの!?
と、そちらのほうに驚きすぎてしまって、和衣はすっかり言葉を失ってしまって、何も言えなかった。
そして、さすがにこれには睦月もギョッとしてしまって、すくったアイスを口に運ぶ途中で固まっている(もちろん口もそのまま開けっ放しで)。
「あるよ? 譲、かわいかったからねぇ」
「…かわいい…?」
和衣と睦月は、そっとカウンターのほうを窺う。
そこでは、いかつい坊主頭がせっせとパフェ作りに励んでいたが、申し訳ないけれど、完成したパフェと並んでも、それが似合うかわいさがあるとは言い難い。
「譲が、かわいい…?」
確認するようにゆっくりと視線を朋文に戻すが、朋文は、俺、何か変なこと言った? という顔で、驚く2人を見ている。
「当時はまだ、髪の毛あったから」
「髪の毛…」
譲のオシャレ坊主がいつから始まったのかは知らないが、和衣たちが出会ったときには、すでに今の、かわいいという言葉からは無縁の、男っぽい姿だった。
優しい性格の持ち主だが、見た目だけで判断すると、その筋の人と間違われても仕方がないといった風体。
その譲が、坊主頭でないというだけで、かわいい?
(あり得ねぇ…)
はっきり言って、俄かには信じ難い。
和衣と睦月は目を見合わせてから、再び譲のほうに視線を向ければ、ちょうどもう1つのパフェを完成させたところだった。
「朋文! 何してんだ、早くしろ!」
「ゴメーン」
店のオーナーとはいえ、朋文は営業時間中、フロア係だ。
ちゃんと仕事をしろと、カウンターの向こうで譲が睨みを利かす。
「ゴ、ゴメンね、朋文! 引き止めちゃって…!」
「いいえ、ごゆっくり」
朋文を引き止めたとはいえ、和衣たちはお客なのだから、そんなに謝る必要もなかったし、譲も和衣たちを咎めたわけではなかったが、その睨みに思わず謝罪の言葉が出てしまった。
そのくらい、迫力のある雰囲気を纏っているのだ、譲は。
「譲が、かわいかった…?」
「女装…似合ってたって…」
カウンターに戻った朋文が、譲に思い切りど突かれている。
どう見ても、"かわいい"という言葉とは、無縁の男のように思えた。
「朋文も女装、したことあんの?」
かわいい、て…! と憤慨するよりも、朋文の女装ということに驚いてしまって、文句を言うタイミングをなくしてしまった。
「あるよ、高校と大学のころ。俺、身長180もあるじゃん? さすがにこんな背の高い女の子って、滅多にいないからねぇ。譲は似合ってたけど、俺なんて服のサイズも全然合ってないし、ひどかったよねぇ」
「ッ!?」
ひどかったと言いながらも、朋文は、あははーとのん気に笑っている。
確かに、この体格で女装をすれば、ひどいかもしれないけれど、そうでなくて、そこ笑うとこ? て突っ込みたい気もするけれど、それ以前に、
「譲も、女装したことあんの…!?」
しかも似合ってたの!?
と、そちらのほうに驚きすぎてしまって、和衣はすっかり言葉を失ってしまって、何も言えなかった。
そして、さすがにこれには睦月もギョッとしてしまって、すくったアイスを口に運ぶ途中で固まっている(もちろん口もそのまま開けっ放しで)。
「あるよ? 譲、かわいかったからねぇ」
「…かわいい…?」
和衣と睦月は、そっとカウンターのほうを窺う。
そこでは、いかつい坊主頭がせっせとパフェ作りに励んでいたが、申し訳ないけれど、完成したパフェと並んでも、それが似合うかわいさがあるとは言い難い。
「譲が、かわいい…?」
確認するようにゆっくりと視線を朋文に戻すが、朋文は、俺、何か変なこと言った? という顔で、驚く2人を見ている。
「当時はまだ、髪の毛あったから」
「髪の毛…」
譲のオシャレ坊主がいつから始まったのかは知らないが、和衣たちが出会ったときには、すでに今の、かわいいという言葉からは無縁の、男っぽい姿だった。
優しい性格の持ち主だが、見た目だけで判断すると、その筋の人と間違われても仕方がないといった風体。
その譲が、坊主頭でないというだけで、かわいい?
(あり得ねぇ…)
はっきり言って、俄かには信じ難い。
和衣と睦月は目を見合わせてから、再び譲のほうに視線を向ければ、ちょうどもう1つのパフェを完成させたところだった。
「朋文! 何してんだ、早くしろ!」
「ゴメーン」
店のオーナーとはいえ、朋文は営業時間中、フロア係だ。
ちゃんと仕事をしろと、カウンターの向こうで譲が睨みを利かす。
「ゴ、ゴメンね、朋文! 引き止めちゃって…!」
「いいえ、ごゆっくり」
朋文を引き止めたとはいえ、和衣たちはお客なのだから、そんなに謝る必要もなかったし、譲も和衣たちを咎めたわけではなかったが、その睨みに思わず謝罪の言葉が出てしまった。
そのくらい、迫力のある雰囲気を纏っているのだ、譲は。
「譲が、かわいかった…?」
「女装…似合ってたって…」
カウンターに戻った朋文が、譲に思い切りど突かれている。
どう見ても、"かわいい"という言葉とは、無縁の男のように思えた。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 見たい!
譲くんの女装~~~?!
いやぁ、ちょっと予想外なwww
こちらも恋は盲目? それとも本気で似合ってた?( ´艸`)ムププ♪
そうそう、開き直りが肝心だよ、人間なんて!
そうそうない機会なんだから、楽しむんだカズちゃん!
むっちゃん、もう一押し!! ←w
いやぁ、ちょっと予想外なwww
こちらも恋は盲目? それとも本気で似合ってた?( ´艸`)ムププ♪
そうそう、開き直りが肝心だよ、人間なんて!
そうそうない機会なんだから、楽しむんだカズちゃん!
むっちゃん、もう一押し!! ←w
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 譲くんの女装~~~?!
> いやぁ、ちょっと予想外なwww
> こちらも恋は盲目? それとも本気で似合ってた?( ´艸`)ムププ♪
まさかの女装経験者、譲タン。
本当に似合っていたかどうかは、朋文さんのみが知っておりますww
> そうそう、開き直りが肝心だよ、人間なんて!
> そうそうない機会なんだから、楽しむんだカズちゃん!
> むっちゃん、もう一押し!! ←w
カズちゃん、いい加減に覚悟を決めろよ~~~!! と、書きながら自分でも何度となく思ったのですが、まだまだ開き直れないカズちゃん…。
むっちゃんは、ぐずぐずしてるカズちゃんには、一応、慣れっこなんですけどね。。。
コメントありがとうございました!
> いやぁ、ちょっと予想外なwww
> こちらも恋は盲目? それとも本気で似合ってた?( ´艸`)ムププ♪
まさかの女装経験者、譲タン。
本当に似合っていたかどうかは、朋文さんのみが知っておりますww
> そうそう、開き直りが肝心だよ、人間なんて!
> そうそうない機会なんだから、楽しむんだカズちゃん!
> むっちゃん、もう一押し!! ←w
カズちゃん、いい加減に覚悟を決めろよ~~~!! と、書きながら自分でも何度となく思ったのですが、まだまだ開き直れないカズちゃん…。
むっちゃんは、ぐずぐずしてるカズちゃんには、一応、慣れっこなんですけどね。。。
コメントありがとうございました!