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愛してほしい日々 (8)
2010.01.16 Sat
「翔真くん? 何? そんなに嫌?」
「いや、そうじゃないけど、いろんな意味でドキドキする」
まさか中学生じゃあるまいし、好きな子と手を繋ぐこと自体へのドキドキはそうないけれど、周りにこんなに人がいる中では、バレるんじゃないか、てドキドキはする。
「大丈夫だよ、チューでもしなきゃね?」
「バッ…」
ニヤリと笑った真大の頭を小突こうとして、反射的に動いた利き手の左手が、実は真大に繋がれているほうだということに気付いて、翔真は慌てて手を引っ込めた。
小指とはいえ手を繋いでいるんだから、翔真が何をしようとしたかなんて、真大にもすぐ分かる。それが分かって、おかしくて、そしてちょっと切なかった。
ちっちゃな子ならまだしも、いい年をした男同士が人前で手を繋いでいて、普通の目で見られないことなら、真大だってよく分かっている。
翔真との関係を別に疾しいことだとは思っていないけれど、でも世間的には普通ではないこと。
……神様の前でこんなことしちゃって、罰とか当たっちゃうんだろうか。
僕たち何も悪いことしてません! て一生懸命言い訳すれば、許してくれるかな。
「あ、小銭ない」
ようやく順番が回って来て、繋いだ指が解けて。
取り出した財布の中を覗いた真大が一言。
「………………、マジで?」
10円とはいえ、先ほど1度はお賽銭を入れてお参りした翔真はともかく、参拝するためにこの行列に並んでおいて、お賽銭がないとか、絶対あり得ない。
「お前、毎年来てんだろ? 何で賽銭忘れるわけ?」
「普通に入ってると思ってた。1円しかない。1円じゃ、やっぱまずいよね?」
「気持ちの問題だろ?」
そういえばさっき、和衣にも同じセリフを言った。
彼が悩んでいたのは、100円で足りるかどうかのようだったけれど。
「気持ちの問題だからだって!」
「はぁ?」
「気持ち的に、1円じゃ足りない気がする」
「……」
あぁ、もう面倒くさい!
翔真は自分の財布を取り出すと、10円玉を真大の手に握らせてやった。
財布の中には100円玉も500円玉もあったけれど、翔真だって10円だったんだから、これで十分だ。
「ありがと、翔真くん」
とっても軽い調子でお礼を言われ、翔真は仕方ないな、て溜め息を零す。
元日早々これじゃあ、やっぱり今年も1年、真大に振り回されそうな予感。
でもそれを嫌と思わない自分がいて。
結局、それだけ真大にベタ惚れなんだって思い知らされた気がして、それこそ元日早々、しかも神様の前で一体何考えてるんだろう、て翔真は恥ずかしくなった。
「翔真くん、これからどこ行く?」
「ぅ、ん?」
自然といろいろなことを考えていた翔真は、ふいに真大に声を掛けられ、ハッと意識を戻した。
どうやらいつの間にか、真大のお参りは終わっていたらしい。
「いや、そうじゃないけど、いろんな意味でドキドキする」
まさか中学生じゃあるまいし、好きな子と手を繋ぐこと自体へのドキドキはそうないけれど、周りにこんなに人がいる中では、バレるんじゃないか、てドキドキはする。
「大丈夫だよ、チューでもしなきゃね?」
「バッ…」
ニヤリと笑った真大の頭を小突こうとして、反射的に動いた利き手の左手が、実は真大に繋がれているほうだということに気付いて、翔真は慌てて手を引っ込めた。
小指とはいえ手を繋いでいるんだから、翔真が何をしようとしたかなんて、真大にもすぐ分かる。それが分かって、おかしくて、そしてちょっと切なかった。
ちっちゃな子ならまだしも、いい年をした男同士が人前で手を繋いでいて、普通の目で見られないことなら、真大だってよく分かっている。
翔真との関係を別に疾しいことだとは思っていないけれど、でも世間的には普通ではないこと。
……神様の前でこんなことしちゃって、罰とか当たっちゃうんだろうか。
僕たち何も悪いことしてません! て一生懸命言い訳すれば、許してくれるかな。
「あ、小銭ない」
ようやく順番が回って来て、繋いだ指が解けて。
取り出した財布の中を覗いた真大が一言。
「………………、マジで?」
10円とはいえ、先ほど1度はお賽銭を入れてお参りした翔真はともかく、参拝するためにこの行列に並んでおいて、お賽銭がないとか、絶対あり得ない。
「お前、毎年来てんだろ? 何で賽銭忘れるわけ?」
「普通に入ってると思ってた。1円しかない。1円じゃ、やっぱまずいよね?」
「気持ちの問題だろ?」
そういえばさっき、和衣にも同じセリフを言った。
彼が悩んでいたのは、100円で足りるかどうかのようだったけれど。
「気持ちの問題だからだって!」
「はぁ?」
「気持ち的に、1円じゃ足りない気がする」
「……」
あぁ、もう面倒くさい!
翔真は自分の財布を取り出すと、10円玉を真大の手に握らせてやった。
財布の中には100円玉も500円玉もあったけれど、翔真だって10円だったんだから、これで十分だ。
「ありがと、翔真くん」
とっても軽い調子でお礼を言われ、翔真は仕方ないな、て溜め息を零す。
元日早々これじゃあ、やっぱり今年も1年、真大に振り回されそうな予感。
でもそれを嫌と思わない自分がいて。
結局、それだけ真大にベタ惚れなんだって思い知らされた気がして、それこそ元日早々、しかも神様の前で一体何考えてるんだろう、て翔真は恥ずかしくなった。
「翔真くん、これからどこ行く?」
「ぅ、ん?」
自然といろいろなことを考えていた翔真は、ふいに真大に声を掛けられ、ハッと意識を戻した。
どうやらいつの間にか、真大のお参りは終わっていたらしい。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
りり ⇒ 振り回されちゃう、だけど好き
如月久美子 ⇒ >りりさん
基本的に翔ちゃん、恋愛に関して、相手に振り回されたり翻弄されたりするの、嫌なんだろうな、と。
今までずっとそうだったのに、なぜかそれが真大タンだと許せてしまうという。
本当に好きなんだろうなぁ…と、書きながら私も思ってしまいます(笑)
真大タンも、振り回してるつもりでも、やっぱり翔ちゃんのほうが1枚上手みたいですが。
コメントありがとうございました!
今までずっとそうだったのに、なぜかそれが真大タンだと許せてしまうという。
本当に好きなんだろうなぁ…と、書きながら私も思ってしまいます(笑)
真大タンも、振り回してるつもりでも、やっぱり翔ちゃんのほうが1枚上手みたいですが。
コメントありがとうございました!