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03. プラチナ・リング (6)
2009.11.17 Tue
「で、どれにすんの? それに似た感じのでしょ?」
「あ、うん」
2人して頭を寄せ合い、ショーケースに並ぶ指輪を見つめる。
思わず、これいいかも~と、自分が欲しいものを選びそうになって、和衣は慌てて気を引き締める。今は祐介に上げるリング探しに集中しなければ。
「こちら、今人気のデザインですよ」
「あ、はいっ」
店員のお姉さんに声を掛けられ、和衣はビックリして顔を上げた。
薦められたのは、キレイめなデザインのシンプルな指輪だったが、それはどう見ても女物の指輪で。
きっと和衣たちが話しているのを聞き付けて、彼女への贈り物を探していると思い、声を掛けてくれたのだろう。
しかし贈りたい相手は恋人だが、女の子ではないので、出来れば男物の指輪をお勧めしてほしいのだが…。
「えっと、あの…これに似た感じのリングが欲しいんですけど…」
和衣は困ったように自分の右手を差し出して、店員のお姉さんに指輪を見せた。
「ペアリングでしょうか?」
「えっとー…そうじゃなくてもいいんですけど、あの、似た感じの…」
どうも歯切れの悪い和衣に、店員のお姉さんも少々困り顔だ。
きっとペアリングとして薦められるのは、女物の指輪に違いない。
かといって、男物で同じものを、と言えば、それはそれで、「は?」という顔をされると思う。悲しいけれど。
「えっと…」
「……、あの、俺の友だちで、このデザイン気に入った子がいて、でもこれじゃサイズが合わなくて上げらんないから、似た感じのヤツを探してるんです。だから女性向けのじゃなくて、男物の指輪が見たいんですけど」
「あ、はい、かしこまりました」
見かねた睦月がとっさに口から出任せを言えば、納得したのかしないのか、しかし和衣が伝えたかったことも分かったらしく、店員のお姉さんはいったん下がって、男物の指輪を用意してくれた。
「まったく同じものがよろしいですか? それでしたら、こちらになります」
「あー…えっと、どうしようかな」
「こちらが少しデザインの違うタイプになりますが」
あれこれと指輪を並べられ、ただでさえ迷いやすい和衣の頭の中は、もうすっかりグルグルしてしまっている。
隣の睦月はもちろんそれに気付いているけれど、店員のお姉さんがそこまで分かるはずもなく、営業センスをフルに発揮して、お勧め指輪を和衣に見せてくれる。
「ど…どうしよう、むっちゃん…」
「えー…まったく同じのじゃアレだから、ちょっと違うのにするんでしょ…? 似てるのにしたら?」
「だよね? だよね? で、どれがいいと思う…?」
「そこはカズちゃんが決めなよ…」
お姉さんに聞こえないように、コソコソとやり取りをしながら、睦月もいくつか指輪を手に取ってみる。
アドバイスをしてあげられるほど祐介の趣味や好みは知らないが、あまり派手なものは好まないだろう。後は、普段の格好に合うものを選べば、それでいいような気がする。
「うー…これにしようかな。ね、むっちゃん、どう思う?」
「カズちゃんがいいと思ったヤツがいいんじゃない? だって俺が選んだヤツゆっちがしてたら、カズちゃん、またヤキモチ妬くでしょ?」
「う…」
確かに…。
そんな自分の姿が容易く想像できて、和衣は再び指輪に向き直った。
「あ、うん」
2人して頭を寄せ合い、ショーケースに並ぶ指輪を見つめる。
思わず、これいいかも~と、自分が欲しいものを選びそうになって、和衣は慌てて気を引き締める。今は祐介に上げるリング探しに集中しなければ。
「こちら、今人気のデザインですよ」
「あ、はいっ」
店員のお姉さんに声を掛けられ、和衣はビックリして顔を上げた。
薦められたのは、キレイめなデザインのシンプルな指輪だったが、それはどう見ても女物の指輪で。
きっと和衣たちが話しているのを聞き付けて、彼女への贈り物を探していると思い、声を掛けてくれたのだろう。
しかし贈りたい相手は恋人だが、女の子ではないので、出来れば男物の指輪をお勧めしてほしいのだが…。
「えっと、あの…これに似た感じのリングが欲しいんですけど…」
和衣は困ったように自分の右手を差し出して、店員のお姉さんに指輪を見せた。
「ペアリングでしょうか?」
「えっとー…そうじゃなくてもいいんですけど、あの、似た感じの…」
どうも歯切れの悪い和衣に、店員のお姉さんも少々困り顔だ。
きっとペアリングとして薦められるのは、女物の指輪に違いない。
かといって、男物で同じものを、と言えば、それはそれで、「は?」という顔をされると思う。悲しいけれど。
「えっと…」
「……、あの、俺の友だちで、このデザイン気に入った子がいて、でもこれじゃサイズが合わなくて上げらんないから、似た感じのヤツを探してるんです。だから女性向けのじゃなくて、男物の指輪が見たいんですけど」
「あ、はい、かしこまりました」
見かねた睦月がとっさに口から出任せを言えば、納得したのかしないのか、しかし和衣が伝えたかったことも分かったらしく、店員のお姉さんはいったん下がって、男物の指輪を用意してくれた。
「まったく同じものがよろしいですか? それでしたら、こちらになります」
「あー…えっと、どうしようかな」
「こちらが少しデザインの違うタイプになりますが」
あれこれと指輪を並べられ、ただでさえ迷いやすい和衣の頭の中は、もうすっかりグルグルしてしまっている。
隣の睦月はもちろんそれに気付いているけれど、店員のお姉さんがそこまで分かるはずもなく、営業センスをフルに発揮して、お勧め指輪を和衣に見せてくれる。
「ど…どうしよう、むっちゃん…」
「えー…まったく同じのじゃアレだから、ちょっと違うのにするんでしょ…? 似てるのにしたら?」
「だよね? だよね? で、どれがいいと思う…?」
「そこはカズちゃんが決めなよ…」
お姉さんに聞こえないように、コソコソとやり取りをしながら、睦月もいくつか指輪を手に取ってみる。
アドバイスをしてあげられるほど祐介の趣味や好みは知らないが、あまり派手なものは好まないだろう。後は、普段の格好に合うものを選べば、それでいいような気がする。
「うー…これにしようかな。ね、むっちゃん、どう思う?」
「カズちゃんがいいと思ったヤツがいいんじゃない? だって俺が選んだヤツゆっちがしてたら、カズちゃん、またヤキモチ妬くでしょ?」
「う…」
確かに…。
そんな自分の姿が容易く想像できて、和衣は再び指輪に向き直った。
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