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05. アフタヌーン・ティー (2)
2009.11.24 Tue
単にショップで見掛けただけなら、こんなに印象深く覚えてもいないだろうから、きっと他に誰か着けている人がいるのだろう。
でも誰だったか、思い出せない。
(蒼ちゃん? 郁? んー…)
思い出せそうで思い出せない、嫌な感覚。
真大は必死に記憶を辿る。
別に祐介が着けている指輪のことを、そこまで突き詰める必要なんてないのに、時間を持て余しているせいだろうか、やけにそのことばかり考えてしまう。
テレビで誰か芸能人でも着けていたのだろうか。
しかし、センスのいい指輪ではあるけれど、真大の趣味ではないから、ここまで覚えているとも思えないのだが。
(うーん…)
真大はグビリと冷め掛けたミルクティーを飲んだ。
(んあ゛ー……思い出せないっ!)
悔しいけど、ダメだ~っ! て、真大は思い切りテーブルに突っ伏した。
もちろん、真大の内心なんか知る由もない祐介は、突然の真大の行動にギョッとして視線を向けたが、テーブルに伏している真大はそれに気付かない。
思い出せないから諦めよう、て思うのに、目をギュッと瞑っても、目に焼き付いたかのように、頭の中に祐介の指輪が浮かんでくる。
何かが真大の中で引っ掛かっているのだ。
「お待たせ~。真大、どうしたの? お腹痛い?」
「…あ、カズくん」
テーブルに突っ伏していた真大は、和衣の声に慌てて頭を上げた。
先ほど真大たちを置いてどこかに行ってしまった、和衣と睦月が戻って来たのだ。
しかも睦月は、もう涼しいと感じる季節になってきたというのに、アイスを頬張っていて、案の定、祐介に「寒くねぇの?」と突っ込まれている。
「だってカズちゃんが、ごちそうしてくれるって言うから」
「むっちゃんが食べたい、て言ったんでしょ!」
2人が来た途端、急に席が賑やかになる。
祐介は、苦笑しながら雑誌を閉じた。やはり雑誌は、真大と一緒にいる間の、間を持たせるためのものだったらしい。
「むっちゃん、垂れてるよ」
「んー…ティシュー…」
睦月は、融けたアイスが垂れた手を、和衣のほうに差し出している。食べるのに専念したいから、拭いてくれということらしい。
和衣は、「もー」とか言いながら、それでもティシューを取り出して、甲斐甲斐しく睦月の手を拭いたり、テーブルに垂れたアイスを拭いたりしている。
「あ、」
ティシューを片付けている和衣の手元を、何となくぼんやりと眺めていた真大は、ふと気付いてしまった。
和衣の右手の指輪。
先ほどまで真大を苦しめていた、思い出せないモヤモヤが、一気に解決してしまった。
(指輪……カズくんがしてるのに似てるんだ…)
祐介の右手で光っていた指輪、どこかで見た覚えがあると思っていたら、和衣がよく着けているものと似ているのだ。
まったく同じ、というわけではない。
けれど、明らかにお揃いだと分かる品。
(…ふぅん)
真大はようやく納得がいった。
彼が、和衣の恋人なのだ。
でも誰だったか、思い出せない。
(蒼ちゃん? 郁? んー…)
思い出せそうで思い出せない、嫌な感覚。
真大は必死に記憶を辿る。
別に祐介が着けている指輪のことを、そこまで突き詰める必要なんてないのに、時間を持て余しているせいだろうか、やけにそのことばかり考えてしまう。
テレビで誰か芸能人でも着けていたのだろうか。
しかし、センスのいい指輪ではあるけれど、真大の趣味ではないから、ここまで覚えているとも思えないのだが。
(うーん…)
真大はグビリと冷め掛けたミルクティーを飲んだ。
(んあ゛ー……思い出せないっ!)
悔しいけど、ダメだ~っ! て、真大は思い切りテーブルに突っ伏した。
もちろん、真大の内心なんか知る由もない祐介は、突然の真大の行動にギョッとして視線を向けたが、テーブルに伏している真大はそれに気付かない。
思い出せないから諦めよう、て思うのに、目をギュッと瞑っても、目に焼き付いたかのように、頭の中に祐介の指輪が浮かんでくる。
何かが真大の中で引っ掛かっているのだ。
「お待たせ~。真大、どうしたの? お腹痛い?」
「…あ、カズくん」
テーブルに突っ伏していた真大は、和衣の声に慌てて頭を上げた。
先ほど真大たちを置いてどこかに行ってしまった、和衣と睦月が戻って来たのだ。
しかも睦月は、もう涼しいと感じる季節になってきたというのに、アイスを頬張っていて、案の定、祐介に「寒くねぇの?」と突っ込まれている。
「だってカズちゃんが、ごちそうしてくれるって言うから」
「むっちゃんが食べたい、て言ったんでしょ!」
2人が来た途端、急に席が賑やかになる。
祐介は、苦笑しながら雑誌を閉じた。やはり雑誌は、真大と一緒にいる間の、間を持たせるためのものだったらしい。
「むっちゃん、垂れてるよ」
「んー…ティシュー…」
睦月は、融けたアイスが垂れた手を、和衣のほうに差し出している。食べるのに専念したいから、拭いてくれということらしい。
和衣は、「もー」とか言いながら、それでもティシューを取り出して、甲斐甲斐しく睦月の手を拭いたり、テーブルに垂れたアイスを拭いたりしている。
「あ、」
ティシューを片付けている和衣の手元を、何となくぼんやりと眺めていた真大は、ふと気付いてしまった。
和衣の右手の指輪。
先ほどまで真大を苦しめていた、思い出せないモヤモヤが、一気に解決してしまった。
(指輪……カズくんがしてるのに似てるんだ…)
祐介の右手で光っていた指輪、どこかで見た覚えがあると思っていたら、和衣がよく着けているものと似ているのだ。
まったく同じ、というわけではない。
けれど、明らかにお揃いだと分かる品。
(…ふぅん)
真大はようやく納得がいった。
彼が、和衣の恋人なのだ。
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