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愛してほしい日々 (5)
2010.01.13 Wed
「そういえば俺、こないだ巫女さんのコスプレしてる子見た」
「マジで? 神社にバイト行く途中とかじゃなくて?」
「だってその格好で、カフェのビラ配りしてたもん」
間違っても、神社でおみくじを売っている女の子が、そのままカフェのビラ配りはしないだろうから、やっぱりそういうコスプレなんだろう。
今の時代、本当に何でもありみたいだ。
「ショウちゃん、貰ったの? そのビラ」
「何か渡されるがままに。え、カズ、行きたいの?」
「違うし!」
バカなことを言って騒いでいるうちに和衣たちの順番が来て、コスプレでなく、助勤だが本当の巫女さんからおみくじを引かせてもらい、3人は列を離れた。
「あ、やった。中吉!」
最初に声を上げたのは、翔真だ。
混雑を面倒くさがってはいたが、いい結果が出れば、やはりそれは嬉しい。内容もなかなかいいことが書いてあるし。
「俺、小吉だ。カズは?」
「末吉ー。ねぇねぇ、末吉って順番的にどうなの? 小吉よりいいの? 悪いの?」
「えー知らね。ただの"吉"てのもあるじゃん」
予想されていた凶が出なかったからよかったけれど、待ち人のところが『来たらず』となっているのが、ちょっと気になる…。
(待ち人、て……どういうこと? 会いたい人? …は祐介だけど、でももう出会ってるし、電話もメールも来るしー…)
何となくいいような、悪いような、全体的に微妙な内容のおみくじ。
まぁ、凶じゃなかったから、いいんだけど。末とはいえ、吉は吉だし。
「結ぶとこ、あっちだ。かぁず?」
「ふぇっ?」
和衣が眉を寄せながら、うむ~…ておみくじを熟読していたら、翔真に肩を叩かれた。
「なぁー、おみくじってさ、いいのも悪いのも、みんな結ぶもんなの?」
「悪いのは結んで、いいのは持って帰る、て聞いたことあるけど。ショウちゃん、持って帰れば?」
「えー、でも持って帰ってさ、汚したり粗末に扱ったりしたら、逆に罰当たりそうじゃね?」
ごく普通の若者らしく、特別に信仰心が篤いわけではないが、やはりおみくじだのお守りといった類のものは、粗末にできないという気持ちはあって。
せっかくの中吉だけど、結んで帰ることにしよう。
「木に結ぶんじゃねぇんだ?」
境内に木はたくさん植えられているが、おみくじは決められた場所に結ぶようになっているようで、何本も張られている紐にはびっしりとおみくじが結び付けられている。
「木に結ぶと、やっぱよくないんじゃない? 枝、折れちゃったりして」
「ふぅん?」
それでもいくつかのおみくじが近くの木の枝に結び付けられていて、和衣はちょっと悲しくなる。
和衣が勝手に結び換えるわけにはいかないから、そのままにしておくしかないけれど、でも。
「マジで? 神社にバイト行く途中とかじゃなくて?」
「だってその格好で、カフェのビラ配りしてたもん」
間違っても、神社でおみくじを売っている女の子が、そのままカフェのビラ配りはしないだろうから、やっぱりそういうコスプレなんだろう。
今の時代、本当に何でもありみたいだ。
「ショウちゃん、貰ったの? そのビラ」
「何か渡されるがままに。え、カズ、行きたいの?」
「違うし!」
バカなことを言って騒いでいるうちに和衣たちの順番が来て、コスプレでなく、助勤だが本当の巫女さんからおみくじを引かせてもらい、3人は列を離れた。
「あ、やった。中吉!」
最初に声を上げたのは、翔真だ。
混雑を面倒くさがってはいたが、いい結果が出れば、やはりそれは嬉しい。内容もなかなかいいことが書いてあるし。
「俺、小吉だ。カズは?」
「末吉ー。ねぇねぇ、末吉って順番的にどうなの? 小吉よりいいの? 悪いの?」
「えー知らね。ただの"吉"てのもあるじゃん」
予想されていた凶が出なかったからよかったけれど、待ち人のところが『来たらず』となっているのが、ちょっと気になる…。
(待ち人、て……どういうこと? 会いたい人? …は祐介だけど、でももう出会ってるし、電話もメールも来るしー…)
何となくいいような、悪いような、全体的に微妙な内容のおみくじ。
まぁ、凶じゃなかったから、いいんだけど。末とはいえ、吉は吉だし。
「結ぶとこ、あっちだ。かぁず?」
「ふぇっ?」
和衣が眉を寄せながら、うむ~…ておみくじを熟読していたら、翔真に肩を叩かれた。
「なぁー、おみくじってさ、いいのも悪いのも、みんな結ぶもんなの?」
「悪いのは結んで、いいのは持って帰る、て聞いたことあるけど。ショウちゃん、持って帰れば?」
「えー、でも持って帰ってさ、汚したり粗末に扱ったりしたら、逆に罰当たりそうじゃね?」
ごく普通の若者らしく、特別に信仰心が篤いわけではないが、やはりおみくじだのお守りといった類のものは、粗末にできないという気持ちはあって。
せっかくの中吉だけど、結んで帰ることにしよう。
「木に結ぶんじゃねぇんだ?」
境内に木はたくさん植えられているが、おみくじは決められた場所に結ぶようになっているようで、何本も張られている紐にはびっしりとおみくじが結び付けられている。
「木に結ぶと、やっぱよくないんじゃない? 枝、折れちゃったりして」
「ふぅん?」
それでもいくつかのおみくじが近くの木の枝に結び付けられていて、和衣はちょっと悲しくなる。
和衣が勝手に結び換えるわけにはいかないから、そのままにしておくしかないけれど、でも。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→名無しさん
カズちゃん、本当に優しい子なんですよ。
みんな(人間だけでなく)が悲しいことは悲しい、切ないことは切ない、て思えちゃう子なんです。
こんな子がそばにいたら、自分も優しい気持ちになれますよね。
あと、さらっと告白、ありがとうございます!
心の糧です~。
拍手&コメントありがとうございました!
みんな(人間だけでなく)が悲しいことは悲しい、切ないことは切ない、て思えちゃう子なんです。
こんな子がそばにいたら、自分も優しい気持ちになれますよね。
あと、さらっと告白、ありがとうございます!
心の糧です~。
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